“ありがとう”の意味「サンキューハザード」は違反?道交法には明記されない行為… ハザードランプの正しい使い方とは
くるまのニュース / 2023年10月27日 14時10分
お礼の気持ちを伝えるためにハザードランプを点灯させる行為を「サンキューハザード」と呼びます。こうした行為は、本来のランプの使い方ではないことから、違反行為に当たる恐れがあると言いますが正しい使い方とはどのようなものなのでしょうか。
■ハザードランプは危険を知らせるために使うもの
後続車に対して、お礼の気持ちを伝えるためにハザードランプを点灯させる行為を「サンキューハザード」と呼びます。
こうした行為は本来の使い方ではないですが、世の中では広く知れ渡っています。では、本来の使い方と違うこの行為は問題無いのでしょうか。
運転中の車線変更や合流の際に、進路を譲ってくれたクルマに対して、「ありがとう」と伝えようとハザードランプを2、3回点灯させることがあります。
こうした行為は「サンキューハザード」と呼ばれていますが、自動車教習所で習うこともなく、いつしかドライバーが自発的に始めた運転マナーのような習慣で、元々サンキューハザードという行為は、トラックドライバーのコミュニケーション手段が一般化したものだと言われています。
同じような世の中に広まっている行為として、駐車場で空き枠に停める際に使用する「駐車合図ハザード」というものがあり、これは後続車に対しての追突防止の意味合いも。
また渋滞の最後尾になった際にハザードランプを点灯させ、後続車に危険を知らせる「渋滞最後尾ハザード」もあり、これに関しては警察なども推奨しています。
これらの行為は運転者同士のコミュニケーションでもあり、紳士的な意図もあるため、決して悪質な行為ではないことが明確です。
しかしサンキューハザードは、後続車に対しての危険を知らせるものではありません。
ハザードランプの正式名称は非常点滅表示灯と呼ばれることからあくまでも「ハザード(危険)」を知らせるためのものだということがわかります。
そのためクルマに故障が発生した際や、やむを得ず路上駐車するときなど、非常停止する場合に周囲のクルマに対して危険を知らせるために点灯させます。また、クルマがけん引される際などにも使用します。
また国家公安委員会の告示「交通の方法に関する教則」では、トンネルの中や濃い霧の中など50m先が見通せない場所に駐停車する場合や、クルマの故障などにより道路にやむを得ず駐停車する場合、ハザードランプやパーキングランプなどを点滅させるように示されています。
※ ※ ※
また、安全を確保するためのものであるために、万一ドライバーが操作できなくても点灯できるように、多くのクルマでは運転席と助手席の間にハザードスイッチが設置されているケースがあります。
この例から考えると「お礼」を意図したサンキューハザードという使い方は、適切ではないようにも思えます。
■サンキューハザードはイケない行為なのか? 違反になるの?
道路交通法施行令には、ハザードランプについての以下の記載があります。
●第18条第2項
「自動車(自動二輪車及び小型特殊自動車を除く)は、法第52条第1項前段の規定により、夜間、道路(歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道)の幅員が5.5メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる『非常点滅表示灯』、駐車灯又は尾灯をつけなければならない」
●第26条の3第3項
「通学学園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める『非常点滅灯』をつけなければならない」
いざという時に助手席の人でも押せるように中央に配置されることが多い
いずれも、ハザードランプを使用するべきタイミングについての記載はありますが、使用してはならない時の具体例はありません。
この事象について、警視庁交通相談コーナーの担当者は、「ドライバーの間で使用されている『サンキューハザード』は、元来の使用方法とは異なることから、状況によっては違反行為に該当してしまう恐れもあります」と話しています。
※ ※ ※
道を譲ってくれたクルマに対してお礼の挨拶として点灯させる、サンキューハザード。
悪気などなくつい習慣でやってしまう行為ですが、ハザードランプの本来の使い方ではないことも認識することで、より安全な運転につながります。
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