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なぜ「スポーツモデル」相次いで披露? コンセプト一新の「ジャパンモビリティショー」 自動・電動化のいま「スポーツカー」必要な理由とは

くるまのニュース / 2023年10月31日 9時10分

現在電動化や自動化が進む自動車業界ですが、「東京モーターショー」からコンセプトが一新されて開催された第1回「ジャパンモビリティショー」では、なぜスポーツモデルが多く登場したのでしょうか。

■なぜ第一回JMSでは「スポーツモデル」相次いで登場?

 2023年10月25日(一般公開は28日から)、これまでの「東京モーターショー」に代わり、コンセプトが一新されて開かれた第1回「ジャパンモビリティショー2023」。
 
 そこでは、新時代のスポーツモデルを示唆させるコンセプトカーが多く登場し、大いに盛り上がりを見せました。しかし、自動車業界としては全体的に電動化や自動化が進む現在、なぜスポーツモデルが相次いで披露されたのでしょうか。

 ジャパンモビリティショーへとネーミングチェンジし、4年ぶりの開催となった旧・東京モーターショー。

 その会場において、来場者の人気を得ていたのはやはりスポーツカーやスポーティなコンセプトカーだったと感じるのは筆者(工藤貴宏)だけではないと思います。

 各メーカーが出展したスポーツカーやスポーティなコンセプトモデルは、トヨタ「FT-Se」、マツダ「ICONIC SP(アイコニック エスピー)」、日産「Hyper Force(ハイパーフォース)」、ダイハツ「VISION COPEN(ビジョン コペン)」、スバル「SPORT MOBILITY Concept(スポーツ モビリティ コンセプト)」、そして市販予定車としてホンダ「プレリュード コンセプト」と近年まれにみる大量出展。

 多くのメーカーがスポーツカーやスポーティカーを推してきたことがわかります。

 しかし、脱炭素社会や世の中のクルマ選びの変化を背景に、スポーツカーのマーケットは(現在は一時的に盛り上がってこそいますが長い目で見ると)縮小傾向にあると考えるのが一般的でしょう。

 にもかかわらず、どうして各自動車メーカーがスポーツカーのコンセプトカーを多く送り出してきたのでしょうか。

 筆者は4つの理由を考えます。

 まずは、4年前は「EVじゃないコンセプトカーはあり得ない」というムードだったから。

 最後の東京モーターショーとなった4年前の2019年は、いま以上に「EV(電気自動車)シフト」が強く叫ばれていました。

 極論を言うと「ロハスなEVじゃないコンセプトカーはあり得ない」というほどの空気感が自動車業界に流れていたのです。

 そのため自動車メーカーは世の中の感情を逆なでしないよう、スポーツカーのような「環境に悪そう」に思われがちなコンセプトカーを公開するのを控え、環境にやさしいイメージのコンセプトカーを展示したと考えられます。

 たとえば、今回は「GT-R」っぽい奇抜なデザインのEVコンセプトモデルを公開した日産も、前回はクロスオーバーEV「アリア」に軽EV「サクラ」と、まったくスポーツカーとはベクトルの違うEVを出展していました。

 しかしそこから4年が経った今は、水素など電気以外のエネルギー源も含めて「多様性」が浸透してきたと考えられます。

 次に考えられるのが「スポーツカーだけど、中身はEVとしているから」。

 FT-Se、ハイパーフォース、スポーツ モビリティ コンセプトの3台に共通するものはわかりますか。

 いずれもパフォーマンス重視で派手なデザインのスポーツカーですが、どれもEVなのです。EVであることを免罪符にすれば、環境系の団体から非難されることもないでしょう。

「EVであればスポーツカーだって脱炭素社会に貢献できる。EV時代になってもスポーツカー好きをワクワクわせるつもり」。

 EVのスポーツカーはメーカーからのそんなメッセージと捉えてよさそうです。

■「盛り上げ役」にはスポーツモデルが必須?

 そして、3つ目は「実は2019年のモーターショーはコンセプトカーが少なかったから」が考えられます。

「モビリティショーの展示車両にスポーツカーが多い」と感じるのは、前回の東京モーターショーと比べて相対的にその台数が増えているからにほかならないでしょう。

 実は、2019年の東京モーターショーはスポーツカーのコンセプトカーというよりもコンセプトカーそのものが少なかったのです。

 たとえばモビリティショーの一般公開日において人垣の多さでトップを争うのは日産のハイパーフォース、マツダICONIC SP、そしてトヨタのFT-Seなどのスポーツカーですが、前回モーターショーにおいて日産は前出のようにコンセプトモデルですが、後に市販する車両に厚化粧を施したものを展示。

 マツダ(市販予定車の「MX-30」をメインに展示)やトヨタ(ブース内にクルマと呼べるような展示物なし)からはコンセプトカーの出展そのものがありませんでした。

 スバルも市販予定の「新型レヴォーグ」がメインで、初公開のコンセプトカーはなかったのです。

ダイハツ「VISION COPEN」ダイハツ「VISION COPEN」

 4年前は「スポーツカーのコンセプトカーが少ない」のではなく「全体的にコンセプトカーそのものが少ない」という状況でした。そんな前回に対して、今回はコンセプトカーが多く出展され、それに伴ってスポーツカーも増えたというのが今回のジャパンモビリティショーでスポーツカーが多いと感じさせる要因でしょう。

 そして4つ目の理由は、「そもそもスポーツカーの華やかさがブースやイベントの盛り上がりにつながるから」。

 モーターショー(モビリティショー)は2年に1度の自動車業界の盛大な“お祭り”なのですから、盛り上がってナンボといえます。

 そう考えたとき、やはり派手で華やかなスポーツカーや来場者を引き寄せますし、自動車メディアでの注目度も違います。盛り上げ役として、スポーツカーはいい仕事をするのです。

 メーカー側の視点で考えると、スポーツカーの華やかさがブースの集客につながり、注目され、それがメーカーのポジティブなイメージにもつながる。だからスポーツカーはショーに欠かせない存在といえるのではないでしょうか。

 2年後の「第2回モビリティショー」でも、多くのスポーツカーが展示され、ショーを盛り上げてくれるのが楽しみです。

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