クルマの「先進運転支援システム」本当に必要?「ACCはめちゃ便利!」の声も! 頼りすぎはNGなワケ
くるまのニュース / 2023年11月19日 20時10分
今ではさまざまなクルマに搭載されるようになった「先進運転支援システム(ADAS)」ですが、本当に有効なのでしょうか。実際に利用している人はどう感じているのでしょうか。
■先進運転支援システムってどうなの?
安全に対する意識の高まりもあり、クルマの「先進運転支援システム(ADAS=Advanced Driving Assistant System)」が普及しつつあります。今では軽自動車にも標準で搭載されるほどで、すでに多くの人が利用しているのではないでしょうか。
その一方で、クルマ好きのなかには「運転は全部自分でしたい」という声があったり、まだ未体験の人には「本当に効果あるの?」と懐疑的な意見があるのも確かです。
そこで先進運転支援システムの数ある機能のなかから代表的な7つをピックアップし、実際に使っているユーザーの声とともに、先進運転支援システムの是非を探ります。
まずは、「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」です。
アクセルを踏むことなく設定した速度を維持してくれるのが「クルーズコントロール」ですが、ACCはその進化系にあたり、センサーとCPUによりアクセルだけでなくブレーキまでも自動で操作。加減速を制御することで前走車との車間距離を一定に保ちながら走る「追従走行」を可能としています。
少し前のモデルでは30km/h以下になるとシステムが解除されましたが、最近は全車速対応モデルが増加中。これにより渋滞時のストップ&ゴーにも対応しています。
ユーザーからは「本当に楽」という声が多数聞かれるほか、「肉体的に楽なだけでなく精神的にも余裕ができて、運転中に子供が泣いたときなどもパニックにならないで済むようになりました」という声もあがっています。
「車線維持支援制御装置」は、道路上の車線を検知し、車両が車線からの逸脱を予測すると車線中央付近を走行するようにハンドル操作を支援してくれる機能です。一般的に50km/h以上で作動するように設定されています。
似たような機能に「車線逸脱警報」がありますが、こちらは警報音やハンドル振動、ディスプレイ表示などの警告のみで、ハンドル操作はしてくれません。
車線維持支援制御装置は「ACCと組み合わせて使うと最高に便利」という意見が多数ですが、「車線が消えていたりして見失うと解除されてしまうこともあるので気を抜けない」「車線内を左右にフラついて挙動不審」という否定的なコメントも。メーカーや車種による性能の差が大きいように見受けられます。
「衝突被害軽減ブレーキ」は、カメラやレーダーにより前方の車両や歩行者、壁などを検知し、衝突の危険性が高まったら音や警告灯などで警告する安全装備です。
それでもブレーキ操作がない場合、自動的にブレーキを作動して衝突を回避または衝突時の被害軽減を図ります。
新型車は2021年11月(輸入車は2024年7月)より装着が義務付けられており、継続生産車も2025年12月以降(輸入車は2026年7月)は義務化が決定しています。
この機能を作動させるということは前方不注意の証明で恥ずかしいと考えられるからか、SNSなどで経験を投稿する人はあまりいません。
しかし、ユーザーに直接話を聞くと「衝突被害軽減ブレーキのおかげで追突事故をせずに済みました」や「豪雨で機能がキャンセルされてちょっと不安でした」と、意外にも機能のお世話になった人も少なくないようです。
■便利な先進運転支援システムも結局は「使う人次第」
昨今のヘッドライトには、先行車や対向車等を検知し自動的にハイビームとロービームを切り替えたり、ハンドルやウインカーなどの操作に応じ照射方向を変えて進行方向を明るくする先進的な装備が備わります。
これらは「アダプティブヘッドライト」などと呼ばれますが、都市部よりも地方で使用されることが多いようで、「暗い道ですごく助かる」という意見が多いのが特徴。「一度使ったら手離せない」といった賛辞も少なくありません。
一方で、構造が複雑になってしまうことがあることから「バルブ交換がやりづらい」や「適合しない社外バルブがある」などDIY派からは不満があがっています。
車外からアプリで駐車が可能
「高度駐車支援」はセンサーを利用して駐車をアシストしてくれるもので、駐車が苦手という人に重宝される機能です。
駐車スペースにクルマを収めるようにハンドル操作をサポートしてくれるだけでなく、車種によってはアクセルやブレーキ、シフト操作まで自動制御してくれるものもあります。
自動であっても「小さめの障害物を検知しなくて慌てて自分でブレーキを踏みました」という体験談もあるように、完全にお任せするのは禁物。「あれば便利だけど……」という意見が多いようです。
「交通標識認識機能」は一時停止や最高速度など道路標識をクルマが検知しドライバーに知らせるシステムです。多くはメーター内のディスプレイに表示されますが、ヘッドアップディスプレイの普及でフロントガラスに投影されるものもあります。
「歳をとって目のピント調整が遅くなったのもあって交通標識認識機能には助けられています」という好意的な意見もありますが、天候や標識の状態などで読み取りミスもあるため「ちょっと煩わしい」と感じる声も少なくありません。
ドライバーから見えづらい車両後方の死角領域をレーダーセンサーやカメラで監視し、車両などの障害物が近づいた場合にブザーやインジケーターの点灯あるいは点滅で警告してくれるのが「ブラインドスポットモニター」です。主に車線変更の際の判断をサポートしてくれます。
これについては「役に立った」という意見もありますが、それ以上に多いのが「ミラーをしっかり見ないで車線変更するドライバーはミラー内の死角モニターのインジケーターも見てないからあんまり意味がないのかも」という他車サイドからの批判です。
SNSには死角モニターのインジケーターが点灯しているのに急な車線変更をしているクルマを録画したドラレコ映像が、たびたび投稿されています。
※ ※ ※
先進運転支援システムはだいぶ「使える」ことが分かりましたが、まだまだ進化の途中、メーカーや車種、世代によって名称はもちろん機能の内容や精度に差があり、その点は注意が必要です。
そして、先進運転支援システムは自動運転とは異なり、あくまでもドライバーをサポートするもので運転の主体はドライバーです。
事故をおこせば当然ドライバーの責任になるので、あまり過信せず、注意義務の履行がおろそかにならないようにしましょう。
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