クルマの運転「ふんわりアクセル」はもう古い? いまや「メリハリアクセル」がイケてる? 燃費良い運転方法とは
くるまのニュース / 2023年11月8日 11時10分
クルマの燃料消費を抑えるテクニックとして「ふんわりアクセル」という方法が知られていますが、近年急速に普及が進むハイブリッドカーやEVといった電動車にそのワザは通用しません。それではどのような「エコ運転」の方法が望ましいのでしょうか。
■ハイブリッド車で「ふんわりアクセル」は逆効果!?
低燃費なエコ運転として「ふんわりアクセル」をオススメする声を聞きますが、ハイブリッドカーでは時代遅れなテクニックといえます。
ガソリン車とは異なるエコな運転方法について紹介します。
中身が違うとはいえ、見た目は変わらないガソリン車とハイブリッド車。
運転席に乗り込んでも、それほどの差を感じないかと思いますが、最適な運転操作の方法には、意外なほど大きな違いがあります。
ガソリン車とハイブリッド車で運転操作の方法を変えたほうが良い点とは「アクセル操作」です。
燃費を改善するアクセルペダルの操作のやり方として、昔から勧められていた方法に“ふんわりアクセル”(eスタート)と呼ばれる方法があります。
これは、発進時にアクセルペダルを踏む際、優しく踏み込んでいくというもの。
クルマがガソリンを最も消費するのは、最初に重たい車体を動かそうとする「発進時」です。
そこで、発進から5秒間で時速20キロ程度までを目安するふんわりアクセルを心がけることで、一説には10%も燃費が改善するといいます。
ただしこれは、あくまで純ガソリン車に適したテクニック。
実は近年主流となっているハイブリッド車の場合、ふんわりアクセルは通用しないのです。
ハイブリッド車では、電力を使ってモーター走行する時間を長くとることが燃費改善のコツといえます。
原則として、ガソリンエンジンはエンジン回転数が高まっていくほどにトルクが上がりますが、走行用モーターは停止した状態から最大トルクを出すことが可能です。
ハイブリッド車の場合、加速時にはエンジンとモーターのトルクが一体となって加速するため、エンジンが働く時間を短く済ませ、モーター走行を長くすることが、燃費改善には効果的なのです。
具体的には、赤信号での停止した状況から発進をする場合、周囲に迷惑とならない常識的な範囲で最初からやや強めの加速を行って車速を上げます。
所望の車速まで車速が上がったら、アクセルペダルから足を完全に「パッ」と離して、エンジンが停止し、電動走行へと切り替わったことを音や振動、メーター表示などで確認します。
ポイントはアクセルペダルを「パッ」と離すこと。こうすることで、クルマに「もう加速する必要がない」と認識させ、エンジンを停止させるのです。
このメリハリが重要で、その後はエンジンが起動してないかを常に意識しながら、アクセルペダルをこまめに調整し、エンジンが休止している状態をできるかぎり長く維持しながら、一定速走行を続けます。
車速が落ちてきたら、やや強めに加速をして、また巡航走行に戻ったらアクセルペダルを離す、といった操作を繰り返します。
■電気自動車でも使いたい「メリハリアクセル」のテクニック
バッテリーEV(電気自動車)の場合も、ハイブリッド車と同様です。
停止状態からの加速は強めに、車速が乗ったらアクセルペダルから足をパッと離し、アクセルペダルをあまり踏み込まないようにしながら巡行走行をするのがコツです。
ハイブリッドカーやEVのメーターには「回生」の効果を示すメーターが搭載されています
筆者(くるまのニュースライター 河馬兎)はかつて、バッテリーEVの日産「リーフ」を所有していましたが、このアクセル方法で、航続距離が厳しかった中古リーフの電費を必死に改善させ、効果も実感しています。
ハイブリッド車を含む電動車には、電気を回収してバッテリーへ充電する「回生」という機能があります。
アクセルペダルから足を離して惰性走行をすることで回生が行われ、電動走行できる距離が伸びるため、この方法で運転することでさらに燃費(電費)がよくなるのです。
※ ※ ※
近年、ガソリン価格の高騰が続いています。
2020年には1リットルあたり127円だったレギュラーガソリンは、2023年10月には170円を突破してしまいました。
2023年11月現在、政府補助金の延長によりガソリン価格はひとまず落ち着いていますが、価格が下落していくことは当面は考えにくく、クルマユーザーとしてはすこしでも燃費をよくして家計への圧迫を抑えたいところです。
前述の通り、アクセルペダル操作の加減次第で燃費は変わります。
ガソリン車と電動車、それぞれの特徴を把握して、低燃費(低電費)の走行ができるよう心がけましょう。
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