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トヨタ新型「アルファード」なぜ発売早々に受注停止? 半導体不足だけじゃない!? 長納期化する本当の理由とは?

くるまのニュース / 2023年11月8日 10時10分

昨今は新型車の納車が遅れるケースが増えており、その結果、新規の受注が停止されることがあります。コロナ禍による部品の供給不足は解消されつつあるものの、なぜ注文できなくなるのでしょうか。

■発売早々なぜ受注停止?

 最近は発売直後に受注停止となる新型車が多く、2023年6月に発売されたトヨタの高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」は受注を止めています。
 
 トヨタの販売店は、「新型アルファードと新型ヴェルファイアは注文が殺到し、発売早々に納期が1年に達しました。さらに延びることも予想され、7月に受注を停止しています」といいます。

 特にアルファードとヴェルファイアは受注台数が多いです。先代型は2022年の時点で納期が1年以上に遅れており、2023年にフルモデルチェンジを控えていたことから2022年6月に受注を止めました。

 その結果、アルファードとヴェルファイアは、新型モデルがデビューした2023年6月まで、約1年間にわたり受注を停止しています。

 アルファードとヴェルファイアは従来型の保有台数も多く、販売店には「新型が登場したらすぐに買う」という乗り替えの希望が多く寄せられていました。そのために新型の受注が始まると短期間で大量の注文が入り、早々に納期が遅延。多くの販売会社で再び受注が止まったのです。

 最近のアルファードとヴェルファイアの登録台数を合計すると、1か月当たり7000台~8000台に達します。これは「アクア」や「プリウス」と同等で、生産は十分におこなわれていますが、それ以上に多くの受注を抱えています。

 納期が数年間に長引くとさまざまな弊害が生じ、納車を待つ間にユーザーが転勤したり、生活する上で必要なクルマが変化する可能性があります。

 また納車待ち中にその車種がモデルチェンジを受けて、内外装のデザインや装備、価格などが変更されることもあり、極端な納期の遅れはユーザー、販売店、メーカーのメリットにならないため受注を止めるのです。

 この納期が延びて受注を停止する原因として、しばしば「半導体の供給不足」が挙げられます。もちろん半導体も足りませんが、メーカーの開発者からは「ワイヤーハーネス、樹脂、塗料など、供給の滞りは半導体以外でも発生しています」という話も聞かれます。

 直近では、新型コロナウイルスの影響が終息に向かい、供給不足も解消されつつあるものの、納期が即座に短縮されるわけではありません。

 開発者は「今は既に契約を済まされ、納車を待っているお客さまの膨大な車両を生産しているため、納期が元に戻るにはしばらく時間が必要なのです」といいます。

※ ※ ※

 新型アルファードと新型ヴェルファイアは、定額制カーリースの「KINTO」では取り扱いを続けています。

 このKINTOであれば6か月~8か月で納車されるといいますが、リース期間が満了すると車両を返却しなければならず、ユーザーが買い取って所有権を手に入れることはできません。

 自分で所有したいという人は、契約期間満了後の買い取りを可能にすると親切でしょう。

 それが無理なら、一度返却した後、同じ車両を「KINTO ONE 中古車」に切り替えて継続して使えるようにすると良心的です。

 そうすればユーザーは、数年間使って愛着の生じたアルファードやヴェルファイアに乗り続けられます。

■納期遅延はほかのメーカーでも深刻

 ほかのメーカーでも納期遅延がおこっており、ホンダは「シビックタイプR」の注文ができない状態になっています。同車の納期は約3年にも及ぶとされていて、受注再開の時期は未定です。

 新型アルファード/ヴェルファイアに比べると、シビックタイプRの販売台数は少ないですが事情は似ています。

 ホンダの販売店は「受注を停止している間に、購入希望のお客さまが増えました。その結果、短期間で受注を停止したり、抽選販売になるのです」と述べています。

納期3年ともいわれるホンダ新型「シビックタイプR」納期3年ともいわれるホンダ新型「シビックタイプR」

 納期遅延や受注停止の理由として、新型コロナウイルス以外に、元々の生産/販売規模が少ない場合もあります。

 シビックタイプRの場合、国内月販計画は400台と少なく、需要に対して供給が追い付かずに受注を停止しました。

 このほか、2018年に発売されたスズキ「ジムニー」も、登場から5年が経過した今でも納期が一貫して1年から1年半に達しています。

 受注の停止には至っていませんが、この納期遅延も国内仕様の生産規模が根本的に不足していることが原因。

 生産規模を増やせば良いのですが、数年後に需要が下がった時に過剰な生産設備を持つことになり、従ってどのメーカーも増産に踏み切れないのです。

 納期や受注の停止状況は、販売会社によっても異なります。なぜなら、販売会社に応じて割り当てられる受注台数が異なり、なおかつ地域によってその車種のニーズにも違いが生じるからです。

 割り当てられた台数の割に受注が少ない販売会社では、納期も遅延しにくく受注の停止も発生しづらいです。

 納期の遅延や受注の停止について、各メーカーとも有効な対策を講じられない状態が続いていますが、トヨタではグレードの数を抑えたり段階的に受注や生産を開始しています。

 例えば「クラウンクロスオーバー」は、「アドバンスト」の名称が付くグレードから生産を開始しました。

 新型アルファードと新型ヴェルファイアは、注文できるグレードを上級仕様に絞ったほか、ボディカラーもアルファード3色、ヴェルファイア2色と最小限としています。

 それ以外の仕様を希望するユーザーは、今後追加される仕様を待つことになりますが、この方法であれば納期は短縮しやすいです。

 このようにさまざまな策を講じたものの、実際には想定以上の注文が集まったことで納期の遅延が収まらず、受注を停止せざるを得ない状況に陥っています。

 ユーザーとして有効な手段はなく、納期や受注状況が正常に戻るまで、現在所有している車両を大切に使うしかなくなるわけですが、そうなると最初に登録や届け出をおこなってから13年を超える場合もあるでしょう。

 13年を超えた車両は自動車税や自動車重量税が重課されることになるのですが、その意味でも増税はやめるべきです。

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