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道路に描かれた「白いひし形」半数以上の人が知らない!? 見落としがちな「◇」の意味は? ドライバーが正しく理解すべき交通ルールとは

くるまのニュース / 2023年11月12日 7時10分

道路には白い「ひし形」のマークが描かれていることがあり、ドライバーはみな知っていなければならないマークですが、意外にも認知度が低いようです。これはどのようなことを意味しているのでしょうか。

■「白いひし形」どんな意味?

 道路にはさまざまな交通標識が存在しており、道路脇に立てられているものや、停止線、矢印のように路面に描かれているものなどを見かけます。
 
 そして路面に描かれているもののなかには、白いひし形マーク(◇)があります。
 
 しかし、このひし形マークは重要なことを意味しているにも関わらず、認知度があまり高くなく、どのような意味があるのかよく知らないという声も聞かれます。白いひし形マークにはどのような意味があるのでしょうか。

 ひし形マークは「ダイヤマーク」ともいわれる路面標示で、「前方に横断歩道または自転車横断帯あり」ということを示しています。

 基本的に横断歩道などの約50m手前の地点と30m手前の地点に1つずつ描かれています。

 このひし形マークによって横断歩道などの位置をドライバーに事前に知らせることで、横断歩道や自転車横断帯を渡っている歩行者や自転車の安全を図る目的のために設置されています。

 山梨県警が、2020年に免許更新などで警察署を訪れた2600人におこなったアンケートによると、正しく回答した人は約4割。ひし形マークの意味を知らない人や誤った回答をした人が全体の6割以上になったという結果が出おり、認知度が低い標識のひとつといえるでしょう。

 ひし形マークはすべての横断歩道や自転車横断帯がある場所に描かれるのではなく、「横断歩道などの設置場所に信号機が設置されていない道路」や「道路または交通の状況により、横断歩道などの存在がその手前から十分に認識できない道路」に設置されるもの。

 つまり、信号機が無かったり、カーブの先にあって見通せないなど、注意すべき横断歩道などの手前にあると言えます。

 クルマを運転中にひし形マークが見えたとき、ドライバーはどうすれば良いのでしょうか。

 道路交通法第38条第1項では、車両等が横断歩道や自転車横断帯に接近するときは、横断歩道や自転車横断帯を渡ろうとしている歩行者や自転車がいないことが明らかな場合を除いて、その横断歩道などの直前で停止できるような速度で進行しなければならないと定められています。

 また歩行者や自転車が横断していたり横断しようとしているときには、横断歩道などの直前で一時停止し、通行を妨げないようにしなければいけません。

 さらに同条第2項では、横断歩道などやその手前で停止している車両があるときには、その車両の影から歩行者や自転車が出てくる可能性があるため、車両のそばを通って前方に出る前に一時停止をしなければならないと規定されているほか、同条第3項や道路交通法第30条では横断歩道などやその手前30メートル以内での追越し・追い抜きを禁止しています。

 道路上にひし形マークを見つけた場合には、前方の横断歩道や自転車横断帯を渡ろうとしている人がいないか確認し、もし歩行者などがいるのか定かでない場合は、横断歩道などの手前でいつでも停止できるように十分スピードを落として通るようにしましょう。

 その一方で、信号機のない横断歩道で渡ろうとしている歩行者や自転車がいても、手前で停止しないドライバーも多くみられます。

 JAF(日本自動車連盟)は毎年「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」を各都道府県で実施していますが、2023年の一時停止率は全国平均45.1%と、調査を開始してからもっとも高い停止率だったことを公表しました。

 信号機のない横断歩道では歩行者が優先されるということが徐々に浸透してきているようですが、それでも5割以上のドライバーが停止していないという状況があります。

 信号機のない横断歩道の手前にはひし形マークがあるということを再認識し、ひし形マークを見つけたらスピードを落として、渡ろうとしている歩行者や自転車がいないか十分確認するようにしましょう。

※ ※ ※

 信号機のない横断歩道の手前でもうひとつ気を付けたいのが、前方を走行する車両が横断歩道で一時停止している場合で、このとき歩行者の横断を優先している可能性があります。

 横断歩道の手前30m以内では前方の車両を追い越し・追い抜きしてはいけないと定められており、注意する必要があります。

 また歩行者側も、信号機がない横断歩道を渡る時はクルマのドライバーに渡る意思を伝えたり、無理な横断をしないように心掛けるなど、お互いに安全を意識することが大切だといえます。

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