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「AT免許」でMT運転… 「無免許運転」ではない? 根拠は「有効期限下の欄」! 普段気にしない“条件”に「再確認した」の声も

くるまのニュース / 2023年11月12日 10時10分

AT限定免許の人がMT車を運転すると、無免許運転ではなく免許条件違反に該当します。この根拠である「免許の条件」について、SNSなどではさまざまなコメントが投稿されています。

■「免許の条件」再確認するのが吉

 新車で販売されるクルマのほとんどがAT(オートマチック)車であることから、運転免許を「AT限定」で取得する人が多くなっています。
 
 AT限定免許の人がMT車を運転すると、無免許運転にはならず「免許条件違反」に該当します。この根拠である免許証の「免許の条件」欄について、SNSなどではさまざまなコメントが投稿されています。

 AT限定免許は、運転できるクルマをAT車に限定した免許で、免許証の有効期限の下にある「免許の条件等」の欄に「普通車はAT車に限る」と表示されます。

 AT限定免許を取得する人は年々増加しており、2022年度の運転免許統計によると、普通自動車第一種免許を保有している人のうち67%がAT限定で、新たに運転免許試験に合格した人のうち7割以上がAT限定だといいます。

 このAT限定免許は、MT車を運転すると当然交通違反となってしまいますが、実は「無免許運転」には該当しません。

 なぜならば、免許に記載された条件に違反する「免許条件違反」という交通違反に該当するためで、普通免許のみで大型車を運転するといった、免許外のクルマを運転する「無免許運転」ではないからです。

 罰則の重さが大きく異なり、免許条件違反は普通車であれば反則金7000円と違反点数2点の違反ですが、無免許運転は違反点数が25点で、それまでに違反歴のない人であっても即免許取消の重たい処分となります。

 また、免許条件違反はいわゆる軽微な違反に該当し、反則金も行政処分ですが、無免許運転は免許取消に加えて刑事処分として3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

 このほか、免許条件としてはさまざまな種類があります。

 身体に関するものでは「眼鏡等」のほか、「補聴器」「特定後写鏡等」「義手」「義足」などの種類があり、これらを装着しなければ条件違反に該当します。

 珍しいものとしては、「大特車はカタピラ車に限る」という条件があります。

 ショベルカーやフォークリフトなどの運転が可能な大型特殊免許のうち、運転できるのはカタピラ車のみという条件で、このカタピラ車とは車輪に帯状の鋼板がついた戦車などの車両をいい、自衛隊員が取得できる特有の免許です。

 クルマの種類に関するものでは、「中型車は中型車(8t)に限る」という条件が付くと、車両総重量が「8トン未満」、最大積載量が「5トン未満」、乗車定員が「10人以下」の自動車までしか運転ができなくなります。

※ ※ ※

 この免許条件違反について、SNSでは意外だと驚く人が多いようです。

「無免許運転になると思ってた」「しらなかった!無免許運転ではないんだ!」など、無免許運転に該当すると思い込んでいた人が多いようです。

 しかし、軽微な違反だからといって、AT限定免許を持つ人がMT車を運転してはなりません。

 このほかに、「そういえば自分の免許にも『準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る』とか書いてあったな」「今(普通)免許取ると2トントラック運転できないんだよね~」など、自身の免許で運転できるクルマを再確認する人も多いようです。

 近年では、2017年3月の改正道路交通法で準中型免許が新設されたため、今まで免許条件が記載されていなかった人でも、新たに記載が増える場合があります。

 引っ越しなど、レンタカー等でトラックを運転する予定がある人は、一度確認しておいたほうが良いかもしれません。

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