昔流行った「封印にボトルキャップ」実は違法!? クルマの「ナンバー」なぜ封印が必要? 軽には存在しないワケ
くるまのニュース / 2023年11月21日 11時10分
かつて、ナンバープレートの封印にペットボトルのキャップを被せるのが流行りましたが、現在では、封印にキャップはおろか何か手を加えるのは違法です。ナンバーの封印には、どのような目的があるのでしょうか。
■クルマの「封印」何のためについてる?
ひと昔前、クルマのリアのナンバープレートの「封印」にペットボトルのキャップを取り付けることが流行したことがあります。
今の若い人には「ウソでしょ!?」と思われるようなブームがあったのですが、これは実はNGとされる行為。現在キャップはおろか、無色透明のカバーをナンバープレートに装着することも違反となっています。
クルマのナンバープレートは、国や行政機関などが車両を識別するために割り振られたもので、ナンバープレートが交付されていないクルマは各地域の運輸支局に正式に登録されていないとみなされ、公道を走ることができません(道路運送車両法第11条)。
そしてこのナンバープレートを固定するボルトに被せるように取り付けられているのが封印です。
封印には各都道府県の運輸支局の頭文字が刻まれており、原則として陸運支局の担当者、および封印することが許される「丁種(ていしゅ・甲種)封印受託者」の資格を持った人が封印することになっています(道路運送車両法施行規則第8条)。
そんなナンバープレートの封印ですから、自分で外してしまうのはもちろん違法。自分で外すと「違反点数2点+6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる恐れがあります。
一方で、特別な処置として整備や運行など特定目的のために臨時で公道の走行が許可される「仮ナンバー」に封印はありません。正式登録前の暫定処置のため封印が必要でないということになりますが、有効期限は最長でも5日となっています。
また移転などの理由でナンバーが変更になったり、大幅な修理などでナンバーを取り外す必要が生じた場合などは、暫定的に取り外しが可能です。
ただしその場合も、運輸支局の執行官か有資格者が車検証と車体番号、ナンバープレートを照合したのちに「再封印」しなければいけないことになっています。
車検証シールと同様、もしくはそれ以上に「正しく登録された」車両の証となっている封印ですが、実は軽自動車には取り付けられていません。
封印が必要なのは各運輸支局に「自動車登録番号指標(ナンバープレート)」で正式登録されたクルマのみ。各自治体に「車両番号標」を届け出る軽自動車はそれに該当しないため、封印がないのです。
丁種(ていしゅ・甲種)封印受託者の資格を持つ現役整備士H氏に、封印について聞いてみました。
「封印は非常に大切なものなのですが、たとえば後方から衝突されたクルマなどは、修理の際にリアバンパーを取り外さなければいけないこともあります。
できる限り封印をしたままでの修理を心がけていますが、やむを得ない場合はオーナーの許可をもらってから取り外し、修理後に再封印します。
ただしその場合でも該当する運輸支局に再申請が必要です」
※ ※ ※
平成28年(2016年)4月1日以降、ナンバープレートの表示義務が明確化されており、カバーなどで覆ったり、シールを貼り付けたり、折り返すといった行為が禁止されました。
また、封印はクルマが正しく登録されたことの証であり、運輸支局の敷地内か有識者が管轄する施設内でナンバー変更や、修理などでの再装着、廃車手続きなどの場合を除いて外してはいけません。
一方で、ナンバーを留めているネジは、盗難防止用のネジなども売られており、交換することが可能です。その際はくれぐれも封印は外さないように気を付けてください。
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