「あれ?最近見ないね! 」 クルマの「ボンネットマスコット」なぜ減った? 漢字仕様もあった! 高級車の証が減少したワケ
くるまのニュース / 2024年1月13日 9時10分
高級車を象徴する存在となっていた「ボンネットマスコット」ですが、近年では採用しているモデルは減少しつつあります。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
■ボンネットマスコットを採用しているモデルが減った理由
ボンネットの先端に取り付けられたオーナメント(装飾品)は「ボンネットマスコット」などと呼ばれ、高級車を象徴するひとつの要素となっていました。
近年では採用しているモデルは減少しつつあります。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
有名なものとしては、ロールス・ロイスの「スピリット・オブ・エクスタシー」やベントレーの「フライングB」、そしてメルセデス・ベンツの「スリーポインテッド・スター」などが挙げられるほか、国産車でも日産「シーマ」や「セドリック/グロリア」などで専用のボンネットマスコットが採用されていました。
一方、現在では、ボンネットマスコットを採用しているモデルはかつてに比べて大きく減少しています。そこにはどのような背景があるのでしょうか。
その直接的な理由は、2001年に道路運送車両法の保安基準が改正されたことと大きく関係しています。
それによると、2009年1月1日以降に登録したクルマについて「外部には、衝突時又は接触時に歩行者等に傷害を与えるおそれのある形状、寸法、方向又は硬さを有するいかなる突起を有してはならない」と規定されています。
ボンネットマスコットはこの規定に触れる可能性があったことに加え、当時は自動車メーカー全体が歩行者保護に対する意識を高めていた時期でもありました。
さらに、日本における保安基準の改正は国際基準へ準拠することを目的としており、こうした流れは全世界的なものであったということができます。
ちなみに、日本の保安基準では「装飾部品は、格納、脱落又はたわんだ後に残った突出量が10mm以下でなければならない」とされているほか、「10daN(およそ10kgを荷重した状態)の力を加えた場合に、格納する、脱落する又はたわむものでなければならない」と規定されています。
逆に言えば、この基準を満たせば、現在でもボンネットマスコットを採用すること自体は可能です。
そのため、ただ、ロールス・ロイスやベントレー、メルセデス・ベンツなどでは、格納式や可倒式とするなどのさまざまな工夫を凝らして現在でもボンネットマスコットを採用しています。
ただ、全体で見れば、ボンネットマスコットを採用しているモデルが大きく減少しているのは間違いないようです。
■ボンネットマスコットが似合うクルマが少なくなった?
一方、ボンネットマスコットが減少している背景には、クルマのトレンドの問題も大きく関係しているようです。
ボンネットマスコットのデザイン上のメリットとしては、大きなボンネットによってクルマ全体のシルエットが間延びするのを防ぐことが挙げられます。
基本的に、ボンネットはその下に収まる機関部が大きくなればなるほど面積が大きくなります。
そのなかでも、大排気量のエンジンを搭載したFRセダンは特にボンネットが大きくなりやすい傾向があります。
しかし、エンジンのダウンサイジング化が進んだことやSUVなどの台頭によるセダン人気の低迷といった理由から、現在ではそもそも「大排気量のエンジンを搭載したFRセダン」自体がそれほど多くはありません。
そのようななかでは、わずかに残っているFRセダンの多くが、セダンというボディタイプやその駆動形式を活かしたスポーティな走りをアピールするようになっています。
可倒式を採用するモデルでは現在でも採用されている
ただ、高級車の象徴とされてきたボンネットマスコットはスポーティなイメージとは相性が悪く、スポーティセダンで採用されるケースはほとんどありません。
ボンネットマスコット減少の主要因が法改正にあることは事実ですが、それとは別に、そもそもボンネットマスコットが映えるモデルが減少しつつあることも遠因にあるようです。
とはいえ、ロールス・ロイス「ファントム」やベントレー「フライングスパー」、メルセデス・マイバッハ「Sクラス」などの超高級セダンでは、いまなおボンネットマスコットが象徴的な存在として重要視されていることは事実です。
ボンネットマスコットを採用しているモデル自体は減少傾向にありますが、逆に言えば、ごく一部の超高級車だけのものになっていくことで、むしろボンネットマスコットの価値は高まっていくことになると考えられます。
※ ※ ※
ボンネットマスコットが純正採用されていないモデルに対して、ボンネットマスコットを後付けするユーザーも一部には見られます。
ただ、現在の保安基準ではボンネットマスコットの後付けは原則として認められておらず、違法改造となる可能性が濃厚であるため絶対にやめましょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
全長5m超え!?トヨタ新型「マジェスティ」実車公開! 迫力と高級感に反響多数!?「すごい」「もはや土足禁止」1000万超えの「プレミアム上級ミニバン」泰に登場
くるまのニュース / 2024年7月23日 6時10分
-
センチュリーのSUVタイプとは? セダンとの違い、世界の高級SUV3選などを紹介
MōTA / 2024年7月16日 12時30分
-
なぜ「洗車機NG?」 ミニバンは? 輸入車は? 「損害賠償請求されるケースも」 洗えない“クルマの条件”は? 洗車機メーカーに聞いてみた!
くるまのニュース / 2024年7月12日 9時10分
-
富裕層がこぞって買う「5000万円級SUV」の最新作 ロールス・ロイス「カリナン」がシリーズⅡへ
東洋経済オンライン / 2024年7月8日 7時0分
-
1990年代「BMW」を日本に浸透させたE36を回顧する 日本にマッチした小さくて走り良い3シリーズ
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 10時30分
ランキング
-
1スーパーの大胆な節電方法が話題 猛暑の中、飲料の冷蔵ショーケースを丸ごとオフに… ネットでは賛否の声
よろず~ニュース / 2024年7月31日 7時20分
-
2水道水はそのまま飲めない…令和の子育て世代、煮沸して飲む人増加 その背景には「水道管の劣化に対する不安も」
まいどなニュース / 2024年7月31日 7時20分
-
3自動車シートの老舗「RECARO」破産!? SNSは「マジかよ」の声多数 もう製品の入手は無理なのか?
乗りものニュース / 2024年7月31日 9時12分
-
4【実食】“進化”にSNS歓喜「最強すぎ」「チーズは正義」! マクドナルド新商品「チーズベーコンポテトパイ」を食べてみた
オトナンサー / 2024年7月31日 21時10分
-
5パリ五輪〝初老ジャパン〟活躍でわく疑問「40歳って初老なの?」 皆がイメージする年齢は...
Jタウンネット / 2024年7月30日 21時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)