「えっ…!買っちゃダメ!?」 めちゃ“お買い得な”「金融車」って何? “おすすめできない”理由とは
くるまのニュース / 2024年1月9日 18時40分
中古車のなかには、市場価格よりも極めて低い価格で売買される「金融車」と言われるクルマがあります。かなりの低価格で販売されていることもありますが、価格以外に大きなデメリットやリスクもあるといいます。どのようなものなのでしょうか。
■違法ではないけどデメリットが多い
市場価格よりも極めて低い価格で売買される「金融車」と言われるクルマがあります。高級車がかなり低価格で販売されていることもありますが、金融車には価格以外にデメリットやリスクもあるといいます。
金融車を購入するリスクとは、どのようなものなのでしょうか。
金融車とは、ローン返済中に必要な手順を踏まずに売却されたクルマや、クルマを担保にしてカーローン以外のお金を借りて、その返済が滞ったことにより担保として差し押さえられたクルマなどのことです。
金融車のメリットは何よりその価格の安さで、高級車や輸入車などが通常の市場価格の50%以下の価格で販売されていることもあり、表立って売買されることはあまりないものの、金融車を専門に売買する業者がいくつも存在しています。
しかし、価格が安いのには当然ながら理由があります。
金融車の最大のデメリットは、購入しても名義変更ができないことです。
金融車として流通しているクルマは、もともとローンを組んで購入されたクルマで、車検証の「所有者」がローン会社やディーラーの名義となっており、前のオーナーは「使用者」の欄に表示されています。
しかし、使用者であるオーナーがローンを完済するよりも前に、所有者であるローン会社に無断で売却したり、借金の担保として差し押さえられたりしたことで、名義が残ったまま市場に流通しているのです。
通常、中古車として現金でクルマを購入すると、車検証の「所有者」は購入者の名義に変更しますが、金融車の場合は所有者欄がローン会社やディーラーのまま変更することができません。
本来は、ローンで購入したクルマを売却する際には、ローンを全額返済することでローン会社の名義を外し、購入者の名義に一度変更して、売却の手続きがとられます。
金融車として売買されるクルマは、ローンが未完済の状態であるため、ローン会社からは名義変更の承諾を得ることができず、必要書類が手に入りません。
また、金融車の専門業者によれば、金融車を購入したり乗ったりすること自体は違法ではないといいますが、本来の所有者であるローン会社や前のオーナーなどに盗難届を提出されたり、強制的にクルマの登録抹消の手続きをされるリスクがあります。
さらに、元の購入者が自動車税を支払いしていない場合は差し止め手続きをされる可能性もあり、納税証明が発行されなくなるため、次の車検を受けることができなくなる可能性もあります。
いくら違法ではないとはいえ、これらのトラブルに巻き込まれると、車検切れとして交通違反となったり、盗難車として警察沙汰に巻き込まれたりすることも考えられます。
中には、前のオーナーがきっちりとローンの返済を完了させ、後に名義変更が可能となる場合もあると言いますが、これはあまり期待できないでしょう。
ほかにも、車検証の名義が変更されていないと、任意保険に加入できない可能性があるほか、加入できたとしても事故を起こした時に保険金が本来の所有者であるローン会社などに支払われる可能性があります。
それ以外にもさまざまなトラブルに巻き込まれてしまうリスクが存在するため、いくら欲しいクルマが安く手に入るとしても、金融車の購入はおすすめできません。
※ ※ ※
金融車はローンが残ったままの状態で市場に出てきたクルマのことで、所有者がローン会社などの名義になっていることから、購入しても自分の名義に変更することができません。
一般的な市場価格よりも安く購入できることがメリットではありますが、名義変更ができないなど様々なトラブルに巻き込まれるリスクがあるため、安易に購入するのは避けたほうがいいでしょう。
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