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オートマの「謎」ポジション「Nレンジ」いつ使う? 利用には「リスク」も!? むやみに「ニュートラル」を使ってはダメな「理由」とは

くるまのニュース / 2023年12月31日 14時10分

AT車には「N(ニュートラル)」のシフトポジションがありますが、いつ使用すれば良いのでしょうか。誤った使い方は非常に危険だといいますが、どういったことなのでしょうか。

■燃費向上のために「Nレンジ」に入れるのは「古い常識」です

 一般的なAT車において、運転中滅多に使うことはない「N」レンジは何のためにあるのでしょう。
 
 なかには積極的に使うドライバーもいるようですが、むしろ危険に繋がることもあるといいます。どのようなリスクがあるのか紹介します。

 Nレンジを積極的に使うドライバーは、特にベテランのドライバーに多く見られ、信号待ちや渋滞時など、クルマが停止しているときにNレンジを使っているようです。

 シフトをNに入れてパーキングブレーキをかけ、ブレーキから足を離して待機する姿は、タクシーに乗るとよく見る光景といえます。

 Nレンジを使うドライバーは、「ブレーキを踏み続けると足が疲れる」といいます。

 ブレーキペダルを踏む力が無意識に緩み誤前進することを防止するため、Nレンジとパーキングブレーキを使うドライバーもいるそうです。

 また、燃費削減を狙ってNレンジを使うというドライバーもいます。

 確かにかつてのクルマでは、Dレンジのままアイドリングしながら停車した状態は、スムーズに発進するために用いる「トルクコンバーター」に負荷をかけている状態であるため、燃料を消費していました。

 Nレンジを使用することで、トルクコンバーターにかかる負荷を軽減し、燃料消費を抑えることができていたのです。

 しかしそれは、20年ほど前までのクルマでのことであり、極めて古い常識といえます。

 昨今のクルマには「ニュートラルアイドル制御」という、燃費悪化を軽減する技術が採用されています。

 ニュートラルアイドル制御は、Dレンジのままブレーキを踏んで信号待ちをしている時に機能します。

 クルマがアイドリング中であることを検知して、トランスミッションT内部のクラッチを切り、トルクコンバーター側で発生していた負荷がほとんどなくなっています。

■無意識なNレンジ投入により「急発進事故」を誘発する危険性が高い

 ただ、いまもNレンジを使うドライバーの多くは、「信号待ちのたびにNレンジを使うことがクセになっている」ということが実は最大の理由でしょう。

 当初は前述したような目的があったのだろうと思いますが、燃料削減については技術で解決されてからすでに20年も経過しています。

シフト操作後にシフトポジションが真ん中に戻る「電制式シフト」は、現在のシフトポジションをメーター表示などで確認する必要があります[画像はイメージです]シフト操作後にシフトポジションが真ん中に戻る「電制式シフト」は、現在のシフトポジションをメーター表示などで確認する必要があります[画像はイメージです]

 ブレーキを踏み続けると疲れるという点に関しては、Pレンジを使えばいいだけのことです。

 また昨今のクルマには「オートブレーキホールド」が搭載されているクルマも多く、作動させることで、ブレーキペダルを踏み続けなくてもブレーキが利いた状態を維持してくれます。

 このように、現代のAT車において、Nレンジを使うことに意味はありません。

 そればかりか、信号待ちでNレンジに入れてパーキングブレーキをかけるクセがついているタクシードライバーは別として、そのようなクセがついていないドライバーが信号待ちでNレンジを使うことは、誤操作に繋がりかねない大変危険な行為でしかありません。

 Nレンジに入れていたのを忘れてしまい、発進時にアクセルを強く踏み込み「クルマが動かない」と慌ててDレンジへシフトを入れ、シフトチェンジと共にクルマが急発進……。

 こうした、非常に危険な状態に陥る可能性も考えられるからです。

 特に、しばしば電制シフト搭載車で起こる事故は通称「プリウスミサイル」といわれ、SNSなどでもたびたび話題になります。

 電制シフト搭載車は、シフトが現在どこに入っているか、メーターを見ないと確認しづらいため、こうしたシフトミスが重大な事故を引き起こす大きな理由のひとつと考えられています。

 このように様々なアクシデントが考えられるため、信号待ちでのNレンジは、避けたほうが良いでしょう。

※ ※ ※

 長い渋滞に巻き込まれ、しばらくクルマが動く気配がない場合には、NではなくPレンジとパーキングブレーキを併用するほうが、誤操作も減ります。

 AT車でのNレンジは、原則的にレッカー車によるけん引の時に使うためのものと考えるべきです。

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