シマシマ模様の道路「ゼブラゾーン」通行しても違反じゃない? 違反になる“似たようなシマ柄”も存在!? 何が異なる?
くるまのニュース / 2024年1月5日 11時10分
交差点の手前や右折レーンの手前に“シマシマ模様”が描かれていることがありますが、これは「ゼブラゾーン」と呼ばれるものです。走ってはいけないと思われていますが、入ったからといってすぐに交通違反とはならないようです。
■シマシマ模様の「ゼブラゾーン」って一体何?
クルマで走行していると、交差点の手前や右折レーンの手前に“シマシマ模様”が描かれているのを目にすることがあります。
これは「ゼブラゾーン」と呼ばれる表示ですが、走行はもちろん進入すること自体がNGだと思っている人も多いでしょう。
しかし実際は、道路交通法上では交道路の一部であり、進入してもすぐに交通違反とはならないようです。
ゼブラゾーンはなぜ設けられているでしょうか。その一方で、似たようなシマシマ模様の路面で、走行すると違反になるものがあるというのですが、一体どういうことなのでしょうか。
まず、交差点の手前、特に右折車線の手前に描かれることが多いゼブラゾーンの正式名称は「導流帯」といい、「クルマの通行を安全で円滑に誘導するため、クルマが通らないようにしている道路の部分」です。
教習所の元教官 I氏に聞いてみると、安全な走行を促すための誘導が目的となった区間のため教習所などでは、「みだりに進入したり走行しないように指導する」のが一般的になっているのだそうです。
ゼブラゾーンはあくまで道路の一部であって、進入および走行しても道路交通法上で罰則対象ではありません。
設置されている理由について、I氏は次のようにいいます。
「交通の流れを安全かつ円滑に行うための区間となっている通り、ゼブラゾーンが設置されているのは右折レーンや左折レーンの手前が多いです。さらには車線数が減少する箇所や複雑な交差点の手間など、交通渋滞や交通事故が起きている場所に設置されています。
事故が起きやすい箇所でもあるため、安全な走行ための誘導および注意喚起の意味もあるほか、右折前にあえて導流部分を設けることで、右折車両の速度を落とさせるという目的もあるのです」
つまり、安全な走行のための誘導目的である導流帯は、事故が起きやすい箇所に設置されているけれど、必ずしも進入禁止ではないということは間違いないようです。
「たとえば右折待ちのクルマが混雑して右折レーン手前のゼブラゾーンに進入していても違反ではありません。
ただし、だからと言っていつでも走行していいというものでもなく、できる限り進入は避けたほうが良い区間です。
またゼブラゾーンは一般道路と同じ扱いですが、交通量が多い場所だけに停車や駐車はしないほうが良いでしょう」(教習所 元教官I氏)
なお、ゼブラゾーン上で事故が発生した場合、過失割合が変動することもあるようです。
「保険代理店の人に聞いたところで、ゼブラゾーンは進入や走行、駐停車を控えるべきという考えから、同じ接触事故でもゼブラゾーン上の車両には過失割合が10%程度乗せられることもあるのだそうです。
つまり、やむをえない場合を除き、できる限りゼブラゾーンは進入せずに走行することが好ましいと言えます」(教習所 元教官I氏)
ゼブラゾーンと似たようなシマシマ模様でも、交通違反の対象になる道路標示もあるようです。
道路交通法で違反とされるシマシマ模様の区画は3種類あります。
●「立ち入り禁止部分」
クルマの進入・通行・駐停車が禁止されている区画です。シマシマのゼブラ模様ですが、立ち入り禁止部分は周辺を黄色の実践で囲んであることが特徴です。
見通しの悪いカーブなど事故が起こりやすい場所、車線が減少する場所、交通の導流が必要な場所などに設置されています。
●「停止禁止部分」
通行自体は問題ないけれど、停車してはいけない区画です。主に病院や警察署、消防署の付近など、緊急車両のパトカーや消防車・救急車がすぐに発進できるように、停止禁止となっています。
ここでは進入や走行(走行して通り過ぎる)のは問題ありませんが、区画内で停車状態になると交通違反となります。
●「安全地帯」
白い実線の枠をさらに黄色で囲った道路表示で、ゼブラになっていないぶん見分けはつきやすい道路標示です。
路面電車の停留所や幅が広い横断歩道の中央などに設置されることがあり、こちらもクルマの進入は原則的に禁止され、近くに歩行者がいる場合は徐行も義務付けられています。
これらも3つは導流帯と似ていますが、そのどれもが重要な意味を持っています。
ちなみに、立ち入り禁止部分と安全地帯で違反が認められると、違反点数2点&反則金(7000円)、停止禁止部分は違反点数1点&反則金(6000円)が科せられます。
このように導流帯も含めたゼブラゾーンは計4種類ありますので、その違いを覚えておきましょう。
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