全長5m超! トヨタが本気で作った「最大・最強SUV」が凄すぎ! 悪路も爆走可能な「クロカン」の“頂点”に位置するモデルとは
くるまのニュース / 2023年12月23日 19時10分
トヨタは2023年11月29日に、卓越した悪路走破性能を備えた「ランドクルーザー70」を発売し大きく話題となっていますが、過去には同車を上回る強靭なSUVを販売していました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
■まさに「日本最強のSUV」
トヨタは2023年11月29日に「ランドクルーザー70」を発売しました。
同車は、SUVよりも「クロカン」と呼んだ方が相応しいような、業務用途や過酷な環境での使用を主体とするヘビーデューティーモデルとして位置づけられ、現在日本の新車市場においては真っ向から競合するモデルの存在しない特殊なクルマと言えます。
しかし、過去にトヨタはこのランドクルーザー70を遥かに上回る悪路走破性を備えた、“強靭すぎるクロカン”を販売していたのです。
そのクルマは、1996年1月に登場した「メガクルーザー」です。
ボディサイズは全長5090mm×全幅2170mm×全高2075mmとあまりにも大きく、これは大型ミニバン「アルファード」(全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm)の3サイズをも軽々と上回るもの。
とくに車幅の値は過去から現在まで、すべての国産車の中でも最大で、その大きさと迫力のある見た目から、敬愛を込めて「和製ハマー」と呼ばれることもあります。
もともとメガクルーザーは、米軍で使われている「ハンヴィー」を参考にトヨタが開発した自衛隊用の「高機動車」を基本としています。
高機動車は自衛隊の現場で1993年に運用がスタートし、民生用モデルとなるメガクルーザーは1993年の「東京モーターショー」で初めて実車が公開されました。
かつて無い巨大さと強靭さを兼ね備えたメガクルーザーは、同会場で大きな注目を集めるとともに販売を求める声が多く挙がり、それを受けて市販化が実現されることになったのです。
メガクルーザーの構造は、フロント2名・リア4名の計6人乗り。
運転席と助手席が大きく離れているのが特徴ですが、これは最低地上高を高くするために駆動系の機構であるデフやプロペラシャフトを可能な限り上部に引き上げて設置しているからです。
運転席と助手席との間にはオーディオの操作パネルなどが設置されたコンソールボックスが鎮座し、助手席と隔たりを感じさせるレイアウトは、このクルマが一般的な乗用車では無いことを物語っています。
パワートレインは最高出力170馬力・最大トルク43.0kgmを発揮する4.1リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、これに4速ATを組み合わせて4輪を駆動します。
このフルタイム4WDはデフロック機構を装備し、泥ねい地や雪道などでの駆動力確保に有効な後輪の空気圧調節機能も装着可能で、高い悪路走行性能を誇りました。
また、巨大なボディながら最大12度の逆位相4WS(4輪ステアリング)を装備することで、最小回転半径5.6mの小回り性能を実現しています。
当時はクロカンブーム真っ最中ということもあり話題となったメガクルーザーですが、販売数は販売終了となる2001年までの5年間でわずか132台にとどまります。
当時の車両価格(消費税抜)が962万円と高額だったことや、あまりの巨大さからも実際に購入した一般ユーザーは少なく、ほとんどは消防署や官公庁などに納入される車両となりました。
※ ※ ※
今なお国産車最大のSUVとして歴史に名を残すメガクルーザー。
販売終了から20年以上経過しているうえ、そもそも販売数が少ないため中古で出回るケースは少なく、中古市場に出たとしても販売価格は1000万円オーバーに設定されるものもあるなど、プレミアが付いたクルマとなりました。
ちなみに、このメガクルーザーは「準中型自動車(5t未満)」に該当し、運転するのには「準中型免許」が必要になります。
2017年3月12日以降に免許を取得した人でメガクルーザーを運転する場合、通常の運転免許では免許外運転に該当しますので注意しましょう。
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