えっ…ヤヴァイ! 突然の「スタック」どう対処? 慣れない「雪」で大苦戦前に知るべきコト
くるまのニュース / 2023年12月23日 7時10分
昨今の冬は、突然の大雪に見舞われることが珍しくなくなり、降雪地帯にドライブに出かける場合は、十分な装備をすることが必要です。とくに局地的な大雪のみならず、スノードライブで頻繁に遭うトラブルが「スタック」です。
■雪道でのスタックどうすべき?
ここ数年、冬になるとよく聞かれるのが「10年に1度の大雪」という予報です。
先だっても日本海側で同様の注意喚起がなされており、北陸地方では2020年から4年連続の発表となりました。
このように昨今の冬は、突然の大雪に見舞われることが珍しくなくなり、降雪地帯にドライブに出かける場合は、十分な装備をすることが必要なっています。
局地的な大雪のみならず、スノードライブで頻繁に遭うトラブルが「スタック」です。
スタックとは、深雪などでタイヤがトラクションを発揮できなくなり空転し、結果的にデフの差動機構も重なって前進できなくなることを言います。
スタックした場合は、何が原因なのかを見極めて、それに的確に対処することで解決することができます。
主に降雪直後の圧雪されていない道や一晩降雪した後の駐車場などで発生することがほとんどです。
多くの場合、車両の前後にある雪が抵抗となっているか、車体下に雪があることでタイヤの接地力が希薄になることで起こります。
スタックをしたら、まず車両の「ESC(電子制御スタビリティコントロール、横滑り防止装置とも)」をOFFにしましょう。
これが利いていると、コンピュータがエンジン出力をカットしてしまい、十分な駆動力が得られません。
OFFにしたら、まずアクセルペダルをゆっくりと少しだけ踏んで、どのタイヤが空転しているのかを見極めます。
場合によっては、ESCをカットするだけで脱出できる時もあります。
また車体が前後どちらかに少しでも動くのであれば、降雪地帯のドライバーがよく使うセルフレスキューが、「もみ出し」という方法で脱出できる可能性が大です。
アクセルを少しだけ開けて動き、タイヤが空転したらすかさずアクセルをOFF。
そして、今度はこれまで動いていた方向とは逆方向に動きます。
また動けるだけ動いて、空転したら逆方向に。この前後の動きを繰り返していくと、振り子のように動きが徐々に大きくなり、スタックから脱出できます。
まったく動けないようでしたら、スタックの原因になっている“障害”を突き止めましょう。前述の通り、前後・車体下の雪が原因になっているか、もしくは地形のために動けなくなっているかがほとんどです。
雪が邪魔になっている場合は、スノースコップを使って除雪します。
スノースコップは、ホームセンターで購入するといいでしょう。
樹脂製のものが扱いやすく、携行もラクです。降雪地帯のホームセンターなら、多様な商品が揃っていますので、現地ですぐに購入してもいいと思います。
除雪の場合は雪面に寝転がったりすることもありますので、雨合羽の上下、防水手袋、雪靴も用意しておきたいところです。
除雪はむやみに行うのではなく、動く方向を考えて、必要最小限にするのが効率的です。
進んだほうが早いなら、前方と車両下、タイヤの周囲を除雪します。逆に戻った方がいいなら、後方と車両下、タイヤの周囲を除雪しましょう。
できるだけ平らに整地して、タイヤが転がりやすいようにするのがポイントです。
■雪道では時として、予期せぬことが起こる! どんなこと?
雪道では時として、予期せぬことが起こりえます。
雪に隠れている側溝に脱輪する、というのもありがちなトラブル。
この場合は、除雪すればするほど事態が悪化することがあります。こうしたケースでは「埋める」作業が必要になります。
側溝内にスロープを作り、それを登るように脱出します。雪が柔らかいと車重に耐えられずに崩れることがありますので、近くにある石なども併用します。
また側溝サイドの車体下にジャッキを噛ませて上げ、道路側に押して脱出する方法もあります。
ただ、側溝が深すぎると、リフト量が少ないパンタグラフ式ジャッキでは対処できないこともあります。
セルフレスキューでは脱出できないこともありますので、降雪地帯にドライブに出かける場合は、自車重量に合った牽引ロープを用意しておきたいとところです。
他車がスタックして道を塞いでしまっている場合なども、役に立ちます。雪のスタックから牽引する場合は大きな力がかかることが多いので、クッションロープが適しているといえます。
また、スタッドレスタイヤの性能限界を超えるような凍結路面、深雪に出くわすことがあるので、そういう時のためにタイヤチェーンも用意しておきましょう。
特にミラーバーンやブラックバーンでスタックした場合は、タイヤチェーンを使わないと前進できないケースがあります。
最近では使い捨てタイプの滑り止め装置があるので、それを常備しておくのも手です。
近くに人家がなく携帯電話が繋がらないような場所でスタックして、セルフレスキューができない時は車中泊となることがあります。
また昨今ありがちなのが、幹線道路上で想定外の大雪に遭い、クルマに閉じ込められるケースです。
どちらの場合も準備があれば、多少の間は持ちこたえることができます。
雪道でスタックしたらどうすべき?
こういう事態のために用意しておきたいのが、防寒のための十分な衣類、非常用食料、そして暖房を維持するための燃料です。
EVの場合は燃料を携行しても意味がないので、ポータブル電源を用意しておき、電気毛布などで暖を得ることも考えておきましょう。
※ ※ ※
筆者の場合は、携行缶に入れたガソリン、雪山用寝袋、キャンプ用バーナー、ヤカン、飲料水、夜間用照明、カップ?、カロリー食品、そして携帯トイレをスノードライブに必ず持っていきます。
これまで使ったことは幸いにもありませんが、持っているとどんな事態でも対応できるという安心感があります。
雪道をあなどりがちですが、実は第一級の危険な道路。
特に異常気象が続く近年において、いかなる事態に遭遇してもいいような装備をしておきましょう。
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