年末年始の「集団暴走」まだ健在!? 暴走族には種類があった! ダメな風物詩「初日の出暴走」はどんな違反? 見つけたら110番通報を
くるまのニュース / 2023年12月29日 9時10分
元旦恒例のニュースとしてかつては「初日の出暴走」が度々テレビなどで取り上げられました。最近ではあまり見かけなくなった気がしますが、このような集団暴走はどういった違反になるのでしょうか。
■集団暴走は「共同危険行為」 どんな違反?
かつて、大みそかから元旦にかけて「初日の出暴走」として路上を走っていた暴走族。
爆音をとどろかせて道路いっぱいに広がり、蛇行運転したり、信号を無視したりする危険な走行がテレビ番組などでもよく報道されていました。
今ではその数こそ減ったものの、各都道府県警察による初日の出暴走の取締まりが行われるようです。
現在の暴走族などの状況について、警視庁はホームページにて次のように説明しています。
「暴走族のグループ数や構成員数は、減少傾向にあるものの、グループを小規模化させ、単発ゲリラ的な暴走形態を主流に活動している者も多数おり、依然として集団で信号無視等の危険走行や広がり走行、蛇行運転等を行ったり、特定の場所・道路区間で制限速度を大きく超える競走行為や不正改造により騒音を撒き散らしたりする等、周囲に多大な迷惑や危険を及ぼしている現状にあります。
また一部の旧車會は、違法走行を行わないことを装いながら、警察の目の届かないところでは、暴走族と変わらない違法走行を敢行している者もいます。
そのほかに、最近は改造車両が参加する大規模な集会が、広場や商業施設等の駐車場で管理者の許可無く行われている場合もあります」
このように昔よりは数は減っているものの現在でも暴走族などは存在するようです。
また警視庁によれば暴走族は以下のように大きく3つに分けることが出来ると言います。
ーーー
●共同危険型暴走族
暴走族のうち、集団による信号無視や最高速度違反、広がり走行、蛇行運転等の行為を行って、著しく交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼす行為をする者
●違法競走型暴走族
暴走族のうち、ローリングやドリフト走行等をして、一定区間の通過タイムや運転テクニックを競い合い、著しく交通の危険を生じさせ、又は著しく他に迷惑を及ぼす行為をする者(例:ルーレット族、ドリフト族、ローリング族)
●違法行為を敢行する旧車會員
旧車會員のうち、主として道路における自動車等の運転に関し、グループの行事等において、排気騒音や走行形態により一般通行車両や周辺住民に多大な迷惑を及ぼし、若しくは不安を与えることとなる行為を行い、又は行うおそれがある者で、暴走族に該当しない者により構成されているグループ
ーーー
こうした暴走族に対する取締り強化として、2023年12月29日から2024年1月3日まで昼夜を通じて、「一般道については都内全域」、「高速道路については首都高速道路都内全線、中央自動車道及び圏央道の都内全域」で取締りを強化するようです。
また12月31日は「渋谷駅周辺で不正改造車両等の走行が懸念されることから取締りを強化します」としています。
■暴走行為はどんな違反? どんな罰則となる?
そんな暴走行為は、もちろん違反対象となっています。
過去の事例では、2021年11月、首都高速道路の川崎航路トンネル付近において4台のクルマが暴走し、そこでクルマの窓から上半身を出して箱乗り運転をした2人の男性が、道路交通法違反で検挙されています。
このとき適用されたのは、次にあげる第68条の「共同危険行為等禁止違反」でした。
「2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない」
違法行為を敢行する旧車會員の例(画像引用:警視庁ホームページ)
それでは共同危険行為に違反すると、どのような罰則になるのでしょうか。警視庁の交通相談コーナーの担当者は、次のように話します。
「共同危険行為に違反すると、罰則は2年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられ、違反点数25点が付加されます。
これは一発で免許が取り消しになる最も重い罰なので、決してやってはならない行為です」
※ ※ ※
このように、免許停止処分ですむのは違反点数が累積14点までとなっているので、1度で25点も付加されるということで、即座に免許取り消しになります。
同様に一度の違反で免許取り消しになる行為は、酒酔い運転や麻薬等運転、無免許運転があげられます。
また道交法第71条により、騒音運転や消音器不備車両運転の禁止違反に該当する恐れもあります。
他にも整備不良車両運転や、自動車登録番号標等表示義務違反が適用されることもあります。
なお神奈川県警のホームページには「県内では、依然として多くの暴走族が活動しており、その構成員の大半が18歳未満の少年で、その中には中学生や高校生も多く含まれています」と説明されています。
もし少年が悪質な違反で検挙された場合は、保護観察処分や少年院送致などの処分になることも考えられます。
正月になると多くなる集団暴走ですが、共同危険行為として法律や条例で規制されている危険な行為です。
もし暴走族を発見した場合には警察に通報するようにしてください。
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