標準化すすむ「オートハイビーム」 状況により「違反の可能性」もある!? 採用増える最新機能の活用法と注意点は
くるまのニュース / 2024年1月8日 19時10分
近年の新車に標準装備されることの多い「オートハイビーム」ですが、どう活用すればいいのでしょうか。
■便利な「オートハイビーム」 状況によっては迷惑・違反になることも
新しいクルマには便利な機能が増えていますが、中でも近年標準装備化が進んでいる装備のひとつに「オートハイビーム」があります。
一体どのような装備で、どう活用すればいいのでしょうか。
クルマのヘッドライトに関しては、暗くなったら自動的にヘッドライトが点灯する「オートライト」が2020年4月以降義務化され、現在新しく販売されるクルマには必ず搭載されています。
それに加えて、ハイビーム(走行用前照灯)とロービーム(すれ違い用前照灯)を自動的に切り替えてくれる「オートハイビーム」の機能が標準装備されたクルマも増えてきました。
ヘッドライトのロービームは前方40メートル程度まで視認できる明るさですが、ハイビームはさらに遠い100メートル程度先まで視認できる明るさです。
これらのライトの使い分けについては2017年3月の法改正により、交通の方法に関する教則で「前照灯は、交通量の多い市街地などを通行しているときを除き、上向きにして、歩行者などを少しでも早く発見するようにしましょう」と、夜間は原則“ハイビーム走行”が明確化されました。
一方で、「対向車と行き違うときや、ほかの車の直後を通行しているときは、前照灯を減光するか、下向きに切り替えなければなりません」と定められているほか、「交通量の多い市街地の道路などでは、前照灯を下向きに切り替えて運転しましょう」との記載もあります。
つまり、周囲に対向車や先行車がいない状況では原則ハイビームを使用し、市街地や交通量の多い道路などではロービームに切り替えるなど、状況に応じた使い分けが必要ということです。
ロービームとハイビームは、ライトのレバーを前後に倒すことで切り替えられますが、この切り替えを周囲の状況を感知して自動で行ってくれるのが「オートハイビーム」機能なのです。
例えばトヨタの「オートマチックハイビーム」システムは、時速30km以上で走行している時に、対向車や先行車がいない状況ではハイビームで走行し、対向車や先行車のライトを感知したらロービームへの切り替えを自動的に行ってくれるといいます。
また、対向車や先行車がいなくなったと判断できればハイビームに自動的に切り替わります。
郊外の道路ではハイビームでの走行中、たまに対向車が出てくるような場面があり、手動でオフにするのを忘れて対向車に眩しく感じさせてしまうことがありますが、オートハイビームは周囲の状況を感知して、自動で切り替わるため切り替え忘れの心配がありません。
しかし、オートハイビームは上手に使わないと違反になってしまう可能性があるため注意が必要です。
オートハイビームのセンサーは、クルマの正面を中心とした範囲に対向車や先行車のライトを感知して作動する仕組みですが、例えばトヨタのオートマチックハイビームでは、適切に作動しない可能性がある場面として、見通しの悪いカーブで対向車とすれ違った時や、前方をクルマが横切った時などを挙げています。
他にも、大雨や濃霧を始めとした悪天候の時やフロントガラスが汚れたり曇ったりしている時、カーブが多い道路や起伏や段差の多い道路を走行している時などにも、センサーが適切に作動しない可能性があるといいます。
こうした状況でハイビームのままで走行を続けると、減光等義務違反として違反点数1点と普通車では6000円の反則金が科されることがあります。
また、ハイビームでの走行は対向車や先行車に「あおり運転」と受け取られる可能性があり、トラブルに発展する可能性もあることに加え、相手側のドライバーは目が眩んで危険に晒してしまうかもしれません。
そのため、オートハイビームを活用しながらも、センサーの反応しにくい場面では手動で切り替えるなど、臨機応変な対応が必要です。
便利な機能ではありますが、機能を過信せずに周囲をよく確認しながらドライバー自身で確認や操作を行うことも大切です。
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