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踏切前で「窓開け」しなかったら違反? 教習時に教わる行為も公道でやる人いない? 「窓開け」を推奨する理由とは

くるまのニュース / 2024年1月10日 9時10分

運転免許を取得するために通う自動車教習所では、踏切の前で窓を開けて安全確認をするように指導されますが、実際の公道で実演している人は皆無です。道路交通法違反にならないのでしょうか。

■なぜ教習所で「窓開け」を教えるのに…公道でやる人はいない? 違反にならないの?

 自動車教習所では、踏切を通過する前にクルマの窓を開けるよう指導されますが、公道で実践しているドライバーは見かけません。
 
 では、踏切で「窓開け」をしないことは交通違反に当たるのでしょうか。

 多くのドライバーは自動車教習所に通って運転免許を取得しています。

 普通免許の場合、第1段階と第2段階の学科・技能教習を経て教習所の卒業検定を受け、合格すれば免許センターで学科・適性試験を受けるという流れです。

 その中でも第1段階の技能教習の中には「踏切の通過」という教習項目があり、教官から踏切を通過する前にクルマの窓を開けて安全確認をするように指導されます。

 この「窓開け」に関しては教習所に通っていた多くの人が経験しているものの、実際に公道で実践しているドライバーはほとんどいません。

 では、踏切の手前で「窓開け」をしなかった場合、交通違反に該当するのでしょうか。

 また、なぜこの「窓開け」が推奨されているのでしょうか。

 踏切の通過方法については、道路交通法第33条第1項および第2項で次のように規定しています。

ーーーー
 ●第1項

「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。

 以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。

 ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。」

 ●第2項

「車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入ってはならない。」
ーーーー

 つまり、踏切の手前では基本的に一時停止をして必ず安全確認をすること、遮断機や警報機が作動しているときは踏切に入らないことが決められています。

 仮に踏切前で一時停止をしなかった場合は「踏切不停止等違反」として違反点数2点、普通車で反則金9000円が科されます。

 さらに遮断機や警報機が作動しているときに踏切内に入れば「遮断踏切立入り違反」として違反点数2点、普通車で反則金1万2000円が科される可能性もあります。

 しかし前述の「窓開け」に関しては道路交通法の条文に明記されておらず義務ではないため、おこなわなかったとしても交通違反に当たりません。

 それでは、この「窓開け」という方法がどこから誕生したのでしょうか。

■なぜ「窓開け」が誕生したの? そのワケはコレでした!

「窓開け」に関しては、国家公安委員会告示の「交通の方法に関する教則」が元となっており、教則の第6章第1節「踏切」という項目では次のように明記されています。

「踏切では、死亡・重傷事故のような大きな事故が起こりがちです。

 踏切を通過しようとするときは、その直前で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません。(条文を一部抜粋)」

 交通の方法に関する教則は歩行者とドライバーが安全で快適なクルマ社会を築くための手引きであり、交通ルールを指導する場面で活用されています。

 そのため自動車教習所においても、教則をふまえた「窓開け」による安全確認を教えているのです。

 道路交通法上、クルマの窓を開けての安全確認は義務ではないものの、周囲の音がきちんと聞き取れる状態にしておくことは非常に大切です。

 たとえば車内で音楽やラジオを大音量で流していると、警報機や電車の近付く音などに気付くのが遅れるおそれがあります。

踏切を横断時は十分に注意すること! 万が一立ち入っているクルマや人などを見かけたらすぐに「非常ボタン」を押すこと踏切を横断時は十分に注意すること! 万が一立ち入っているクルマや人などを見かけたらすぐに「非常ボタン」を押すこと

 過去には大音量の音楽を聞きながら原付を運転していた男子高校生が、遮断機が下りた後に踏切に進入して列車と衝突し亡くなる事故も発生しています。

 踏切を通過する際には目視に加えて耳での安全確認をしたほうが良いでしょう。

※ ※ ※

 交通の方法に関する教則では、前のクルマに続いて踏切を通過する場合でも安全確認をすること。

 踏切の向こう側に十分なスペースがなければ踏切に進入しないことなどについても指導しています。

 踏切事故は相手が列車であり大事故につながりやすいため、より一層の安全運転を心がけましょう。

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