スズキ新型「ジムニー5ドア」日本初公開! 「今年発売は?」 車中泊の快適性はどう? シレッと実車展示で話題に!
くるまのニュース / 2024年1月17日 7時10分
「東京オートサロン2024」でスズキ「ジムニー5ドア」が日本初公開されました。実車はどのようなものだったのでしょうか。
■え? スズキよりも先に「ジムニー5ドア」展示? 日本初公開されたモデルとは
ここ数年では最大級の規模となった「東京オートサロン2024」。
百花繚乱のカススタムカーの中でも、来場者からの熱視線を多く集めていたのがスズキ「ジムニー5ドア(海外名ジムニーXL)」でした。
多くの人から日本導入が待ち望まれている中で、並行輸入車販売業者が参考出品というカタチで展示した車両ですが、おそらく一般には日本初公開だったのではないでしょうか。
ジムニー5ドアの身上と言えば、3ドアに比べて全長435mm延長されてことによる、スペースユーティリティの向上です。
会場のあった車両で、それをじっくり体感することができました。何はともあれ、まずチェックしたいのが後部座席への乗降性です。
ドア開口部は想像以上に大きく、オーバーフェンダーもドアの開閉についてくるため、乗り降りで身体のボディへの接触はありません。
オフロードを走った後での乗降も十分に考えられているようです。
ノーマルサスペンションの車高であれば、乗り込む際に尻を横にスライドさせるような感覚でスッと乗り込むことが可能です。
驚いたのは、レッグスペースが想像以上に広いということ。運転席を身長180cmの筆者のドライビングポジションに合わせてスライドさせても、直後の席のレッグスペースはしっかり確保できます。
もちろん3ナンバーSUVと同等とはいきませんが、同乗する人から文句が出ることはないと思います。
後席シートバックはわずかですが後方にリクライニングするので、長距離ドライブでも辛い姿勢を取り続けなければならないということもありません。個人的にはあと数CM倒れるといいなとは感じました。
ヘッドルーム周辺に関しても、開放感があるとまではいかなくても、圧迫感を感じることがありません。
計測器具がなかったので正確な寸法は測れませんでしたが、サイズ拡大の恩恵は荷室にもしっかり出ています。
3ドアモデルで後席を使った状態だと、車内に残るスペースはもはや“隙間”。
荷物をおける空間はほぼないに等しいというのが実情です。3ドアモデルに荷物を載せるなら、後席は倒すというのがスタンダードになってしまっています。
一方、5ドアモデルはしっかりと荷室があります。
これなら、4人乗車でも人数分のバッグを積んでドライブができるはずですし、ついでにお土産を載せて帰ってくることも可能だと思います。
荷室には、リアドアに追加によって給油系統が移動したことによる出っ張りがありますが、さほど大きなものでもないので、積載性に大きく影響することはほとんどなさそうです。
ただ、後席シートバックのキャッチャーのような部品が車内に張り出しており、この周辺がデッドスペースになってしまいそうな感がありました。箱物を重ねて積みたい場合には、困るかもしれません。
細かいことですが、5ドアモデルは後席のヘッドレスト形状が変更されており、後席をフラット化する場合でもそれを外さないでも済むようになりました。
3ドアモデルでもそのまま倒すことはできますが、前席のスライド量を抑制してしまうという問題がありました。
ヘッドレストを外した場合の場所の確保が意外と面倒だったため、これは間違いなく利便性の向上になっています。
■3ドアから拡大した室内空間…車中泊時の快適性はどう?
車内全長が拡大したことによるメリットは、他にもあります。それは車中泊時の快適性です。
今回はフルフラットにすることはできませんでしたが、前席・後席のヘッドレストを取ってシートを倒せば、3ドアモデル同様にフルフラット空間にすることができます。
3ドアモデルでは、荷室まで使うことでおおよそ180cmの長さの就寝スペースを確保できますが、身長の高い人だとリアゲートが頭に付き、ダッシュボードが足に触れてしまいます。
しかし、5ドアモデルはまったくそういうことがないと思います。大人2名で寝られる上に、多少の荷物を置くスペースも残りそうです。
意外だったのは、ラゲッジボックス&ツールボックスが無かったことです。
後端のフロア高は、はじめから開口部とほぼ同じ。そのため、ラゲッジボックス&ツールボックスを装着できるスペースがありません。
そのため、車載ツールを積む場所がなくなり、展示車両でも荷室に置いたままになっていました。
3ドアと5ドアのその他の差違は、フロアトンネル部のスイッチ位置、大型液晶モニターの標準装着(日本ではオプション化か)といった内装部分に加えて、カラードグリルの装着、前後バンパーの形状変更があります。
展示車両に付いていた「オールグリップ」のバッジは海外仕様向けのものですので、日本導入時には付かないと考えられます。
さて、5ドアモデルは想像以上に魅力的なものでしたが、3ドアモデルとの市場での差別化はどうなっていくのでしょうか。
3ドアは車内スペースユーリティの点で5ドアに後れを取っていますが、コンパクトなサイズによる軽快なドライビングフィールは武器と言えます。
狭い林道やオフロードなどでの機動性も、3ドアにアドバンテージがあります。
しかし、これは予想ですが、5ドアが悪路で運転しにくいかというと、それは別。
ロングホイールベース化したことで、重心が高いジムニーの弱点が解消されていることが考えられます。激しい凹凸地形では転倒が怖かった3ドアですが、その限界点が5ドアは上がっているのではないでしょうか。
また、レジャーに荷物がほとんど載らないというユーザーの不満の多かった3ドアに対して、5ドアはそれを多少解消できています。
展示車両のようにルーフラックを装着して屋根上を使えば、積載性は盤石のものになりそうです。また、4人乗車が現実的なものとなり、ファミリーユースが可能になりました。
ルーフラックを装着して屋根上を使えば、積載性は盤石のものになりそう
※ ※ ※
結論づけるなら、3ドアはパーソナルカーとして、5ドアはレジャーユースやファミリーカーという立ち位置になりそうです。
また3ドアには軽自動車版があるわけですから、シエラに関していえば5ドアの方に市場の需要が移っていくことが予想できます。
ちなみに筆者は日常的に1人で乗ることが多いのですが、愛犬がいるので間違いなく5ドアを購入すると思います。
5ドアであれば、仕事に使う撮影機材なども載せやすいですし、3ドアは助手席も使わないと載せられなかった脚立なども収納することができそうです。
噂では、早ければ2024年末に日本導入が開始されるかもしれないジムニー5ドアですが、発売前から大ヒットの予感がプンプンするモデルです。
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