「パトカー」にも「リコール制度」あった!? 過去には「サイレン鳴らない」届け出も! ユーザーにもありがたい制度の仕組みとは
くるまのニュース / 2024年1月24日 20時10分
市販されるクルマには「リコール」と呼ばれる届け出制度があります。どのような仕組みなのか、改めて紹介します。
■「リコール」のほかにも「改善対策」「サービスキャンペーン」対応も
自動車メーカーによる不正隠しの報道があってから、改めて自動車の安全性や信頼性に対し注目度が高まっています。
そんななか、ユーザーを保護し安全を確保するための仕組みといえるのが「リコール制度」です。
クルマは、様々な部品メーカーの多様なパーツを組み合わせて作られています。
自動車メーカーは、発売前に通常の使用を超える過酷な走行テストなどを念入りに実施したうえで、完璧であると判断して発売に至ります。
しかしそんなクルマであっても、いざ販売が開始され街中で走り始めると、事前のテストでは判明しなかった想定外の不具合が発生したり、部品の物性や製造工程、製造ロットによるばらつきなどにより不具合が発生したりすることもあります。
そのような量産後の不具合が発生した場合に自動車メーカー自身が行うのが、リコール制度にのっとった「リコール届出」や「改善対策届出」「サービスキャンペーン」などの対応です。
クルマのリコール制度は、設計・製造過程に問題があったために安全・環境基準に適合していない(または適合しなくなるおそれがある)クルマについて、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前のリコール届出を行ったうえで、回収・無料修理を行い、事故やトラブルを未然に防止する制度です。
また改善対策届出とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないものの、不具合が発生した場合に、安全確保や環境保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計または製作の過程にあると認められる時に、自動車メーカーなどが、改善のための措置を行うことをいいます。
そしてサービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、安全確保や環境保全とは直接関係のないものについて、必要な改善措置を行うことをいいます。
これらの対応は、クルマを安心して長く利用するためには重要であり、もしディーラーなどからリコールなどのお知らせが来た場合は、速やかに車両の点検・修理を受ける必要があります。
■ユーザーからの「ホットライン制度」も有効活用したい
このような届け出の中には、ちょっと変わったリコールもあります。
2021年12月に行われたトヨタのリコールは、「クラウンパトロールカー」において「サイレンが鳴らなくなる」というものでした。
トヨタが2021年12月に届け出した「クラウンパトロールカー」のリコール内容[画像:トヨタ自動車]
原因は、サイレン用のアンプの制御プログラムが不適切なため、サイレンを吹鳴せずにマイク音量を最大で使用すると、当該アンプに過電流が流れ、ヒューズが切れ、サイレンが吹鳴しなくなることがあるというものでした。
緊急走行時に他のクルマにパトロールカーの存在を知らしめることができなくなり、大変危険な状況になって安全を担保できないということから、リコール届出がなされています。
なお対策としては、サイレン用の制御プログラムを対策仕様に修正することで改善できるとのことでした。
※ ※ ※
自動車メーカーは、ユーザーに加え、メーカーやディーラーの大きな負担となるリコールはなるべく起こさないように開発・製造を行っています。
しかし、そうはいっても工業製品である以上、隠れた不具合をすべて事前に予見することは難しく、結果としてリコールは毎月のように発生しているのが現状です。
だからといってリコール隠しを行ってしまうのは論外。
車両に不具合が発生した場合、自動車メーカーからリコール届出が行われること自体は、ユーザーが愛車の不具合を改善でき、安心してクルマに乗り続けられるためには非常にありがたいことでもあることは事実です。
リコール修理は手間がかかりますが、事故を未然に防ぐという観点からも積極的に協力したいところです。
なおリコール届出は多くの場合、ユーザーが事前に自分のクルマに発生した不具合をディーラーなどに伝えることで、不具合が顕在化し、自動車メーカーが不具合の調査、改善していく形で進められます。
そのためもしクルマを購入後、使用中に何らかの車両の異常や不具合が発生した場合は、速やかにディーラーに相談をするか、国土交通省の「自動車不具合ホットライン」(0120-744-960)や公式ウェブサイトへの入力で、不具合情報をお知らせすることが大切です。
早期に異常・不具合情報が集まることで、自動車メーカーが不具合の実態、規模をいち早く把握し、その要因・改善対策を進めることができ、結果として、事故を未然に防ぐことにつながります。
何かおかしいなと思ったらそのまま放置したりせず、不具合の情報を提供するように心がけましょう。
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