なぜ? 古くて地味な「230セドリック」実車公開! ボルト1本からやり直した「究極の1台」 誕生したワケ
くるまのニュース / 2024年1月27日 10時10分
東京オートサロンカスタムカーコンテストを累計26回受賞し、映画「ワイルドスピード」シリーズにも数多くの車両を製作してきた「VeilSide」は、東京オートサロン2024に日産「セドリック(230)」を展示しました。
■日本の古くて地味な「230セドリック」なぜ展示?
東京オートサロン2024に展示された日産「セドリック(230)」が話題となっています。
どのような特徴があるのでしょうか。
東京オートサロンカスタムカーコンテストを累計26回受賞し、映画「ワイルドスピード」シリーズにも数多くの車両を製作してきた「VeilSide(ヴェイルサイド)」。
その代表・横幕氏はハリウッド映画界でもレジェンドビルダーとして有名です。
そんなVeilSideが今回展示「230セドリックコンセプト」とはどのようなモデルなのでしょうか。
40年以上の長きにわたって、日本のチューニング界をリードしてきた横幕氏に話を聞いてみました。
―― 230セドリックの構想はいつ頃からありましたか。
日本の古くて地味なこの230セドリックコンセプトはVeilSide流レストモッドです。
昔懐かしの大好きな車と最新技術の融合がなし得る誰もが夢見るレストモッドです。
クルマ自体は10年ほど前に入手していました。
そのころから構想自体はありましたが、当初のころとはずいぶん仕様が進化しましたね。
チューニング界に身を置くようになって44年、L型エンジンに始まり、RB、2JZエンジンを手掛け、ドラッグレース、0-300km/h世界最高速記録と様々な記録を獲得してきました。
そんな私が今の時代、私自身のL型エンジンが原点ともいえる最高のパーツと今まで積み上げてきた技術を余すことなく投入して、改めてL型エンジンを制作し当時のL型エンジンの欠点を克服し、新しい発見もできました。
このクルマは私の中での温故知新ともいえる存在になっています。
―― L型エンジンがチューニングの原点とのことですが、当時と現在ではどのように進化していますか。
最新のコンピューターを駆使し最新パーツと長年の技術でL型エンジンの欠点を打破し克服し新たな発見を知りたくなりました。
そして自身の年齢的にもドラッグレースはなく、今もっともこだわるのは目、耳、鼻、体で感じる最高のエンジンとサウンドです。
ストリートを最高の音楽ともなるエンジンサウンドを体で感じながら走りたい。そんな思いで作りました。
これまでの10年の間でかなり素晴らしいパーツが出てきましたのでこれまでかなり仕様は進化しました。
仕様にあるJMCヘッドはフルコンプリートの新規設計された削り出しシリンダーヘッドです。ポート、燃焼室が完璧に設計されたフルチューンヘッドになります。
ライジング製55パイスロットル、リンクフルコンピューターもこの素晴らしいパーツに合わせVeilSide製のインマニやEXマニ、エンジンパーツを合わせることで、現代の最先端の仕様になりました。
横幕氏がこだわりにぬいて仕上げた「230セドリックコンセプト」(画像提供:VeilSide)
―― 具体的なチューニングの内容を教えていただけますか。
まずはエンジンですが、OS技研特注軽量ピストン、OS技研クランク&コンロットを組み込んだL28改3.2L仕様。
ヘッドはJMC-PAMS製、バルブ亀有製IN46.5φ/EX38.5φ、エンジンパーツはボルト関係亀有製多数。
燃焼室&ポートとも寸分の狂いない容量・形状に整えられたJMC-PAMSのシリンダーヘッド製品を投入しています。
圧縮比は12.5、カム312度。吸気系にはライジング製55φスロットル、VeilSide製インマニ、排気系はVeilSide製6-1エキゾーストマニホールドと76パイマフラー、LINK製フルコンピューターによる綿密な制御を実現しました。
メーターはLINKと連動したAIMのダッシュロガー。スイッチングは純正レバーなどの信号を使いながらPDM で行いヒューズやリレーは取り除いています。
クラッチはOSのツインプレート、ミッションはS15NISMO6速です。
―― 内外装についてはいかがでしょうか。
シートは昔の素材を探して張り替えています。
ホイールはRSワタナベのエイトスポーク(F7.0J R9.0J)、タイヤはポテンザRE-71RS(F195/60-15 R225/60-15)を履いています。ホーシングは後の世代用でC200。
―― ボディラインがとても美しいですね。
当時この230セドリック車重が重いこともあってなかなか手をつけなかった車両でした。
しかし今改めて230セドリック2ドアハードトップのボディサイドを眺めてみるとプレスラインは現代のクルマでは決して作れない孤高の美しさを感じます。
この美しさをそのままに、エクステリアは前後ともオリジナルのラインを活かしたままワイド化しています。
拡幅はフロント片側10mm&リヤ片側40mmです。
―― 古いクルマであることで苦労する部分もあったのではないでしょうか。
エンジン関係は何も心配はなかったんです。が、このクルマは今までチューニングやカスタムの世界でほとんど誰も手を付けてこなかった車種ということで、全くパーツが無かったのです。それが1番大変でした。
中古パーツを集めて再生したり、直したり。3Dスキャンし1から制作したりととても地味ですが大変な作業がたくさんありました。
ボディは全て取り除き、必要な所を補強し最新シーラーや全てのボルトの入れ直しをして、1から車体を制作しています。
ボンネットやフェンダー、トランクはカーボン製で軽量化、メッキパーツは全てリメイクと楽しくも大変な作業でした。
―― 製作期間はどれくらいですか。
TASへの出展は3年前から考えていましたが、ムービーカーの車両制作依頼が舞い込んだりで中々手がつけられずにいました。
製作期間は合間にちょっとずつ作業して5年ほどになりますが、2023年にオートサロングランプリを受賞したFFZ400が終わった後、2023年の夏位から一気に作りこみを始めましたので、作業時間として約6ヶ月です。
※ ※ ※
なお、こちらの「230セドリックコンセプト」は2月17-18日にパシフィコ横浜で開催される「ノスタルジック2デイズ」にも展示される予定です。
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