トヨタ新型「ランクル“ミニ”」登場は? ランクルFJ復活?「本格コンパクトSUV」に期待高まる!? 「ホッパー&Se」どう違う?
くるまのニュース / 2024年2月15日 7時10分
昨今、噂されている「ランクルミニ」の登場。本格的なコンパクトSUVは現れるのでしょうか。
■「ランドクルーザーFJ」=「ミニランクル」?
トヨタ「ランドクルーザー」シリーズに、コンパクトな「ミニランクル」が加わることが確実視されています。
もしそれが現実となるなら、どのようなモデルになると考えられるのでしょうか。
トヨタ「ランドクルーザー」シリーズは、すでに発売されている「ランドクルーザー300(以下、300)」および「ランドクルーザー70(以下、70)」に、2024年に登場する予定の「ランドクルーザー250(以下、250)」を加えた3つのモデルが展開されています。
一方、これまでのトヨタの動きを見ると、ここにさらなるモデルが追加されることが示唆されています。
その発端となったのは、トヨタが2021年12月におこなった「バッテリーEVに関する説明会」と題された記者会見でした。
そこでは、トヨタとレクサスの両ブランドから今後発売される予定のBEVとして、30種ものコンセプトカーが並べられました。
説明会では「トヨタ・ライフスタイル・BEV」として、クロスオーバーやピックアップ、バンタイプなどのコンセプトモデルもお披露目。
その中で「トヨタのオフロードの伝統を活かす」モデルとして「コンパクトクルーザーEV」と呼ばれる小さなSUVも登場しました。
このコンパクトクルーザーEVは、トヨタのデザインを手掛ける「ED2(EDスクエア)」が制作しました。
ED2は「トヨタのオフロード車の豊かな歴史を踏まえ、コンパクトクルーザーEVは、アクティブなアウトドアレジャーを楽しむ都会の若者をターゲットのライフスタイルを、100%電気自動車である特徴的な四輪駆動車でより豊かにすることを目的としています」と説明。
具体的には、オフロードを象徴するシルエットやシンプルでソリッドなボディパネルなど、初代「ランドクルーザー」のスタイリングを踏襲し、堅牢なボディを実現しました。
ただ、そこから現在にいたるまで、コンパクトクルーザーEVについては具体的な登場時期や詳細なスペックは明かされておらず、ベールに包まれたままの状態が続いています。
一方、2023年8月に開催された250および70の発表会見で、トヨタの取締役・執行役員 デザイン領域統括部長 サイモン・ハンフリーズ氏は「(ランドクルーザーに対して)カーボンニュートラルへのさらなる提案や、より手に入れやすくできないか、なども考えているのです」と発言。
そして、その時のハンフリーズ氏の背景には、小さなSUV、大きなSUV、そして小型モビリティのようなモデルのシルエットが映し出されていました。
「カーボンニュートラルへのさらなる提案」が「BEVであること」、「より手に入れやすくできないか」が「コンパクトかつ安価であること」と読み替えると、コンパクトクルーザーEVはハンフリーズ氏の発言内容に最もマッチしたモデルであることは明白です。
さらに、2023年9月から11月にかけて、トヨタが「ランドホッパー」や「ランドスケープ」、そして「ランドクルーザーFJ」という名称を商標登録出願したことが明らかになりました。
ほぼ同じタイミングで開催された「TOYOTA JMS PROLOGUE」というイベントでは、前2輪、後2輪の電動モビリティ「ランドホッパー」が初公開されました。
また同じく同時期の「ジャパンモビリティショー2023」に関連して大きなSUVのシルエットが「ランドクルーザーSe」ということが明かされます。
ランドクルーザーSeは、シリーズとして初の「モノコックボディ」、「BEV(電気自動車)」となるモデルでした。
このように矢継ぎ早でランドホッパー、ランドクルーザーSeが登場しましたが、残すランドスケープやランドクルーザーFJに関しては情報が途絶えています。
そのため、ここまでの経緯を考えると、コンパクトクルーザーEVがこのいずれかの名称で登場する可能性は非常に高いと考えられます。
■「ミニランクル」が登場することが確実な理由とは
ここからはあくまで私見となりますが、筆者(Peacock BlueK.K. 瓜生洋明)は「ランドクルーザーFJ」こそがコンパクトクルーザーEVの市販車の名称であり、「ミニランクル」であると見ています。
そのカギとなるのが「FJ」という2文字です。
もともとは「F型エンジンを搭載したジープ(Jeep)」の頭文字をとったとされる「FJ」という記号は、ランドクルーザーの名を世界に知らしめることになった40系の型式名として用いられているなど、ランドクルーザーシリーズにおいて特別な意味を持っています。
その後、2006年に北米市場で発売された「FJクルーザー」にもその2文字が用いられていますが、そのFJクルーザーは40系をオマージュしたモデルであるとされています。
そして、現在公開されているコンパクトクルーザーEVのスタイリングを見ると、そのシルエットやフロントマスクのデザインなど、いくつかの場所で40系の面影を見ることができます。
もちろん、コンパクトクルーザーEVは「F型エンジン」を搭載しているわけではありません。
ただ、ランドクルーザーが世界に知られるきっかけとなった40系の型式名を、次世代を担うBEVに掲げるのは、強い意気込みを感じるという意味でも不思議なことではありません。
では、もしこの予想が当たっているとするなら、「ミニランクル」はどのようなモデルとなるのでしょうか。
モノコック&BEVというランクルシリーズの新たな可能性を模索する「Se」
まず確実に言えるのは、「ランドクルーザー」の名が与えられる以上、それがコンパクトなBEVであったとしても、本格的な悪路走破性能と高い信頼性を持っているということです。
航続距離の問題から、広大な砂漠を走破するような用途は想定されないと思われますが、たとえば林業や山岳管理に従事する方など、狭小な悪路を定期的に走行するようなユーザーには最適な1台となるかもしれません。
そもそも、現時点で本格的な悪路走破性能と高い信頼性を持ったコンパクトなクロスカントリーBEVは皆無です。
そもそも、ガソリン車を含めてもスズキ「ジムニー」のほぼ独壇場です。
このように考えると、新たな市場を開拓するという意味でも「ミニランクル」は非常に挑戦的なモデルになると考えられます。
※ ※ ※
ランドクルーザーのような世界中の多くのユーザーをターゲットにしているモデルは、一見するとBEVと最もかけ離れているようにも思えます。
ただ、多くのユーザーをターゲットにしているからこそ、BEVを選択肢に入れるメリットがあると考えることもできます。
いずれにせよ、現時点で「ミニランクル」に関する情報は限られており、トヨタからのさらなるアナウンスが待たれます。
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