フロントガラスの「ギラギラ加工」は車検OK? 増加中の「オーロラフィルム」に疑問アリ! 近年増えつつある“背景”とは
くるまのニュース / 2024年2月20日 9時10分
最近は、フロントガラスに色鮮やかに反射する「オーロラフィルム」を貼っているクルマを見かける機会が増えました。「ドライバーの表情が見え難い」「安全確認のためのコミュニケーションが取れない」という声も出ているこのカスタムですが、これは車検に適合しているのでしょうか。
■「ギラギラ光るフィルム」フロントガラスに貼って大丈夫?
クルマのリアガラスや後席のサイドガラスなどには、透明なガラス以外にも中が見えにくくなったスモークガラスや、ミラーのように反射するカーフィルムを貼っているものがあります。
なかでも最近では、色鮮やかに反射する「オーロラフィルム」をフロントガラスに貼っているクルマを見かけることが増えました。これにはどういった背景があり、そもそもこの施工は車検に適合しているのでしょうか。
クルマのガラスに施されるカーフィルムは、外から車内の様子を見えにくくすることでプライバシーの保護や防犯対策としての効果が期待できるほか、紫外線や日差しをカットする性能を持つものもあるため、ドライブ中の日焼けを防ぐことも可能です。
車種によっては新車時からフィルムが施工されていたり、ガラス自体も着色となるなど、一般的な装備になってきています。
一方で、道路運送車両の保安基準の規定では、フロントガラスと運転席/助手席の側面ガラスの場合、フィルムなどを貼った状態でも70%以上の可視光線透過率が必要と定められています。
後部座席やリアガラスについてはこの規定が適用されないため、かなり濃い着色ガラスやスモークフィルム、ミラータイプのカーフィルムが貼られていても問題ありませんが、“前方のガラスにスモークフィルムを貼る”ことは、場合によっては保安基準に合致せず、違反になってしまうことも考えられます。
しかし最近では、これまでのスモークやミラータイプに代わり、光の当たり方によって紫や青のグラデーションがかかったように見えるオーロラフィルムと呼ばれるカーフィルムが普及しています。
このオーロラフィルムを、厳しい保安基準が設けられているフロントガラスや運転席/助手席など前方のガラスに貼っているクルマを見かけることも増えてきました。
■「オーロラ加工」が増加している理由とは
ここには、2023年1月の国土交通省によって出された「指定自動車整備事業における着色フィルム等が装着された自動車の指導について」という通知が関係していると考えられます。
カーフィルムの装着は可視光線透過率が70%以上なら問題は無い(※画像はイメージ)
これまで車検を行う民間の“指定工場”では、カーフィルムの透過率の検査に使用される機器が統一されておらず、「フィルムの施工業者では車検対応と言われたのに、指定工場での車検に通らなかった」などといった問題が発生していました。
また、たとえ“カーフィルム単体”では透過率をクリアしていたとしても、実測の透過率は下地となるガラス本体の影響も受けることから、いざ車検となって測定したところ透過率が基準を下回っていたということもあったのです。
こういった問題を解消するため、2023年1月に国土交通省は「透過率の測定には、道路運送車両法の保安基準に規定された要件を満たした可視光線透過率測定器を使用すること」、そして「測定器を使用できない場合は運輸支局または軽自動車検査協会にクルマを持ち込んで検査を受けること」の2点を通知。
この通知では、カーフィルムの透過率に関する基準そのものが変更されたわけではありませんが、検査方法の基準が明確化されたことによって、フィルムを装着する時点で「車検に対応しているかどうか」を判定することが可能なったことから、安心してオーロラフィルムを貼る人が増えたと考えられます。
※ ※ ※
カーフィルムには、クルマのドレスアップ効果やプライバシーの保護、紫外線カットなどのメリットがあります。
しかしその一方でフロントガラスへの施工については、周囲のクルマや歩行者から「ドライバーの表情が見え難い」ことから、意思の疎通や安全確認のためのコミュニケーションが難しくなるなど、デメリットの大きさを危惧する声も上がっています。
保安基準に則るように可視光線透過率の値を満たすのはもちろんのこと、周囲の安全が損なわれないよう意識することも、交通社会の一員としては大切だと言えます。
こうしたデメリットも考え、フィルムの選定や貼付は慎重に進めたほうが良いでしょう。
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