「えっ…!」クルマが「水没」寸前!? まさかの危機にどう対応する? 有効な「脱出法」とは
くるまのニュース / 2024年6月18日 11時10分
大雨による河川増水や豪雨災害などで万が一クルマごと水没してしまったとき、有効な「脱出法」はあるのでしょうか。
■水圧でドアが開かない時も! どうする!?
ここ数年、過去にない大雨による河川増水や豪雨災害などがたびたび起きています。
万が一クルマごと水没してしまったときどうすればいいか、危機が迫った際にやるべき「脱出法」について紹介します。
クルマであれば、多少の水深であっても通過できると考えてしまう人が多いようですが、それは大きな誤解です。
クルマは水に弱く、マフラーなどから水が浸入してしまえば、エンジンがストップしてしまう可能性があります。
またその状態でさらに増水すると、車内に徐々に水が浸入していきます。
車内が水で満たされてしまえば、水の中へと沈んでいくのです。
当然ながら、そんな状態では車内の人間も呼吸できなくなるので、とにかくいち早く車外へと脱出しなければなりません。
しかし水圧によってヒンジドアはもちろんのこと、スライドドアであっても開くことができなくなり、脱出できなくなる可能性があります。
過去に行われたJAFの実験では、水深60cmになるとスライドドアも開けるのにかなりの力を必要とする、という結果が示されています。
クルマは水中に入ってしまった場合でも、状況や車種にもよりますが、数分間は浮いていることができるので、その間に脱出するよう、落ち着いて行動することが大切です。
まずはシートベルトを外し、サイドガラスを開けてください。
パワーウインドウでも、水没直後であれば開く可能性が高いですので、とにかくやってみてください。
開けば、そこから脱出します。
このとき、外を見るのではなく、車内側を向いて、背中側から外に出ると脱出しやすいです。
もしお子さんが同乗している場合は、シートベルトを外した後、お子さんを抱えてから、サイドガラスを開け、先にお子さんを脱出させてください。
パワーウインドウが開かない場合は、サイドガラスもしくはリアガラスを、脱出用ハンマーなどで割って脱出します。
このとき、窓の下辺に水面が達してしまっていると、割ったとたんに水とともにガラスの破片が車内に一気に流れ込んでくるので、注意と覚悟が必要です。
脱出用ハンマーは、ホームセンターやインターネットなどで1000円程度にて購入できますので、1台に1本、常備して欲しいアイテムといえます。
シートベルトカッターもついているものだと、シートベルトがロックされてしまった場合も安心です。
購入する際は、クルマメーカーの純正品や、JISマークや GSマークのついた、性能が十分に保証されている商品を選ぶようにし、運転席から手を伸ばしてとることができる場所に保管をしておくことも大切です。
■用意しておきたい緊急アイテム「脱出用ハンマー」の使用法とは
なお脱出用ハンマーには、金づちタイプやピックタイプ、ポンチタイプがありますが、いずれも、ガラスと垂直になるようにハンマーを当てるようにすると割れやすいです。
窓が開かず脱出用ハンマーもない場合、身近なものでガラスを割ろうとするところですが、傘やヘッドレストの棒などで窓を割ることは、ほぼ不可能だと考えてください。
常備しておきたい緊急アイテム「脱出用ハンマー」[画像はイメージです]
応力が集中する脱出用ハンマーでないと、サイドガラスはびくともしません。
この場合は、落ち着いて、クルマの中と外で水位が同じになり、水圧の影響が小さくなるのを待ちます。
水位が同じになってきたら、ドアロックを解除して、足でドアを蹴るなどすれば、ドアを開けることができます。
それでも開かなかった場合は、さらに車内に水が充満するまで待ち、水が首のあたりまで来たとき、先ほどと同様に足でドアを蹴るなどで勢いよくドアを開け、脱出します。
水が車内に入り込んでくる最中よりも、車内が水で満たされたときのほうが、水圧の抵抗が安定するためです。
ドアロックは車内からあれば水没していても解除することができるので、安心してください。
※ ※ ※
水没したからといって、119番通報などして救助を待っていると、脱出のチャンスを失ってしまう可能性があります。
119番通報よりも、自力で脱出することを優先して、まずはシートベルトを外し、出口となるサイドガラスをあけるようにしてください。
ハイブリッド車やバッテリーEVであっても、水没直後に感電するようなことはまずありません。
落ち着いて脱出に集中してください。
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