衝撃の250万円超え! 「32年落ちホンダ軽トラ」が出現! ヘコミもあるのになぜ「新車価格以上」に? ヘコミもある「旧型軽トラック」が米で高額落札
くるまのニュース / 2024年3月13日 8時10分
アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」で新車価格を超える値段で取引された軽トラックとはどのような個体なのでしょうか。
■タフなグレーで総仕上げ! 低走行の「アクティ」が約257万円に
2024年3月10日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、ホンダの軽トラック「アクティ」が1万7500ドル(当日レートで約257万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回落札されたのは1992年式アクティで、走行距離は1万9000キロを走行しているとされる個体です。
アクティは1977年に登場した軽商用車・トラックで、MR(ミッドシップ)レイアウトやモノコックボディの採用など、他メーカーの軽トラックとは異なる特徴を持っています。
落札された個体のモデルはそのうち2代目で、1990年に実施されたマイナーチェンジで排気量が550ccから660ccへとアップされた改良型。グレードはスタンダードな「SDX」で4WDのモデルとなっています。
2022年に米国に輸入されたようで、テネシー州で登録されているといいます。
エクステリアは32年経過している点を考慮すると極めてキレイな状態で、新車のように輝いています。
米国に輸出されてからはグレーに全塗装され、荷台部も同色で塗装が施された上、梨地のベッドライナーが装着され大きな傷などは見当たりません。
当初、運転席側のピラーには大きな凹みがあったようですが、全塗装時に補修済みだといいます。唯一、右アオリ部にいくつかの塗装ハゲが見られます。
紫外線によって白化しやすい無塗装バンパーも一度仕上げられたのか、黒々とした状態です。
さらに、ホイールは14インチの「MLJ エクストリーム-J」ホイールに履き替えられ、リアウインドウ周辺に取り付けられるヘッドラックもマットブラックに塗装されるなど、ピックアップトラックらしいタフなカスタムが施されました。
インテリアはシートの張替えが施工され、グレーとブラックの2トーンからなるビニールで仕上げられたほか、Bluetooth対応のCDデッキを装着するなど、現代流にアレンジされた部分もあります。
そのほか、インパネやドアパネル、ステアリングは純正で残され、割れやスレなどもなくかなり良好な程度を保っています。
インパネ周りはシンプルで、130km/hのメーターと2本スポークのシンプルなステアリングを装備。
荷台下部のエンジンルーム内も清潔に維持され、米国内の前所有者によってタイミングベルト、ウォーターポンプ、カムシャフトとクランクシャフトのシール、ヘッドカバーガスケットの交換が実施されるなど、整備も行き届いた状態です。
なお、車体には令和3年までの日本の車検証ステッカーや、「美作自動車」と書かれたオイル交換シール、法定点検ステッカーが残されており、現地マニアにとってたまらない逸品と言えます。
入札は3月4日に2700ドルでスタートし、34件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、1万7500ドルで落札。
日本固有の希少な軽トラックであることや、4WDの5速MT車であること、美しい状態に仕上げられたことなどが評価されたのか、約80万円の新車当時の価格をはるかに超えるプライスで取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
※ ※ ※
北米では「25年ルール」という決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても製造から25年が経過すればクラシックカーとして登録でき、公道が走行可能になります。
近年は映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、その影響を受けて1980年代から90年代のスポーツカーが輸出され、高値で取り引きされています。
一方で、北米では軽トラの人気が近年著しく高まっており、現地では全長5mを超える大型乗用車が少なくないなかで、4mを切るコンパクトなことや、愛らしい見た目で壊れない点、しかも燃費もよく、荷物もたくさん積むことができるなどが評価され、「JDM kei truck」として親しまれています。
北米では軽トラ専門店も存在しているようで、25年経過した中古の軽トラは今後ますます需要が高まるかもしれません。
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