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自分で車検を通す「ユーザー車検」本当にお得なの? “安さ”の裏に潜む意外なデメリットとは?

くるまのニュース / 2024年3月31日 9時10分

自分で車検を通す「ユーザー車検」はディーラーや販売店にお願いするよりも割安で済むのが大きなメリットですが、必ずしも良いことばかりとは言えません。メリット・デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

■「ユーザー車検」のメリット・デメリットとは?

 かねてから個人で車検を通す「ユーザー車検」の存在は知られていましたが、よほど知識がないと難しいと思われていました。
 
 しかし現在ではインターネットの普及で情報の入手が容易になり、手順などを細かく紹介するサイトも存在しており、ユーザー車検はより身近になったといえます。
 
 しかも、ディーラーや販売店で車検を通すよりも費用が安価で済むため、ユーザー車検をした人からの評判は良いようです。

 費用の面だけ見れば安く済みますが、実際は良いことばかりとは言い切れないようです。メリット・デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

 車検では、灯火装置(ライトなど)やタイヤの残量、窓のキズの有無、シートベルトなど安全に関わる内装の装備類、メーターに表示される警告灯の異常の有無などが保安基準を満たしているか検査されますが、販売店や整備工場などに依頼するのが一般的です。

 一方のユーザー車検は、自身で最寄りの陸運支局の検査場に出向いて車検を受け、最終的に車検証を発行してもらうというものです。

 規制緩和によって約20年前からユーザー車検の制度が誕生したのですが、これにともない、ユーザー自身で車検を受けることが増えただけでなく、手数料を安価に設定した「格安車検」を代行する業者も増えており、人気になっています。

 数多の車検整備や実際に車検代行業をこなしてきた現役のT整備士に聞いてみました。

「車検は現在のクルマの状態が保安基準に適合しているかを検査し合否を判定するためのもので、同時に『自賠責保険』の継続手続きをすることも目的のひとつになっています。

 ここで重要なのは“現在”という部分で、この先も安全に乗れることを保証するものではありません」

 ユーザー車検を代行する業者では車検をパスするための検査はするものの、問題がなければそれ以上の点検や整備はあまり行われていません。

 極論を言えば、数ヶ月以内に故障しそうな兆候があっても、その時点で最低限車検だけ受かればOKということになり、安価で車検を通せるというメリットがある一方で、安全性の面で不安が残るというデメリットがあるのです。

 そこで重要になってくるのが「法定点検(定期点検整備)」です。これはクルマに故障が生じそうな不具合がないかを点検整備するもので、保安基準適合箇所以外も厳密にチェックしていることから、トラブルを未然に防ぐ役割を担っています。

 ただし、「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」が法定点検として義務化されていても、現実は罰則規定がなく、受けない人が多いことも問題視されています。

「決してユーザー車検が悪いわけではありませんが、あくまで合格できただけの状態であることを覚えておくべきです。

 もちろん少しでも安く抑えたいという気持ちも理解できますが、それだけでなく走行を重ねるにつれて出てくる可能性の高い不具合を、未然に防ぐ対策をしておくことも重要です。

 点検整備は個人ではなかなかできないこともあります。クルマを安全に走らせるためには、プロに任せしたほうが良いと言えるでしょう」(T整備士)

※ ※ ※

 ディーラーでの車検費用が高いと不満に思ったことがある人もいるかもしれませんが、そこには24ヶ月点検費用や人件費(代行手数料)が乗っているからというきちんとした理由があります。

 自分で点検や整備ができないのであれば、多少の費用がかかってもディーラーなどに車検を依頼するのが安心で確実な方法だといえるでしょう。

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