日産「新型エルグランド」初公開か!? 元祖「キング・オブ・ミニバン」ようやくの“全面刷新”に期待大! 次期「超高級ミニバン」の姿を徹底分析!
くるまのニュース / 2024年5月11日 17時10分
2024年3月日産が発表した新たな経営計画「The Arc」の紹介動画のなかで「次期型エルグランド」を思わせるラージミニバンの姿が映りましたが、どのようなクルマなのでしょう。徹底予想します。
■高級ミニバンのパイオニアはこの先「どうなる」!?
日産は2024年3月、新たな経営計画「The Arc」を発表し、2024年度から2026年度にかけおよそ3年間で30車種の新型車投入や、電動化の推進などについて明らかにし、映像で各モデルのシルエットも公開しました。
そのなかには「次期型エルグランド」を想起させるラージミニバンの姿も含まれていましたが、果たしていつ頃、どのようなカタチで登場するのでしょうか。
日産「エルグランド」の現行モデルが登場したのは、2010年8月のことで、デビューからすでに14年目に突入しています。
一時期はモデル廃止の可能性もウワサされていたエルグランドですが、2023年10月開催の「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」では、次期型エルグランドを思わせるようなコンセプトカー「ハイパーツアラー」が出展されるなど、どうやら次期型のプロジェクトは進んでいる様子。
では次期型エルグランドはどのようなモデルになるのか、特にパワートレインに注目して考えてみましょう。
高級ミニバンコンセプトであるハイパーツアラーは、全個体電池を搭載するBEV(バッテリーEV:電気自動車)として出展されました。
全固体電池は、より多くの電力を蓄えられるうえ急速充電にも強く、劣化もしにくいことなどから次世代のバッテリーとして期待が高まっているものです。
ただ、とある国産車メーカーのパワートレイン開発エンジニアは、全個体電池について次のように話します。
「現在多くの自動車メーカーが研究開発している全個体電池ですが、量産化にはまだ開発時間が必要という認識です。
たとえ実用化されたとしても、初期段階ではコストがかかりすぎることから、ごく一部の高級車への採用にとどまるのではないでしょうか」
今後3年以内に登場するクルマとして、The Arcでチラ見せされたミニバンらしきモデルがもし新型エルグランドだとするならば、少なくとも全個体電池を採用するBEVとして登場する可能性は少ないと考えられます。
では新型エルグランドのパワーユニットはどうなるのでしょうか。
■一刻も早く「e-POWER」の新型エルグランドを!
現行エルグランドには、2.5リッター直列4気筒と、3.5リッターV型6気筒の2種類のガソリンエンジンが用意されています。
どちらもマイルドハイブリッドでもダウンサイジングターボでもない、ひと世代前のエンジンがデビュー以来搭載されており、新型エルグランドに搭載するならば、どちらも早急な刷新が必要といえます。
3年以内には登場する予定だという新型車群にいたラージミニバンらしきクルマは「次期エルグランド」なのか!?
真っ先に浮かぶのが最新型「エクストレイル」に搭載されるハイブリッドパワートレイン「e-POWER」(VC TURBO)です。
可変圧縮比システムが備わった1.5リッター直列3気筒ターボエンジンで発電するe-POWERシステムですが、2WD車はフロントに最高出力150kW(204PS)、最大トルク330Nmのハイパワーモーターを、e-4ORCE(4WD)車ではさらに、リアに最高出力100kW(136PS)、最大トルク195Nmのモーターを搭載しており、その走りは爽快そのもの。
カタログ燃費もで19.7km/L(WLTCモード燃費)と申し分なく(4WDは18.4km/L)、現行エルグランドの3.5リッターエンジンの置き換えとしては十分でしょう。
自動車税も、3.5リッター車の5万7000円から、一気に3万4500円(1.5リッター~1.0リッタークラス)へグッと安くなります。
ただ、現在最大のライバルであるトヨタ「アルファード」は、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンのFF車(税込540万円~)が売れ筋のひとつとなっています。
アルファードに対抗するならば、新型エルグランドにも廉価なパワートレインが必須。既存の2.5Lのガソリンエンジンを流用するか、パワーや燃費が足らなければ、マイルドハイブリッドシステムを追加するのもいいかもしれません。
2021年、ホンダの純正アクセサリーなどを扱うホンダアクセスが行った「クルマ選びとクルマの利用に関する調査」(自家用車を持っている20~69歳1000人が対象)によると、次にクルマを購入するときに重視するポイントのトップ3は、「価格」「燃費の良さ」、そして「運転のしやすさ」だったといいます。
つまりは、どれほどカッコ良くて走りが良いクルマであっても、価格の高さや燃費の悪さで諦めることがあるということです。
新型エルグランドも、廉価グレードはコストアップを極力抑えつつ、内外装デザインや先進装備などを強化するのが、最善だと考えられます。
コンパクトカーの「ノート/ノートオーラ」やエクストレイル、コンパクトSUV「キックス」のようにe-POWER専売には絞らず、セレナと同じく、ガソリンエンジン車とe-POWERの2ユニット体制とするのが、ラージミニバンを求める顧客が求める姿なのではないでしょうか。
※ ※ ※
2023年6月にフルモデルチェンジしたアルファードや兄弟車「ヴェルファイア」の販売動向、そして海外への輸出需要の高さを見ていても、ラグジュアリーミニバン市場は今後も高い需要が見込めることがわかります。
1997年登場の初代エルグランドで高級ミニバン市場を開拓した日産としても、いつまでもアルファードやヴェルファイアの後塵を拝しているわけにはいかないでしょう。
再びエルグランドを「キングオブミニバン」へと引き上げる施策が仕込まれるはずであり、新型エルグランドには大いに期待したいところです。
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