マツダ「ロータリースポーツカー」人気上昇! 軽量&ハイパワーな「RX-7」何がスゴい? 維持するためのコツとは?
くるまのニュース / 2024年5月7日 10時10分
いま「ネオクラシックカー(以下ネオクラ)」が人気となっており、中古車価格が高騰しています。なかでも改めて人気が上昇中なのがマツダ「RX-7」です。どのような魅力があるのでしょうか。
■唯一無二のロータリースポーツ「RX-7」
昨今は「ネオクラシックカー」の人気が高まっていて、特に1990年代~2000年代あたりに登場したスポーツカーは軒並み高値で取引されています。
日産の「スカイラインGT-R」など当時のスポーツカーは、日本だけでなく海外でも欲しがる人が多いモデルのひとつですが、そんななか注目度が高まっているのがマツダ「RX-7(3代目/FD3S型)」です。どのような魅力があるのでしょうか。
RX-7は、初代が「サバンナRX-7(SA22C)」として1978年に登場。1985年には2代目(FC3S)へと進化し、3代目(FD3S)は1991年~2003年まで6度もアップデートしながら生産され続けました。
そんなRX-7最大の魅力は、もちろんマツダのアイデンティティとも言える「ロータリーエンジン」を搭載したスポーツカーであること。
ロータリーエンジンは、理論上は軽量かつコンパクトで高回転まで回せるものの、高い技術力を必要とする、開発が難しいエンジンで、対費用効果を考慮した他メーカーでは普及せず、結果的にマツダ独自の技術として発展。現在でも認知されています。
このエンジンの特性を活かすべく仕立てられたのは、低く構えた近未来的スタイリングのボディです。
当時のスポーツカーでは主流だった、大排気量の直列6気筒エンジンに匹敵するパワーを持ちながら、エンジン搭載位置をボディ中央に寄せたことなどもあって高いコーナリング性能を実現。扱いが難しい反面、速さと美しいスタイリングを誇るリアル・スポーツカーを実現しました。
そして、RX-7に対するマツダの心意気も素晴らしく、生産終了から20年以上経過した現在でも、補修用(載せ替え用)ロータリーエンジンをはじめ数多くのパーツが入手可能です。
これは「旧いクルマも大事に乗ってほしい」「自動車文化に貢献したい」とのマツダの企業理念から「CLASSIC MAZDA」という取り込みを実施し、旧車を維持するうえで問題になる交換パーツの復刻生産などを行い、積極的にサポートしています。
この活動もあり、日本国内でRX-7(3代目/FD3S型)は1万6000台も現役として登録されているとのこと。
20年以上前のスポーツカーにも関わらず、全部ではないとはいえ純正パーツが今でも入手できるのですから、人気が高くなるのも当然でしょう。
■古いセブンを維持するためのポイントは?
では、人気のRX-7を中古で購入する場合、どのような車両を選べば良いのでしょうか。維持するうえでの注意点なども含めて、FD3S型が現役だった時代から整備士を生業とするT整備士に聞いてみました。
「すでに20年以上が経過しているクルマだけに、経年と走行による劣化がかなり進んでいると考えておいたほうがいいでしょう。
つまり車両価格だけでなく、購入後にしっかりメンテナンスする費用までを考慮した予算まで考える必要があります」
マツダのロータリースポーツカー「RX-7」
また旧車やネオクラシックカーを維持していくうえで重要になるのが、保安部品を含むパーツの供給です。
RX-7はカスタムされた中古車が多く、全体のバランスを崩している中古車も多く存在するようです。
そのため、トータルで相談できる専門ショップなどを探しておくと、維持していくのもかなり楽になるそうです。
「ロータリーエンジンはその構造上、どうしても耐久性に問題を抱えてしまうことが多いと言われており、5万km程度の走行でダメになってしまうこともあります。
中古車のRX-7は10万km以上走行している車両が多いことも考慮すると、『エンジンOH(オーバーホール)済み』や『リビルドエンジン換装済み』と明記された中古車を狙うのもいいでしょう。
ほかにも純正部品の耐久性が低いなどの問題もあるのですが、現状ではグレードより“程度”を優先して選びましょう」(T整備士)
ほかにも気をつけたいのが、下回りの腐食やサビの状況です。年式が古いだけに、表面はきれいでもリフトアップしてみたら腐食やサビだらけなんてことも。
前述のようにRX-7は純正パーツが復刻されてはいますが、必ずしも全部のパーツが揃う保証はなく、中古パーツが見つからないことも想定されます。
パーツが欠品した場合でも対処できたり、他車種から流用するなどの技量を持つプロを見つけることも大事です。
「不具合が出る前に、変調を感じた段階で早め早めの対処をすることで、結果的に安上がりになると思います。
外装パーツも中古があるとは限りません。できるだけぶつけないような自重した運転を心がけましょう」(T整備士)
※ ※ ※
運転技術のある人が乗れば、現在でも新型車に負けない速さを見せるRX-7ですが、やはり経年による劣化は避けられないところ。
それでもロータリーターボならではの回転フィーリングや、繊細すぎるほどクイックなハンドリングなど、このクルマでしか味わえない独自のスポーツカー・フィーリングに溢れている名車なので、多少の苦労は覚悟のうえで所有してみるのもいいかもしれません。
ちなみに、いまRX-7(3代目/FD3S型)を狙うなら、1999年から生産された、最高出力が280馬力に強化されたいわゆる「5型」以降のモデルのほうが信頼性は高いそうです。
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