トヨタの「爆速5ドアハッチバック」何がスゴイ? 6速MT×4WDのみなのに「普段乗り」できる!? 「GRカローラ」の魅力とは?
くるまのニュース / 2024年5月10日 6時40分
トヨタの「GRカローラ」はどのような点が魅力なのでしょうか。
■普通に使える「爆速4WDマシン」 かつての「WRカー」のよう
トヨタとTOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)はスポーツモデルとして「GRカローラ」「GRヤリス」「スープラ」「GR86」を展開しています。
そのなかでもGRカローラはどのようなクルマなのでしょうか。
GRカローラは2022年3月に発表された5ドアハッチバックスポーツカーで、5ドアハッチバック「カローラスポーツ」をベースとしています。
トヨタのベーシックモデル「カローラ」は、1966年の発売以後、世界最量販車としての側面を持つモデルです。
一方で、2代目の「カローラクーペ」(TE25型)はトヨタとして初めてWRC(FIA世界ラリー選手権)で優勝を飾ったほか、1000湖ラリー(現ラリー・フィンランド)で勝利した「カローラレビン」、1998年のラリー・モンテカルロで勝利した8代目など、モータースポーツにおいても好成績を残し、走りが評価されてきたモデルとしての側面を持つと言います。
時代に合わせてワゴンやSUVなど、さまざまなタイプを展開し、進化してきたなかで、トヨタ自動車社長(当時)兼TGRマスタードライバーの豊田 章男氏の「多くのお客様に愛していただけるクルマだからこそ、絶対にコモディティと言われる存在にしたくない。お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という思いから、GRカローラの開発がスタートしました。
ボディはカローラスポーツを基本としながらも各部が強化されており、リアホイールハウス間や床下トンネル、タンク前の床下にブレースが追加されたほか、CFRP素材のルーフパネルを装着し、剛性の強化と軽量化を実現しました。
パワートレインはGRヤリスと同一の1.6リッター3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」ですが、排気効率向上やピストン材質変更、過給圧の変更などを図ることで、最高出力は304馬力、最大トルクは370Nm(RZグレード)を発揮します。
これに前後駆動力可変のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」と、6速iMTを組み合わせます。
エクステリアはカローラスポーツを基本にしつつも、フロント・リアフェンダーを30mm拡幅するとともに、アグレッシブな大開口部のフロントロアグリルやサイドフェンダーダクト、デュフューザー形状のリアバンパーロアを採用。戦闘力の高さを主張する存在感のある仕上がりとなっています。
インテリアではスポーツ走行時の視認性を考慮したメーターに加え、車両の挙動をコントロールしやすいようにショートストロークのシフトレバーと手引き式のパーキングレバーを装備します。
2023年8月には改良が行われ、シャシの締結ボルトの変更やフロントバンパーダクトの形状変更、新色の追加などが実施されています。
そんなGRカローラですが、ほかのGRモデルと比べると、スポーツ走行をする十分な性能を有していながら、カローラスポーツが基本となっていることから利便性が高い点が特徴です。
同じパワートレインを持つGRヤリスは専用ボディを持ち、デザインとしてもベースの「ヤリス」とは“別のクルマ”として仕上がっているのに対し、GRカローラはほとんどをカローラスポーツと共有しており、カローラスポーツの“超高性能版”のようにまとめられています。
そのため、室内空間などはカローラスポーツと遜色なく、後席も大人がしっかりと座れるほか、ラゲッジスペースも5名乗車時で352リッターを確保するなど、“普段使いもできるスポーツカー”と言えます。
かつてのWRCやツーリングカーレースでは、基本的には市販車と同じボディを持ちつつも、レースで勝つための専用装備を採用したいわゆる「エボリューションモデル」が輝かしい活躍を見せました。
例えば三菱「ランサーエボリューション」やスバル「インプレッサ WRX STI」などがその例で、大パワーのターボエンジンやスポーツ4WDを搭載しながらも、「ランサー」や「インプレッサ」が持つ利便性は犠牲にしていませんでした。
こういったかつてのスポーツモデルを彷彿とさせるのがGRカローラであり、子どもがいる家族連れなどであっても十分生活に馴染むことができそうです。
※ ※ ※
GRカローラの価格(消費税込)は525万円に設定されています。なお、販売は抽選申し込みで、すでに受付は終了しています。
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