想像以上に恐ろしい「パワーウインドウ」の実態 ゴボウもスパッと切断!? 思わぬ事故まねく「危険な死角」と「絶対やっておくべき対策」とは
くるまのニュース / 2024年5月22日 5時50分
クルマの窓の開閉は 「パワーウインドウ」と呼ばれる自動機能が主流ですが、誤操作によって思わぬ事故が起きる可能性もあります。どういうことに注意すべきなのでしょうか。
■事故多発「パワーウインドウ」誤操作の危険
クルマの窓は、かつて「レバーを手でグルグル回して開け閉めする」とタイプでした。
しかし現在は、スイッチを押したり引き上げたりするだけで自動で開け閉めできるタイプがほとんどです。
「パワーウインドウ」と呼ばれるこの機能ですが、誤操作によって思わぬ事故が起きる可能性もあります。どういうことに注意すべきなのでしょうか。
パワーウインドウによる誤操作事故は多発しており、最近でも2023年12月に高松で2歳男児が挟まれる事故が発生。今年5月21日にも都内で女児が挟まれる事故が起きています。
誤操作による事故でよくあるのが、このように子どもが巻き込まれる事故です。一般的に、大きく分けて以下の2つの事故が起きやすいからです。
具体的には、「子どもが自分で操作して巻き込まれた」「親が運転席から操作して、子どもが巻き込まれているのに気づかなかった」というもの。
特に後者は、後部座席にいる子どもの様子がなかなか確認しにくく、「後ろの窓、空いてるな。エアコンの冷気がもったいない」という判断だけで、空いている窓の下のほうを確認せずついついスイッチ操作をしてしまう場合があります。
さらにパワーウインドウには「押しっぱなしにしなくても、一度長く押せば(あるいは引きあげれば)あとは勝手に窓ガラスが上げ下げする」というモードがある場合があります。
例えばドライバーが前席のパワーウインドウスイッチから後席の窓を閉める操作をし、スイッチから手を離すとともに、動いている後ろの窓の様子への意識すら外れることも十分に考えられます。
窓ガラスが閉まり切るまで、しっかり窓の様子を確認するのが大切です。
いっぽう前者の「子どもが勝手に触った」への対策ですが、幼児の場合、一番の対策は「チャイルドシート」です。正しく設置すれば、そもそも窓のスイッチに手が届かないし、窓に身体が届かず挟まれる心配もありません。
また、ドアを勝手に開けられないようにする「チャイルドロック」は、パワーウインドウにもあるといいます。国産ディーラーのスタッフも「ロック機能の存在を知らず、使っていない人もいます。パワーウインドウの子どもの事故を防ぐために、活用していただきたいですね」と話します。
■アレがバッサリ切断!? パワーウインドウの「恐ろしい怪力」実験で明らかに!?
JAFは2017年、パワーウインドウの事故がいかに恐ろしいか、挟みこみの強さを実験しています。
その結果、とあるハイトワゴンでは挟み込み防止機能が無く、スイッチを引き続けると、物が挟まってもそのまま窓を閉めようとしました。
その力は最大27.7kgf。ミニバンでは最大34.6kgfにも達しました。
この力は、大根やゴボウを挟むと、スッパリ切れてしまうほど。子どもが挟まれると、ひとたまりもないということが分かります。
また、誤操作で閉まりかけたことに気づき、閉めこもうとする窓を手で止められるか、という実験も行われました。
その結果、8歳男児はもちろん自力で止められず。30代女性は両手でやっと止められるレベルだったそうです。
なお、この実験では、挟みこみ防止機能があるにも関わらず、割りばしを挟んだ場合に作動しないケースがありました。つまり、子どもの指など小さいものだと、機械が気づかず挟みこんでしまうおそれもあるということです。
JAFはドライバーが他の席の窓を閉めるときは「十分安全を確認し、『窓を閉めるよ』などと一声かけることも大切」と呼びかけています。
また内閣府も、政府広報オンラインで、チャイルドシートを使うこと、パワーウインドウのロック機能を使うこと、パワーウインドウの操作前に声をかけること、そしてクルマから離れるときに子どもだけを車内に残さないことを呼びかけています。
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