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東京の謎の並行道路「五日市街道」「井ノ頭通り」どう違うの!? どちらが使いやすい? 至近距離に2本も道路がある「歴史的理由」とは

くるまのニュース / 2024年5月24日 7時40分

杉並から吉祥寺方面に向かう道路は「五日市街道」と「井ノ頭通り」の2本あります。ほとんど同じルートですが、なぜこうなっているのでしょうか。また、実際どちらを使うのが便利なのでしょうか。

■どっちがどっち!? ややこしい2本の道路の「違い」とは

 東京都杉並区から武蔵野市の吉祥寺方面へ、北西へ斜めに抜けていく通りは、「五日市街道」と「井ノ頭通り」の2本あります。
 
 この2つの道路、付かず離れずの距離で、互いに並行しながら吉祥寺駅方面へ伸びていきます。
 
 ほとんど似たようなルートを取るように見える、不思議な2本の道路。なぜこんな位置関係になっているのでしょうか。また、実際どちらを使うのが便利なのでしょうか。

 五日市街道と井ノ頭通りは、どちらも武蔵野市関前から都内へ下っていきます。互いの距離は500mあるかないかで、吉祥寺駅の北側と南側を抜けます。

 最も近いところでは、環八の手前で、互いに80mほどしか離れていません。合流するかと思いきや、また離れていきます。

 どちらも2車線道路で、主要交差点ではしっかり右折レーンがあります。道幅は、五日市街道より井ノ頭通りのほうが、歩道や路肩など、全体的に余裕があるように見えます。

 渋滞度合いも、さほど変わりません。どちらも重要幹線というより生活道路という趣きで、全体的に混雑しています。井ノ頭通りは吉祥寺駅の真ん前を通るため、大渋滞となります。いっぽうで東八道路側や環八以東では、比較的空いている印象かもしれません。

 このように互いに並行している区間では、五日市街道と井ノ頭通りでは利便性に大差ないように見えます。しかし、都心方面ではルートが大きく異なります。

 五日市街道は環八を過ぎると進路を北東に変え、新高円寺で青梅街道に直交します。そのまま直進(北進)すればJR高円寺駅へ到達します。

 いっぽう井ノ頭通りは、そのまままっすぐ南西に向かい、明大前で甲州街道と交差します。そこから代田橋の未開通部をクネクネと抜ければ、環七を越えて大原以東は広い4車線道路となって、原宿・表参道へ到達します。

 新宿へ行く場合は、五日市街道だと新高円寺で右折して青梅街道を東進します。井ノ頭通りだと、明大前で左折して甲州街道を東進します。あるいは西永福で左折して方南通りを東進しても、都庁前まで行くことができます。

 五日市街道は青梅街道と繋がっていることが最大の特徴と言えるでしょう。青梅街道に出たい場合は五日市街道を選び、甲州街道や渋谷方面へ出たい場合は井ノ頭通り、という使い分けになってきます。

■なぜ似たような道路が2本?歴史を辿ると…

 ところで、五日市街道と井ノ頭通りはなぜこんなにも同じようなルートでずっと並行しているのでしょうか。これは歴史を辿るとわかってきます。

 もともと昔からあったのは五日市街道で、江戸時代からほぼ変わらないルートです。その名のとおり、五日市の山林から、薪炭を運ぶ役目を果たしていたといいます。吉祥寺周辺にも「本宿」という地名が施設名などに残り、宿場を中心に街のにぎわいがあったことを偲ばせています。

 逆に井ノ頭通りは、戦後すぐの都市計画で作られた道路です。「井ノ頭通り」という名称自体、1960年代に東京都が都道へ名称を一斉に付けた際のものです。

 井ノ頭通りは、都市計画道路「放射第23号線」として計画決定。旧態依然とした五日市街道の代わりに、バイパス道路として整備されたのです。

 そのルートは五日市街道の近くに適当にまっすぐ引いたわけではなく、戦前に作られた「東京水道」を活用して道路敷地としたのです。開通からしばらくは「水道道路」と呼ばれていました。

 バイパス道路という経緯もあり、いまでも五日市街道、井ノ頭通りのどちらも東京都道7号「杉並あきる野線」に指定されています。

 それから今や半世紀以上が経過し、すでに2車線道路では交通流をさばききれず、都内ネットワークのバイパス機能は「東八道路」がすっかり取って代わっています。

 しかし井ノ頭通りはまだ戦後すぐの計画が成就していません。先出の代田橋周辺は道路が完全につながっておらず、環七周辺もまだ4車線化の最中。地域交通の利便性を確保し緊急車両が走りやすくするなど、都内の道路はまだ完成に向けて道半ばです。

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