スバルが新型「4ドアセダン」世界初公開! 「WRX S4」とは違う!? スゴい“ターボエンジン&AWD”搭載! 富士でお披露目
くるまのニュース / 2024年5月26日 8時40分
スーパー耐久の一大イベント、ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第2戦「富士SUPER TEC 24時間レース」にてスバルは新たなクルマを発表しました。
■スバルがスーパー耐久で新型モデルを発表! 「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」とは
2024年5月25日にスーパー耐久2024の第2戦「富士SUPER TEC 24時間レース」にて、スバルは新たな4ドアセダンを発表しました。
見た目は「WRX S4」ですが、何が違うのでしょうか。
スバルが新たな4ドアセダンを発表! どんなクルマなのか?(撮影:雪岡直樹)
自動車メーカーがレースを行いながら、次のクルマに向けた開発を行うST-Qクラスに参戦するスバルが、今シーズン今後S耐に参戦するマシンを発表しました。
その名前は「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」です。
今回の発表時には、スバルがS耐に参戦する理由を、マシンを走らせるTeam SDA Engineeringの本井雅人チーム代表は「スバルとしてS耐に参戦理由が2つあります。まずエンジンを残したい。ターボを使ってカーボンニュートラルにチャレンジしなくてはいけない。この技術力を高めるためです。2つ目がスバル車を開発するエンジニアを育成することです。昔は1人でクルマ全部をみる開発者がいましたが、段々と細分化されていくと自分が見るところだけしか分からない。 やっぱりクルマ1台見られるようになってほしいという理由です」と語ります。
また「エンジニアが実際のレースに参戦し、問題が起きた際に短時間で問題点を見つけ出し対策を考える。そして次は問題が起きないように開発していく。レースに出たことによって自分が担当する場所以外も問題解決の自発的に取り組むようになった。参戦したことで成果がすごく出ています」とも本井代表は言います。
スバルがスーパー耐久に参戦する理由や新たなモデルについて語る本井代表(撮影:雪岡直樹)
さらに「トヨタGR86とガチンコ対決を2年して、負ければ悔しいわけで、それが次のクルマを作る原動力になっています。若いエンジニアも実際にレースで負けると悔しくて、次は勝つという力になっている」とも言います。
またS耐に出たからこそ多くの知見や技術が開発され、それが具体的なパーツとなってユーザーにフィードバックされるとも。
将来のクルマではなく、今販売されているクルマに反映されるとなれば、これこそ「レースは走る実験室」を体現していると思えます。
さらに今回の富士24時間が集大成となるBRZに関しては、「今までの2年間カーボンニュートラル燃料を使い、エンジンを含めさまざまな開発を行ってきました。そこで得た知見や技術を反映させたパーツを7月のFUJI 86/BRZ STYLE 2024で発表できるのではないかな」とユーザーにとって聞き捨てならない発表も行われました。
■新たな4ドアセダン…どんなクルマ?
そしてその精神を今走っているBRZから引き継ぐのが「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」です。
車名の意味について本井代表は「オートサロンでイラストが出ましたけど、誰がどう見てもWRX S4な訳ですが、あえてWRX S4とは言っていません。このクルマの名前はHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTです。Team SDA Engineeringを今シーズン率いる伊藤新監督が命名してくれました。HIGH PERFORMANCE XのXは実はWRXのXと同じ『何か特別な期待をできるもの』という意味合いが込められています」と明かしました。
さらに「そして何がHIGH PERFORMANCEなのかといえば、エンジンがハイパフォーマンスであり、スバルといえばAWDです。駆動系も含めて車両全体もハイパフォーマンスな訳です。関わっているエンジニアやドライバー全てを未来に向けてということでFUTURE CONCEPTという名前がついています」と車名に込められた思いも語っています。
発表会にはデザインスケッチも展示された(撮影:雪岡直樹)
外観こそはWRX S4そのものですが「WRX S4の皮を被った車両と言ったほうが良いですね」とも。
その概要について本井代表は「パーツのほとんどはWRX S4のものを使っていますけど、カーボンニュートラルへのチャンレジは、実はターボのほうがNAよりハードルが高いです。環境規制や排ガス規制などで、ものすごく難しい技術的課題を乗り越えないといけません。しかしここを乗り越えられれば、お客様にターボ車をご提供できるようになると思います。そんな思いでこのエンジンを仕立てています」と話します。
さらに「駆動系もスバルといえばシンメトリカルAWDというイメージを持たれている人が多くいらっしゃいます。この新型車両では制御を含めて開発を行っていて、実際積まれている技術は現在販売されている技術に近い物」だそうです。
市販車として乗るには問題はありませんが、レースに出るとなればベースをしっかり把握しなくてはいけないため、ノーマルに近い技術が搭載されているそうです。
「エンジン車はもちろんですが電気自動車についてもそのような定義がしっかりと活きる技術を開発しお客様に届けるクルマに盛り込んで行きたい」とも。
本井代表自ら運転席に乗り込みエンジン始動パフォーマンスを行った(撮影:雪岡直樹)
さて、この新しいマシンを実際のレースに投入する時期はいつなのでしょうか。
本井代表は「本当は今回の24時間レースで衝撃のデビューを果たしたかったのですが、いろいろと開発が間に合わず、次戦のオートポリス戦でデビューする予定です。しっかり走れるように車両を仕上げて行きたい」と抱負を語ります。
※ ※ ※
カーボンニュートラル燃料を継続使用し、アイサイトも新バージョンを搭載して開発を続けていくスバル。
発表の最後には特別な発表会らしく本井代表自ら運転席に乗り込みエンジン始動パフォーマンスを行いました。
車内も自由に見られるように開けられ、スバルファンはもちろん、レースファンへのアピールも。
エンジニアの想いが載った新型モデルが、今シーズンどのような走りを見せてくれるのか楽しみです。
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