トヨタの高級ミニバン「アルファード」なぜガソリン車のほうが売れてる? ハイブリッド優勢のモデルが多いなか“例外”となったワケ
くるまのニュース / 2024年5月30日 14時50分
新車販売の半分以上をハイブリッド車が占めるなか、トヨタ「アルファード」ではガソリン車のほうが売れているようです。なぜハイブリッド車よりもガソリン車のほうが人気なのでしょうか。
■「アルファード」はガソリン車のほうが人気!? なぜ?
いま北米の新車マーケットでは、急激にハイブリッド車の人気が高まっていると言いますが、そんな北米に先駆けて日本ではハイブリッド車の人気が高い状態となっています。
自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計を見ると、2023年通年の新車販売(軽自動車は除くが輸入車は含む)におけるハイブリッド比率は55.1%と高い人気。1.9%のプラグインハイブリッドを加えれば57%にもなります。
ちなみに同じ期間におけるガソリン車販売比率は35.8%、ディーゼルは5.5%。EVはわずか1.7%でした。
いま日本で販売される新車が100台あればそのうち57台、つまり2台に1台以上がハイブリッド車という状況になっており、日本は世界トップ水準のハイブリッド先進国なのです。
世界ではじめてハイブリッド車を市販化したのはトヨタですが、同社の車名別販売内訳をみると、ごく一部の例外を除きガソリン車よりもハイブリッド車のほうが、販売台数が多いのが現状です。
2024年4月のカウントを見ると、「カローラクロス」ではガソリン車810台に対してハイブリッドは5650台、「カローラツーリング」ではガソリン車250台に対してハイブリッド2700台と、ガソリン車に対してハイブリッド車の販売台数が大幅に多い車種も存在。
そんななか、ハイブリッドの販売台数が控えめなのが「アルファード」です。
2024年4月はガソリン車2920台に対してハイブリッド車3780台とハイブリッドが多く売れましたが、3月はガソリン車3160台に対してハイブリッド車は3300台とほぼ同等。
その前の1月や2月はむしろガソリン車のほうがハイブリッド車の販売台数を上回っていました。
参考までに、兄弟車の「ヴェルファイア」は2024年に入り、ガソリン車がハイブリッド車の販売を上回ったことはありません。少なくともガソリン車の2倍強、多い時には6倍以上もハイブリッド車を販売しています。
トヨタの中でも例外的に、アルファードはハイブリッド車の販売比率が低いのですが、それは一体なぜなのでしょうか。
理由はいくつか考えられますが、まずはガソリン車とハイブリッドの価格差が大きいことがあげられます。
たとえば「ヤリスクロス」だとガソリン車とハイブリッド車の価格差は40万円に満たず、カローラクロスだと35万円(これはお買い得感が高い)、「ハリアー」でも約63万円となっています(いずれも消費税込)。
しかしアルファードではガソリン車とハイブリッドの価格差が80万円もあり、これはかなり高い設定と言わざるを得ません。
いずれもガソリン代でその価格差を取り戻すのはかなり難しいですが、アルファードでは特に割高感を感じるのではないでしょうか。
もちろん、燃費だけでなく、モーター走行による滑らかさや静粛性、そして快適性、さらにはモーターによるアシスト効果での動力性能アップなどハイブリッドのメリットは多岐にわたります。
それと価格差をてんびんにかけたとき、ヤリスクロスやカローラクロスだと多くの人が納得できる範囲であるものの、ハリアーだと割高感が勝りはじめ、80万円もの価格差があるアルファードではさらに二の足を踏む人が増えるのだと推測できます。
かもしれません。
アルファードの価格はガソリン車が540万円から、ハイブリッド車は620万円からに設定されます。
ハイブリッド比率の高いヤリスクロスはガソリン車190万7000円から、ハイブリッド車229万5000円から、カローラクロスはガソリン車218万4000円から、ハイブリッド車270万6000円からという価格に比べると大幅に高額です。
さらに車両価格が上がるハイブリッドには手を出しにくいという事情もあるでしょう。
トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」
一方で「手放すときのリセールバリューを考えるとハイブリッド車よりもガソリン車のほうがオトク。その理由は中古車輸出する際にガソリン車のほうが人気があるから」という声もあります。
たしかにこれまではそういった傾向がありました。しかし昨今は海外でもハイブリッド人気が高まりつつあり、必ずしもそうとは言えないようです。
ところで、ヴェルファイアはアルファードの兄弟車ではありますが、こちらはアルファードとは異なりハイブリッドのほうがコンスタントに販売比率が高い傾向です。
アルファードとは販売状況が異なる理由は、ガソリン車のハイブリッドの価格差が少ない(2WDモデルでわずか35万円)ことが考えられます。
確かに、アルファードと違ってヴェルファイアだとその価格差ならハイブリッドを選ぼうという気になる人も多いのではないでしょうか。
アルファードと比べて価格差が少ない理由は、ガソリン車のエンジンがアルファードとは異なるターボ付きユニットを搭載していて、そもそもの価格設定が高いからです。
アルファードとヴェルファイアは新型になり、そういった部分でも差別化を図っているのが面白いところだといえるでしょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ新型「カローラ」いつ登場!? 新パワートレイン搭載で「めちゃ燃費アップ」も? デビュー6年目の「超人気セダン&ワゴン」次期型どうなるのか
くるまのニュース / 2024年6月21日 19時10分
-
ノアとヴォクシー「微妙に違う」購入者の嗜好 新旧ノア/ヴォクの新車購入者データを分析
東洋経済オンライン / 2024年6月21日 10時0分
-
トヨタがガソリン車の販売終了へ、ハイブリッド車のみに…オーストラリア
レスポンス / 2024年6月6日 20時0分
-
「日本一売れてる」クルマ、2年ぶりに”交代”! 「背の高いモデル」変わらず人気か 「納期問題」解決と続く「不正」で順位変動 24年5月販売台数発表
くるまのニュース / 2024年6月6日 15時40分
-
トヨタ「快適高級SUV」なぜ売れる? 発売後「4年経過」も人気キープ! 主力SUV「ハリアー」の魅力とは
くるまのニュース / 2024年6月3日 10時10分
ランキング
-
1インバウンドに沸く「お台場フードコート」の現在 外国人目線の「ザ・日本食」が集まる施設だ
東洋経済オンライン / 2024年6月23日 12時30分
-
2「イオンや業スーの激安そうめんはマズい」が覆る!驚くほどおいしくなる3つのコツ
女子SPA! / 2024年6月23日 8時46分
-
3〈月収43万円〉の定年サラリーマン〈退職金1,500万円〉を元金に、長年の夢だった「カフェ」をオープン!感無量もわずか8ヵ月で閉店、500万円の借金を負った「残念な理由」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月22日 10時15分
-
46歳未満の女児を脳死判定、心臓や腎臓を提供へ…松戸市立総合医療センター
読売新聞 / 2024年6月23日 19時2分
-
5食欲なし、足のむくみは心臓がやられている可能性…「大病の予兆」見分け方のコツは遠い場所に出る危険サイン
プレジデントオンライン / 2024年6月23日 6時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)