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スズキの本格SUV「ジムニー」なぜ“軽”より“小型車”が人気急上昇? 「ジムニーシエラ」選ぶ人が激増したワケとは?

くるまのニュース / 2024年5月31日 10時10分

スズキのSUVとして、軽自動車の「ジムニー」と小型車の「ジムニーシエラ」がラインナップされますが、現行モデルではジムニーシエラを選ぶ人が増えています。一体なぜなのでしょうか。

■小型SUV「ジムニーシエラ」なぜ人気?

 近年、新車として売られる小型/普通乗用車の3割を占めるのが「SUV」です。そしてSUVは、軽自動車とコンパクトカーの次に売れているカテゴリーとなりました。
 
 SUVの販売ランキングを見ると、上位にトヨタ車が多くランクインしているのがわかるのですが、そんななか注目されるモデルがスズキ「ジムニー」です。

 軽自動車の悪路向けSUVとして長きにわたって支持されているジムニーは、以前から小型車の「ジムニーシエラ」も用意しています。

 現行モデルのジムニー/ジムニーシエラは2018年7月にフルモデルチェンジした4代目。外観は、丸目ヘッドライトや5スロットグリル、クラムシェルボンネットフードを採用するなど、歴代ジムニーのモチーフをさまざまな箇所に取り入れました。

 内装は、水平基調で力強い基本骨格のインストルメントパネルや、ドアミラー付近の視界を拡大する形状のベルトラインを採用することで、運転のしやすさや各部の操作性にもこだわっています。

 さらに、「ラダーフレーム」や「FRレイアウト」、「副変速機付パートタイム4WD」、「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」というジムニー伝統の構成を継承しました。

 新車を開発するには多額のコストが必要となり、効率が重視されます。そのため、ひとつの車種を大量に生産して販売することが理想的なのですが、ユーザーのニーズはさまざまですから、ひとつの車種を大量に売るのは難しいものです。

 そこでエンジンやプラットフォームなどの基本部分を共通化して、複数の車種を開発したり、派生車種を設定するなどして開発コストを抑えながら、幅広いユーザーのニーズに応えるラインナップを展開するわけです。

 そのような理由から、スズキは軽自動車のジムニーに加えて、小型車の派生車としてジムニーシエラを設定しているのですが、このジムニーシエラは販売が堅調に推移。

 ジムニーが先代型から現行型に切り替わった頃は、シリーズ全体に占めるジムニーシエラの割合は10%台だったのですが、それが今では42%へと増加しています。

 ジムニーシエラを選ぶ人が増えた背景には2つの理由が考えられます。

 まず現行型のジムニーが、税金の安い軽自動車であることよりも、悪路向けSUVとしての機能を重視して選ばれていることです。

 ジムニーは軽自動車なので、660ccターボエンジンを搭載しますが、ジムニーシエラは小型車で1.5リッター自然吸気(ノンターボ)エンジンを搭載。ジムニーシエラは、ジムニーと比べて実用回転域の駆動力が高く、悪路走破力も上まわります。

 現行ジムニーでは、税金の安さを考慮するユーザーが減り、走りを重視してジムニーシエラを選ぶ人が多いというわけです。

 そのほかジムニーシエラでは、オーバーフェンダーを装着した外観がカッコいいと評判になっており、デザインの違いが人気をさらに高めた事情もあります。

 ジムニーシエラが人気を得た2つ目の理由は価格です。

 ジムニー「XC」の4速ATは200万2000円、ジムニーシエラ「JC」は218万3500円ですから、価格差は約18万円です。

 この差額でエンジン排気量が2倍以上に増えて、オーバーフェンダーなども加わるなら、ジムニーシエラが買い得と考えるユーザーが多いのでしょう。

 そしてジムニーに比べてジムニーシエラの価格が割安になる背景には、クルマに装着される装備の製造コストが想像以上に安いことも挙げられます。

 価格が上級グレードほど高くなるのは当然ですが、多くの車種では上級グレードの儲けを増やしており、この儲けを削れば良いので、ジムニーシエラのような上級グレードの価格を少し安く設定することが可能。

 全体の価格として考えると、シンプルな装備の割にはやや高く見える面もありますが、実は機能や装備に対して割安な買い得モデルとなっていることが、ジムニーシエラが選ばれる理由だといえるでしょう。

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