レクサス新型「小さな高級車」実際どう? 全長4.2m級で“めちゃプレミアム”!? 「使って」わかった「LBX」の価値とは
くるまのニュース / 2024年5月31日 14時50分
レクサスは2023年11月、次世代のコンパクトSUV「LBX」を発売しました。従来とは異なる価値観をもとにした、いわば「小さな高級車」として高い注目を集めています。実際に使ってみた印象について、詳しく紹介します。
■他のレクサス車とは一線を画す「モダン」なデザイン
レクサスに、日常からレジャーまで向き合いやすいコンパクトクラスのSUVが登場しました。その名はレクサス「LBX」。
扱いやすいサイズの「小さな高級車」とあって気になっている人も多いようですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
車名のアルファベットはL=レクサス、B=ブレークスルー、X=クロスオーバーを意味するもので、高級車の概念を超え、コンパクトカーのサイズのヒエラルキーを超えること、ラグジュアリーカーの既成概念を打ち破ることを意味していると言われています。
これまで様々な高級車に乗り継いできた高い審美眼をもつ人が、日常でカジュアルに使えるクルマをイメージして企画されたということで、「小さなクルマの日常性があると嬉しい。小さくてもコダワリをもって造られたクルマが欲しい」という人たちの心を捉えるモデルになっていきそうです。
外観は洗練された佇まいに仕立てられているのが、新時代のモデルだと感じさせる部分です。
これまでのレクサス車は、どこか北米市場を意識した力強いデザインが特徴といえましたが、LBXは日本とヨーロッパを中心にして販売されるモデルとあって、深く彫り込まれたキャラクターラインや周囲を圧倒するような表情に頼らず、繊細な面で構成されています。
ライトまわりは先進的な機能性に柔らかな表情を融合させ、全体をモダンなイメージにまとめ上げています。
クールに乗りこなせる大人っぽいボディカラーが多いのも特徴といえるでしょう。
コンパクトなクルマでもディテールにこだわっていて、存在感もあります。しっかり造りこまれたクルマが放つオーラは、まさにプレミアムブランド“LEXUS”に相応しいモデルであることを示しているかのようです。
ボディサイズは全長4190mm、全幅1825mm、全高1545mm。このクルマ最大の功績は、なんと言っても全高が1550mmに制約がある一般的な機械式駐車場に収まるサイズでつくってくれたことでしょう。
ルーフに目を向けると、突起物となるシャークフィンアンテナはあえて使っておらず、アンテナの機能性をボディに内蔵したことでスッキリとした佇まいに。これにより、低い全高を実現しているそうです。
■シンプルだけど「上質」な内装
車内に乗り込むと、スマートで仕立てのいいインテリアが目に留まります。
インパネ中央にはフラットパネルの9.8インチのモニターが配置されており、最新式のカーナビやスマホと連携できる機能を搭載。操作系に至っては、指先の操作に対応していますが、エアコンの温度設定やオーディオの音量スイッチは走行時に分かりやすいように物理的なスイッチを残しています。
レクサス新型「LBX ”Bespoke Build”」のフロントシート
前席の機能性としては、USBのタイプC端子は2つ設置。Qi規格に対応しているスマホであれば、ワイヤレス充電にも対応可能です。
センターコンソールの設計については、身長が低いドライバーがシートスライドを前寄りにした場合でも、しっかり肘を預けられるように配慮されているのは、女性ユーザーも意識したとされるコンパクトSUVのレクサス「UX」譲りの思想が受け継がれていると思われる部分。
アームレストを後方にスライドすると、中に隠れていたドリンクホルダーが顔を覗かせてくれます。
上質な本革やウルトラスエードを用いて造られたシートはドライブに最適な運転姿勢で座れるほか、クルマの動きを感じ取りやすく、正確な運転操作をしやすい設計が施されています。
エンジンを止めてクルマから降りる際、電動シートは自動的に後方にスライドして、乗り降りしやすくしてくれるあたりは高級セダン並みのおもてなしといえます。
ユニークなのはドアを開けるときの操作感。レクサス「NX」などと同じe-ラッチアウトサイドドアハンドル/e-ラッチインサイドドアハンドルが採用されていて、ドアハンドルを大きく引くことなく、ドアを開ける方向に指を動かすだけで、電気制御でアンラッチして軽い力でドアが開きます。
乗員は最小限の操作で済むため、慣れると快適に使いこなすことができそうです。
後席についても、シート表皮は前席同様に上質な素材があしらわれています。
実際に座ってみると、膝周りは余裕があるとは言えないものの、大人が座るには十分な広さ。座面の長さはしっかりととられているし、身長178cmの乗員が座れてしまう程度にヘッドクリアランスも確保されています。
ちなみに、シートの背もたれには引き出し式のアームレストはついていません。
後席用のドリンクホルダーとして、両サイドのドアの壁面にペットボトルを差し込めるスペースがありますが、紙カップのコーヒーを置くのは、ドアの開閉時にバシャっとこぼれてしまいそうで気がとがめます。
後席の足元にはUSBのタイプC端子が2つ、ハイブリッド車とあって、AC100V・1500Wまでの家電が使えるアクセサリーコンセントがあるのは、出先でコンセントが必要になったり、停電の際に心強い味方になってくれそうです。
■自分だけの1台ができる「オーダーメイド」仕様も!
また、ハイエンドなブランドを思わせる贅沢な取り組みとして、LBXには豊富なアイテムからカスタマイズが楽しめるオーダーメイド仕様の「Bespoke Build(ビスポーク ビルド)」を設定。
外装ではアルミホイール、内装の表皮色、シートベルト、シートの素材や配色、ステッチと刺しゅうは4色・4種類から選べたりと、自分好みに仕立てることが可能です。
レクサス「LBX」は“本物を知る人”が選ぶ新時代の「小さな高級車」だった!
プラスアルファの金額を要するプログラムといえますが、初期受注では予定の10倍のオーダーが殺到したということで、後日、改めて再受注を始めるそうです。
気になる荷室の容積については、2WDで237リットル(+デッキ下収納50リットル)、4WDで253リットル(+デッキ下2リットル)を確保。
FFの場合、デッキボードを取り外すと75リットルのスーツケースを2つ重ねて収納することが可能です。
ゴルフバッグは、6:4の分割可倒式の後席背もたれを倒せば、2つほど積み込むことができます。
レスサスのラインナップにおいては、UXよりもひとクラス小さいクラスに位置するLBX。
実際にハンドルを握ってみると、街乗りでスイスイ走れるサイズ感、ハイブリッドがもたらす快適で低燃費な走りを披露してくれます。
それまで様々なクルマを乗り継いできた”本物を知る人”が素の自分に戻り、気負いなく日常で乗りこなすクルマとして、レクサス車にこれまでになかった価値を提供してくれるクルマに仕上げられていると感じました。
初めてレクサス車を購入する人はもちろん、ラージセダン「LS」やラグジュアリークーペ「LC」、ラージSUV「RX」のような家族で乗るクルマの隣にLBXが並ぶ光景を目にすることもありそうだなと思いました。
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