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660ccの「小さな高級車」って最高! 超ラグジュアリー仕立ての「オトナの軽自動車」あった! 上品でカッコいいダイハツ「エグゼ」が凄い!

くるまのニュース / 2024年6月3日 19時10分

小さなサイズと安価な車両価格が魅力の「軽自動車」ですが、中には高級感も兼ね備えたラグジュアリーな仕立てのクルマも存在しました。一体どのようなモデルなのでしょうか。

■スタイリッシュな大人の「“高級”軽自動車」!?

 高い人気を誇る「軽自動車」は、小さなサイズならではの取り回しの良さにくわえて、車両価格の安さも魅力のひとつです。
 
 そのためコストを抑えたモデルの場合、「内装のラグジュアリー感が物足りない」と感じる人がいるのも無理のないこと。
 
 しかし中には、軽自動車でありながら高級感も兼ね備えたハイグレード仕立てのクルマも存在しました。

 そのクルマとは、ダイハツが「タント」シリーズの派生モデルとして展開していた「タントエグゼ」です。

 タントエグゼが発売されたのは2009年のこと。すでに発売されていた2代目タントの派生モデルとして市場に投入されました。

 そのベースとなったタントは、軽自動車でありながら広々とした車内空間を確保したことで圧倒的な人気を獲得していましたが、タントエグゼはそれにくわえて「上質感」もプラスしています。

 とくに大きな違いといえるのが「グラマラスシート」と名付けられた座席です。

 座面に起伏を設けたりシートの厚みをたっぷりと増したことで、従来のタントには足りなかった上質な座り心地を実現。

 これによりシート高はタントと比較して15mm高く、また室内高も20mm拡大しており、乗り心地の良さと室内の快適性を両立させています。

 インテリアはベージュとブラックで統一された落ち着いたデザインを採用し、まさに「大人のタント」だと評されました。

 また、エクステリアデザインはタントと差別化が図られ、全く形状の異なるスタイリッシュな仕上がりとなっています。

 例えばAピラーを大きく寝かせることで、ベースのタントよりアグレッシブなスタイルに変更。

 助手席側後部のスライドドアは廃止し、高級車のようなスイング式のドアへと変更されました。

 一方で、タントエグゼにも他のダイハツ車同様に、エアロバンパーやリアスポイラーを装着したドレスアップモデル「タントエグゼカスタム」もラインアップされています。

 同車は車内のインテリアを黒基調のクールなスタイルに統一し、さらに上質な表皮を座席に採用した「グラマラスコンフォートシート」を装備していました。

 この2台のパワーユニットは、タントエグゼが最高出力58馬力を発揮する直3DOHCのNAエンジンで、タントエグゼカスタムには最高出力64馬力の直3DOHCターボを搭載。

 トランスミッションはいずれもCVTを採用しており、タントエグゼの4WD車のみ4速ATが用意されました。

 こうして完成したタントエグゼは、アグレッシブな外装デザインや上質なインテリア、シートの座り心地の良さが高く評価されたものの、残念ながら売れ行き自体は想定していたほど伸びません。

 その理由のひとつが「スライドドアがなかったこと」だといいます。

 軽ハイトワゴン市場では乗り降りに便利なスライドドアは必須となっている中で、あえてスライドドアを採用しないというタントエグゼの選択が裏目に出てしまったのです。

 2011年にはマイナーチェンジを行い、より外装をより高級感のあるデザインへと刷新しますが、それでも販売上での苦戦は続きました。

 これには、後に軽ハイトワゴン市場を一気に席巻するホンダ「N-BOX」が発売されたことも影響したといえます。

 このように、気合の入った構造と上質感を備えつつも魅力を活かしきれなかったタントエグゼは、残念ながら2014年9月で販売を終了。

 販売台数は約10万台と「善戦した」とは言えるものの、約5年で新車市場から姿を消してしまいました。

※ ※ ※

 タントエグゼは新車市場では苦戦したものの、軽自動車という枠の中で高級感を追求するという新しい試みと高い志を併せ持った魅力的なクルマでした。

 現在の中古市場では数は少ないものの、走行距離によっては30万円~60万円の価格帯で購入可能。

 手ごろな価格になりつつありますので、上質なセカンドカーを求める人には最適な一台となるかもしれません。

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