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「愛車が盗難に遭いました。」 警察推奨“ハンドルロック”でも盗まれるのですか? 今は「ゲームボーイ」で盗む時代… 盗まれない方法はあるのでしょうか?

くるまのニュース / 2024年6月12日 11時10分

年間6万台以上が盗まれていた2000年代初頭をピークに毎年減り続けてきた自動車の盗難が2021年を底(5182台)にじわじわと増え始めています。それらの盗難方法は昨今警察などが推奨する「ハンドルロック」では防げないものが多いようです。最新の盗難事情はどうなっているのでしょうか。

■ハンドルロックつけてて盗まれる例が多発…ハンドルロックの防盗効果はどれだけ?

 近年、クルマの盗難が多発しています。SNSでも連日にわたり盗難されたことを報告する投稿が目撃されています。
 
 それらの盗難方法は昨今警察などが推奨する「ハンドルロック」では防げないものが多いようです。最新の盗難事情はどうなっているのでしょうか。

 年間6万台以上が盗まれていた2000年代初頭をピークに毎年減り続けてきた自動車の盗難が2021年を底(5182台)にじわじわと増え始めています。

 近年の特徴として施錠した状態で7割以上が盗まれており、場所は自宅+駐車場が66%。

 車種はアルファードやランドクルーザー、レクサスなどトヨタの高級車に集中する傾向が強くなっています。

 手口はフロントバンパー裏から直接アクセスできる「CANインベーダー」が中心で2024年に入ってから「GAME BOY(キーエミュレータ)」というクルマを全く傷つけることなくクルマから出る信号を5分~45分前後で解析してその場でスペアキーを作る行為による盗難被害が爆発的に増えています。

 GAME BOY(キーエミュレータ)はあくまでも愛称で、トヨタ&レクサス車向けのキーエミュレータ(鍵の複製)のことを言い、トヨタ車以外は別の愛称が付いていてて安いものも。またGAME BOYには対象となる車種の年式によって3種類くらいあり、値段は1-3万ユーロでなかなか高額で、現在1ユーロ160円なので一番高いものは500万円近いってことです。

 これまでの方式と違うのはクルマに全く傷をつけることなく盗めることで、ドアハンドルをつかんだ時に出る信号をキャッチして解析し、スペアキーを作って盗むので、CANインベーダーのようにバンパーを外したり、ドアロックをこじ開けたりの手間が不要です。

 このように日々盗難の手口がハイテク化していくなかで、最新の盗難車状況が最もよくわかっているはずの警察が勧める防犯対策のひとつに「ハンドルロック」があります。

 ハンドルロックとは、ハンドルに直接セットしてハンドルが動かないようロックする防犯グッズで、警察庁生活安全企画課が2024年6年3月に発表した「自動車盗難等の発生状況等について~盗難防止機器の活用」の中でも以下のように推奨されています。

「センサーが衝撃・振動・音等の異常を感知し警報音を発する警報装置、ハンドル固定器具(ハンドルロック)、タイヤのホイールロック、GPS追跡装置等の盗難防止機器を活用しましょう」

※ ※ ※

 警察でも推奨され、全国の新車ディーラーでもハンドルロックを販売するところが増えています。

 実勢価格は1万円以下の価格が中心と安価なこともありタイヤロックとともに急速に普及しているのです。

 しかし、非常に残念なことに、昨今はハンドルロックをつけていて盗まれる例が多発しています。

 盗難車の情報が集まる「自動車盗難情報局」に登録された盗難車の状態を見てみると、2024年の4月-5月にかけて盗難されたランドクルーザーやアルファードだけでも複数台がハンドルロックだけをつけていて盗難に遭っています。

※ ※ ※

 近年のクルマの盗難は必ず盗みを実行する2-3週間前に入念な下見を行います。

 複数回に分けて下見する場合もあり、その際、「どのようなセキュリティがついているか」といったことから、周囲の防犯カメラやNシステムの有無、ヤードまでの逃走ルートなどもしっかりと調べます。

 ハンドルロックは運転席についているため、スモークガラスなどで邪魔されることなく外からのぞいて簡単に確認ができます。

 そこで「どのようなタイプか」「どこを切断すればよいか」などを確認して事前に対策を立てます。

 最近ではハンドルそのものを切断して盗むケースも増えてきました。

 ハンドルロックは簡単に脱着できるため、運転に支障がない場所を1-2か所切断すればほぼ外すことが可能です。

 ランドクルーザーやアルファードなどの高級車は遮音性も非常に良いため車室内で切断の際に音が出てもほとんど外部に影響はないでしょう。

■警察庁が推奨する対策方法…どのくらいの効果があるのか?

 このほか、警察庁が推奨する「タイヤのホイールロック、GPS追跡装置等の盗難防止機器」「カギを金属の箱に入れる」について実際にはどれくらいの防盗効果があるのでしょうか。

 ●タイヤのホイールロック

 タイヤロックも手軽な防盗グッズといえますが、パワーがある車なら装着したまま走り去って外すことが可能です。

 2021年に名古屋市内で盗まれたランクルには有名ブランドの頑丈なタイヤロックがつけてありました。

 この際、防犯カメラの映像には走りながら(タイヤが1回転しただけで)タイヤロックが外れる様子が残されていました。

 ハンドルロック同様、下見の際に「走れば外れるタイプかどうか?」「切断破壊する必要があるか?」なども見分けた上で切断する道具などを用意して犯行に及んでいます。

 ●GPSトラッカーやAirTag(エアタグ)、Tile(タイル)など

 GPSトラッカーとは盗まれたあとにGPSによる位置情報を獲得し盗難されたクルマを追跡する目的で使われます。

 しかし昨今の窃盗犯はジャマーと呼ばれる電波妨害装置を作動させながら盗むケースが多く、位置確認が困難な場合が増えています。

 また、T-Connectなどのメーカー純正のGPSはユニットの位置や配線などが窃盗犯に解析されており、最初に破壊されてしまうため位置確認はできないと思っていいでしょう。

 なお、「紛失防止トラッカー」として人気のAirTagやTileなどもかつては盗難車の追跡に有効でした。

 実際に盗難直後からAirTagで追跡して車両を発見した例もあります。

 しかし、実は2024年5月にアップルとGoogleが共同で声明を発表。

 ストーカー行為などでの悪用を強制的にできなくすることを目的に被害者が盗まれた車両を長時間追跡することはほぼできない仕様に変更されています。

 逆に言えば犯人側がクルマに仕掛けたAirTagも長時間の追跡ができないことになります。

昨今はハンドルロックをつけていて盗まれる例が多発昨今はハンドルロックをつけていて盗まれる例が多発

 ●鍵を金属ケースに入れる。(※有効なのはリレーアタックのみ)

 CANインベーダーが出る前に猛威をふるっていた「リレーアタック」(スマートキーから出る微弱な電波を増幅させてドアロック解除、エンジン始動)という手口には有効です。

 金属の箱に鍵を入れておけばスマートキーから出ている微弱な電波を遮断する効果があるからです。

 しかし、こちらはあくまでも「リレーアタック」用となり、鍵の有無が関係ないCANインベーダーやGAME BOYにはまったく役立たずです。

 なお近年、リレーアタックの手口は激減していますが、ゼロになったわけではありません。

 旅行先でも帰省先でも油断することなくスマートキーの管理に気を付けてください。

 また、イグラなどのイモビライザー式社外セキュリティを装着している場合は、GAME BOYでの盗難防止にスマートキーを金属ケースに入れておくことも重要です。

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