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なぜ「ペダル踏み間違え」起きる? 原因はどこにある? 相次ぐ「重大事故」は“高齢者”特有の問題ではない! 有効な「対策法」はあるのか

くるまのニュース / 2024年6月17日 20時10分

近年、「ペダルの踏み間違え」による重大事故がしばしば報道されますが、なぜ発生するのでしょうか。また、有効な対策はあるのでしょうか。

■なくならない「踏み間違え事故」 若年層も少なくない

 クルマの事故の中でも、近年よく話題になるのがアクセルとブレーキの「踏み間違え事故」です。
 
 なぜ踏み間違えが発生するのでしょうか。これに対して具体的な対策などはあるのでしょうか。

 コンビニの駐車場などでアクセルとブレーキを踏み間違えて、クルマが店舗に突っ込んでしまったという事故のニュースを見かけることがあります。

 報道では、高齢者によるペダルの踏み間違え事故が取り上げられ、実際に65歳以上、特に75歳以上の高齢者でその割合が高くなっています。

 しかし実は他の年代でも一定数発生しているのです。

 2019年の警察庁の調べでは、65歳以上が41%に対して、29歳以下が22%と、「踏み間違え事故の大半が高齢者」とは言えないデータです。

 また、交通事故総合分析センターが公開している情報によると、踏み間違い事故の要因について「高齢要因」は2番目で、最も多い要因には「慌て、パニック」が挙げられています。

 さらに、運転席の窓を開けて目視で後方確認する時や、パーキングの出口ゲートで支払いを行う時など、体を右にひねることで足の位置がずれてしまい、ブレーキを踏んだつもりが間違えてアクセルを踏んでしまうということも考えられます。

 これらは必ずしも年齢の影響とは言えず、若年者でも踏み間違え事故を起こす要因になると言えるでしょう。

 そこで、ペダルの踏み間違え防止のためにドライバー自身ができるもっとも簡単な取り組みのひとつが、駐車場内での低速移動に「クリープ現象」を活用することです。

 クリープ現象とは、AT車でエンジンがかかっている場合にシフトをDやRに入れた状態でブレーキを離すと、アクセルを踏まなくてもクルマがゆっくりと動く現象のことです。

 これはAT車に搭載されているトルクコンバーターという動力伝達装置の構造により発生する特有のもので、通常であれば5~10km/h程度で動くことができます。

 踏み間違え事故の多い駐車中の細かな前進や後退、渋滞中の場合は、ブレーキとアクセルを踏みかえなくても、このクリープ現象だけで操作できる場面も多いのです。

 クリープだけの操作では、ブレーキペダルの踏み加減だけで済むことから、いざという時にすぐにブレーキが踏めるだけでなく、慌ててペダルを踏み込んだとしてもアクセルではなくブレーキが効くため、大きな事故は起こりにくいと言えます。

 また、駐車場内はクルマの角度が変わることで死角ができやすく、他のクルマや歩行者が急に現れて驚くことがあります。

 さらに、周囲のクルマが近づくと「待たせてしまっている」といった心理状態が働き、早く停めなきゃと焦ってしまうことも多いです。

 そのため、駐車する時には普段から周囲をよく確認し「急にクルマや歩行者が現れるかもしれない」と意識して慌てないようにし、周りに歩行者やクルマがいる場合は一旦停止して譲ることを心がけることも大切です。

 ほかにも、座席やミラーの位置をしっかり合わせるなど細かな調整を行い、サイズの合わない靴や運転に適さないサンダルやハイヒールなどを履かないといった、運転に適した環境をつくることも重要な対策と言えます。

 衝突被害軽減ブレーキや後退時サポート、急アクセル軽減装置などの安全装備や運転支援システムが装備されたクルマに乗り換えることも有効な対策ですが、こうした機能に頼り切りにならないよう、自身でできる対策は講じておくほうがよいでしょう。

※ ※ ※

 ブレーキとアクセルの踏み間違え事故は、認知能力や運動機能が低下する高齢者が起こしやすい事故のひとつですが、安全確認を疎かにしたり慌てたりすると、年齢に関わらず若年者でも起こす危険があります。

 特に踏み間違え事故の発生しやすい駐車場内や渋滞中の道路などでは、特に周囲の安全確認を丁寧に行い、ひとつひとつの動作を意識することが大切です。

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