マツダ新型「スポーツコンパクト」登場!? 6速MTのみで約300万円!結構“お買い得なガチガチモデル“「NR-A」とは
くるまのニュース / 2024年6月14日 10時10分
マツダの「ロードスター」には、モータースポーツ専用グレード「NR-A」が存在しています。どのようなモデルなのでしょうか。
■マツダの新型「スポーツコンパクト」が結構凄い?
マツダの「ロードスター」には、モータースポーツ専用グレード「NR-A」が存在しています。
これはロードスターのワンメイクレースであるパーティレースに参戦することを目的に生まれたグレードです。2002年より開催されたナンバー付きのJAF公式戦「ロードスター・パーティレース」のための車両として2001年12月より発売が開始されました。
現行の前の前となる、第2世代の通称「NB型」ロードスターの時代です。
筆者(鈴木ケンイチ)も20年ほども前に、NB型「ロードスターNR-A」を買って、レースに参加していました。ドライビングのスキルアップに、非常に役立ったと感じています。
そして、先代NC型、現行のND型の時代になってもロードスター・パーティレースは続いており、その参加車両であるNR-Aグレードが各時代のロードスターに用意されていたのです。
このNR-Aの特徴は、大きく2点あります。ひとつは、サーキット走行を前提に、冷却系や足回りなどが強化されています。
そのためロールバーとバケットシートと5点式シートベルトなどという最小限度のカスタムでサーキットのレースに参加できると言うのが、第一の特徴です。
そして第2の特徴は、レース向けということで豪華&快適装備が省かれており、その分だけ車両価格が割安になっています。
具体的に、中身がどうなっているのかは、他のグレードと比較するとよくわかります。まず、ロードスターのエントリーグレードとなる「S」(289万8500円)に対して、NR-A(306万4600円)はラジエターの大容量化、前後ブレーキのローターの大径化、駆動系の強化(PPF、ドライブシャフト、デフケース)、アシンメトリックLSDの追加、車高調整式ビルシュタインダンパー装着、ボディ強化(フロントサスタワーバー、トンネルブレースバー)、リアスタビライザー追加という違いがあります。
これだけ多くの差があって、価格差が16万6100円しかありません。
自分で車両を購入して、サーキット仕様に仕立てるのよりも簡単、安価、しかもメーカーチューンなので安全というわけです。
また、ロードスターの走り系グレードとなる「RS」(367万9500円)と比べると、NR-Aの走り系の装備は、車高調整式ビルシュタインダンパー以外は、ほとんど同じになります。
その代りに、RSは内装が豪華になり、BOSEのサウンドシステムなどの豪華装備が充実しています。
確かにRSは豪華さで、NR-Aよりも1段も2段も上になりますが、その分、価格も60万円近く高くなっています。
逆に言えば、同じような走り系装備でありながらNR-Aは60万円ほども安いのです。しかも、車両重量もNR-Aは1020kgで、1040kgのRSよりも軽くなります。
つまり、走り系装備がRSと同等なのに安くて軽いのですから、モータースポーツ・フィールドでは最強になります。
また、今年の1月に実施された大幅年次改良によりロードスター」は、通称「ND2」に進化しました。
電子系プラットフォームを一新したことで、アクセル・レスポンスが向上。パワーステアリング系も新しくして抵抗を低減。より自然なハンドリング・フィールを手に入れています。
また、進化したアシンメトリックLSDを採用したことで、コーナー入り口でのターンインの安定性がアップ。横滑り防止装置である「DSC」に、サーキット走行専用にチューニングしたモード「DSCトラック」を追加したことで、サーキット走行がより楽しく、より安全に走れるようになっています。
大幅な改良により、確実に走りの質が高められているのです。その進化の程度は、サーキット走行のようなモータースポーツの現場でこそ、より強く感じられることでしょう。
ちなみに改良された新しいNR-Aで、たったひとつだけ不満点があります。それが高速道路でのいわゆるACC(全車速追従機能)である「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」がNR-Aグレードに設定できないということです。
マツダの開発陣は「モータースポーツ用には必要ないだろう」と判断したと説明していました。
しかし発売直後から、ユーザー側から「わかってない! サーキットは、だいたい大都市から遠いところにあるため、朝夕の移動距離が長い。サーキット走行で疲れたときこそ、全車速追従機能が必要である」との声が上がったそうです。
そのため5月に開催されたロードスターのファン・イベントである「軽井沢ミーティング」で、ロードスターの主査である齋藤氏も、今回の改良の反省点にACCの不備を挙げていました。この分では、次の年次改良で、そっとNR-AにもACCが追加されるかもしれません。
“どうしてもACC付きがいい!“と思う人は、年次改良を待つのも手。「そんなもの必要ない!」という人は、さっさとマツダ・ディーラーに行ってNR-Aを注文しましょう。
限界領域の動きがわかりやすいFR駆動であり、車両価格も消耗品部品の価格も安いのがロードスターです。サーキット遊び、これほどコスパに優れたクルマはありません。モータースポーツをこれから試そうという人に、筆者が自信を持っておすすめするのがNR-Aです。
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