トヨタ・ホンダ対抗!? 日産「斬新・小型ミニバン」どんな人が買う? 「車中泊最強かも」 バネットとは
くるまのニュース / 2024年6月22日 7時40分
2024年は5月にシエンタが一部改良。6月には新型フリードが登場する予定です。この2台に対抗出来る日産モデルは存在するのでしょうか。
■ 日産「NV200バネット」はどんなクルマ?
コンパクトミニバンといえばトヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」の名前が真っ先に挙がります。
実は、日産にも「NV200バネット」というモデルがありますが、シエンタ/フリードの対抗馬にはなるのでしょうか。
2024年は5月にシエンタが一部改良。6月には新型フリードが登場する予定です。
コンパクトミニバン市場はシエンタとフリードの2強状態が続くことが予想されます。
一方で日産「NV200バネット」は、商用バンとしてラインナップされていますが、乗用を想定した5人/7人乗りのワゴンモデルも設定されています。
ボディサイズは、全長4400mm×全幅1695mm×全高1855mm、ホイールベース2725mm(FFモデル)と、シエンタやフリードよりも全長と全高が150mmほど長く、この余裕は車内空間の広さにも影響します。
2列目シートを畳んだ状態のシエンタの荷室サイズは、長さ1525mm×幅1265mm×高さ1105mm(3列シート車)であるのに対し、NV200バネットの荷室寸法はグレードによって若干の違いはあるものの長さ1581mm×幅1500mm×高さ1230mm(GXグレード・5人乗り)のシエンタよりも一回り広くなっています。
内装デザインは商用車らしく非常に簡素ですが、外回り営業での使い勝手に考慮して各所に収納が備わるため、車内の利便性でもシエンタやフリードに劣りません。
加えて、バンモデルおよびワゴンモデルの5人乗り仕様をベースに跳ね上げ収納式のベッドシステム(ベッドキット)を追加したオーテックの特装車「マルチベッドワゴン」もラインナップします。
さらにキャンピングカー仕様などのバリエーションが豊富に存在する点もNV200バネットの特徴といえるでしょう。
たくさんの荷物を積んでも、キャンピングカー仕様に改装して装備重量が増えても、バン特有の堅牢な足回りと低めのギア比により積載時の安定感と動力性能は抜群です。
ボディサイズや荷室寸法などの基本性能にのみに注目すればNV200バネットは、十分にシエンタ/フリードの対抗馬となり得るクルマと言えるでしょう。
ただし、日常利用を考慮すると商用車ベースのクルマであることのデメリットが浮き彫りになります。
まず、NV200バネットに備わるスライドドアは電動ではなく、子どもや高齢者の乗り降りには負担になります。
また、ワゴンモデルは遮音材の追加や柔らかめのサスペンションが装備されるものの、バンモデルの乗り心地は決してよいとは言えません。
搭載エンジンは排気量1.6Lのガソリンエンジンのみであり、1.5Lエンジンを搭載するシエンタやフリードよりも排気量区分が上がるため自動車税も高く、ガソリンモデル同士の比較でも燃費性能は明らかに劣ります。
2020年1月以降のモデルには衝突被害軽減ブレーキが搭載されますが、ACC(アダプティブクルーズコントロール)など機能は備わっていません。
なにより商用車としての質素な外観のNV200バネットを日常的に好んで使いたがる人は少ないかもしれません。
NV200バネットは商用に仕上げられたワゴンモデルであっても、日常利用に適したクルマとはい言い難く、日常利用に最適化されたクルマであるシエンタやフリードのような快適性は望むべくもありません。
しかし以上のデメリットを受け入れられるなら、NV200バネットはコンパクトミニバンとして非常に魅力的なクルマです。
とくに頻繁に車中泊をする場合や大量の荷物を積む用途など、ハードな環境でクルマを使う場合ほどNV200バネットの魅力が光るでしょう。
4ナンバー(貨物車登録)となるバンモデルを選べば、毎年車検を受ける必要があるものの税金面での維持費はシエンタやフリードよりも割安です。
そのほかスライドドアに備わった固定式のウィンドウは不便に思えますが、備わった小窓は手動で開閉できるため車中泊時の換気に重宝します。
※ ※ ※
シエンタやフリードと形状やボディサイズが似ていても、NV200バネットはまったく異なる目的でつくられたモデルです。
しかし構造が似ているため、コンパクトミニバンとしての機能は似通ったものになります。
ファミリーカーには不向きと言わざるをえませんが、広い車内空間と大きな積載量を活かした趣味用途のクルマとしてなら非常に高い性能を発揮してくれるでしょう。
NV200バネットの新車価格はバンモデルが214万2800円〜279万8400円。ワゴンモデルは233万2000円〜249万8100円となっており、シエンタのガソリンモデルの199万5200円〜268万6600円と拮抗します。
上記の価格が高いと感じるなら中古車を選ぶとよいでしょう。2021年7月の改良前のモデルなら4速ATやCVT(自動無段変速機)だけでなく、5速MTも選べます。
NV200バネットは用途さえマッチすれば、人気のシエンタやフリードにも劣らない、かけがえのない相棒になってくれるかもしれません。
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