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カクカクSUVな新型「タンク」登場! 豪華内装×オフ仕様!? 川も渡れる…「700」を中国で試乗

くるまのニュース / 2024年6月23日 17時10分

中国の民営自動車メーカー「グレートウォール(長城汽車)」は、ピックアップトラックやSUVなどのオフロード車を中心に長年展開してきました。今回は、2024年2月に発売したばかりの最新車種「タンク700」に試乗しました。

■プレミアム電動オフローダー「タンク700」に乗ってみた

 オフロード性が高いSUVと言えばトヨタ「ランドクルーザー」やスズキ「ジムニー」、メーカーで言えばランドローバーやジープなどが挙げられます。

 一方で中国にも長年オフロードモデルを手掛ける「グレートウォール(長城汽車)」という中国の自動車メーカーがあります。

 今回は、最新電動オフローダー「700」に試乗しました。

 グレートウォールは中国の民営自動車メーカーとして、ピックアップトラックやSUVなどのオフロード車を中心に長年展開してきました。

 現在はグレートウォール下で複数のブランドを展開、大衆向けSUV「ハヴァル」、プレミアムSUV「WEY」、本格派SUV「タンク」、そしてコンパクトEV「オーラ」が挙げられます。

 タンクは元々、WEYブランド下で展開されていたミドルサイズSUV「タンク 300」に端を発します。

 その後、2021年に「タンク」ブランドとして独立して以降、「400」「500」「700」といったさまざまなサイズのオフロード車を投入しています。

 今回は、タンクが2024年2月に発売したばかりの最新車種「700」に試乗しました。

 タンク 700は全長5090 mm x 全幅2061 mm x 全高1952 mm、ホイールベース3000 mmのラージSUVです。

 見た目はより小さい「400」同様、ゴツゴツしたラギッドなデザインを特徴としていながらも、プレミアムブランド「WEY」を源流とする高級さのエッセンスも少しながら加えています。

 パワートレインはグレートウォール自社開発のE30Z型3.0リッター V型6気筒エンジンを主軸とするプラグインハイブリッド(PHEV)で、そこへ出力160 hp・トルク400 Nmのフロントモーターが組み合わさって駆動します。

 このシステムをグレートウォールでは「Hi4-T」と呼び、エンジンとモータを合わせたシステム総合出力は516 hp、最大トルクは800 Nmを誇ります。

 また、バッテリーは容量37.1 kWhの三元系リチウムイオン電池を搭載、電気だけで90 km(WLTCモード)を走行可能としています。

 オフロード走行に求められる本物の性能も700は兼ね備えています。

 フレームはもちろんラダーフレームを採用、デフロックに加えて120 mmの幅で調整可能なエアサスペンションも備えています。

 アプローチアングルとデパーチャアングルはそれぞれ37.8度/37.6度に設定、最大渡河性能は970 mmを誇り、深い川も物ともしません。

 ドライブモードは「ノーマル」「エコ」「スポーツ」「雪上」「泥地」「砂地」「岩石」「河川」と幅広く用意されており、さまざまな路面状況でも快適な走行を提供してくれます。

 ダッシュボードの中央には16.2インチディスプレイが鎮座していますが、すべての操作をディスプレイに集約させているわけではなく、エアコンやデフロック、メディアの操作のために物理ボタンも残されています。

 一部の中国メーカーは「高級であること」を意識しすぎて物理ボタンを全廃する傾向にあり、どれも扱いづらい印象です。

 オフロード走行を見据えるクルマなら操作系統の扱いやすさは特に気を使うべきだと思うので、そういった点ではグレートウォールは「高級さ」を履き違えていないあたりがさすがと感じました。

 一方で内装の質感は今ひとつ、ステアリングは細くて握りにくいですし、プラスチックの部分が多い印象を受けました。

 物理ボタンを残すのは大歓迎ですが、目で見る質感・手で触る質感の両方がマッチしていないと「プレミアムモデル」とは言い難いかもしれません。

 700はボディこそかなり大きいですが、後部座席は2列目までです。

 室内高は比較的高めな印象で、身長187 cmの筆者が2列目シートに座ってもそこまでの窮屈さは感じませんでした。

 一方で本革シートは凹凸が少ないために滑りやすく、ホールド性に欠けると感じました。

 長距離を移動し、悪路を走り抜けるオフロード車ならば、滑りやすいシートは同乗者にとっても苦痛の原因となるでしょう。

 オーディオにはハーマンカードン製16スピーカーシステムを採用していたりと内装装備は豪華ですが、それ以外でところどころ足りていない惜しさも否めません。

 乗り心地に関してはボディサイズの割には街中でも揺さぶられませんが、これはエアサスペンションのおかげと言えるでしょう。

 ただ、ノーマルのドライブモードでは少し足回りが柔らかめな印象を受けたので、「スポーツ」モードにして硬めにすることでより快適な乗車体験になると感じました。

 3.0リッター V6エンジンがもたらす加速感はとてもスムーズで、なおかつエンジン音の演出もドライバーの高揚感を演出してくれます。

 車両重量3110 kgのクルマが静止状態から時速100kmまで5.6秒で加速する実力はもの凄いですが、一方でブレーキ性能がその加速力に見合っていないと感じました。

 ブレーキを少し踏んだだけで「カックン」となるタッチではないですが、かといって強く踏み込んでもブレーキの効きは弱く、不安感を感じてしまいました。

 タンクは2024年5月、ブランド全体で2万346台を販売、そのうちの1826台が「700」の販売台数となります。

 ブランドの売れ筋は最も小型な「300」で、5月は7829台を販売しました。

 700の価格は42.8万元(約931.5万円)からと高めの部類に入るため爆発的に売れているわけではありませんが、車格を考えると意外と奮闘している印象です。

 中国ではいま、さまざまなメーカーが続々とプレミアム電動オフローダーをリリースしています。

 なかには今までオフロード車を製造したことのないメーカーまでもが手がけていますが、未経験のメーカーがホンモノの性能を有するオフロード車を作ることは容易ではありません。

 そんな中、約30年以上もオフロード車を開発してきたグレートウォールは、長年培ってきた信頼と実績を武器に、需要の高まるプレミアム電動オフロード市場への攻勢を強めている印象です。

 グレートウォールも700の価格はライバルに比べて少々高いと認めつつも、それはオフロード走行に本当に必要な性能を有しているからだと自信をもってアピールしています。

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