「サンキューハザード」に「賛否」あり!? 時には「イラッ」とさせることも? どう使うのが「正しい」のか
くるまのニュース / 2024年7月7日 14時10分
いまや広く普及した感のある「サンキューハザード」ですが、使う際の注意点などはあるのでしょうか。サンキューハザード反対派の意見なども交えながら検証します。
■なかには「サンキューハザード」反対派の人もいる
ほかのクルマに譲ってもらったときなどに、「ありがとう」という意味でハザードを点灯させることを「サンキューハザード」といいますが、実はこのサンキューハザードには「反対派」の人も少なくないといいます。
サンキューハザード反対派の意見や、サンキューハザードを使う際の注意点についてあらためて考えます。
本線を走るクルマに譲ってもらったときなど、譲ってくれたドライバーに「ありがとう」を伝えるとき、どのように伝えるでしょうか。
アイコンタクトや会釈、手を上げるなどいくつか方法がありますが、昨今はハザードランプを2~3回点灯させる「サンキューハザード」で謝意を伝える人が多いようです。
ただお礼を伝えるためにハザードを使うことは避けるべきだと考える人は少なくなく、SNSでは「ハザードランプは『非常点滅表示灯』であり、緊急時に使うもので、謝意を伝えるために使うべきではない」との意見も少なくありません。
また「サンキューハザードを出せば無謀な割込みをしてもOK、と考えているドライバーがいる」という声や「道を譲ったことくらいで、わざわざハザードランプのスイッチを操作するのは危ない」とするコメントもみられました。
しかし街中でサンキューハザードを利用するドライバーが非常に多いのも事実です。
相手のドライバーからは見えないかもしれない状況でも、確実に謝意を伝えることができるサンキューハザードは便利なため、広く浸透しているようです。
高速道路への本線合流や、渋滞中の進路変更、夜間の走行時など、相手の顔が見えないような状況では、アイコンタクトはおろか、会釈しても手を上げても、相手からはこちらの様子を確認することはできません。
以前は「プップッ」とクラクションを短めに鳴らすことで「ありがとう」を伝えているドライバーも多かったですが、短めとはいえうるさいことに変わりはなく、歩行者を驚かせてしまうなど周囲に配慮するためか、昨今はサンキューハザードに置き換わってきているように感じられます。
反対派の意見にあるとおり、サンキューハザードはハザードランプの本来の使い方ではありません。
ただこれだけ広く定着してきている現状を考えれば、道を譲る行為があってからのハザードであれば、非常事態を伝えるものではなく、謝意を伝えるものである可能性が高いことは、状況から理解するのは難しいことではないと感じます。
警察としても「(ハザードランプの)本来の使い方ではないものの、違法とはいえない」と考えているようで、また自動車教習所では、「サンキューハザードをやるべき」とは教えずに、安全運転の知識として「こうした行為があるので驚かないように」という程度に留めているといいます。
■「意思表示」したからといって「何をしても良い」というわけではない
また反対派の「サンキューハザードさえすれば、無謀な割込みをしてもいいと考えているドライバーがいる」というのも、確かにうなずけるところです。
合流のタイミングが合っていない(前へ合流させるつもりはなかった)のに無謀な割込みをされ、そのあとにサンキューハザードをされても、こちらは不快に感じたまま「モヤモヤ」することも。毎回「仏の心」で受け止めきれるとは限りません。
「ゆずり合い運転」を前提にしていれば「サンキューハザード」にイラっとすることもなくなる……はず![イメージ画像:AdobeStock]
このような「乱用」は避けるべきですが、ハザードでなければ謝意を伝えることができない状況があることを考えれば、サンキューハザードはやはり便利だと筆者(くるまのニュースライター 河馬兎)は考えます。
※ ※ ※
しかしながら、本来の使い方ではないことを考えれば、サンキューハザードを相手に強制するようなことはしないでおきたいところです。
こちらからは見えなかったとしても、相手のドライバーはハンドサインやアイコンタクトで謝意を伝えていたかもしれません。またなんらかの事情で、サンキューハザードが出来なかった可能性もあります。
サンキューハザードは「相手から伝えられたら気持ちよく受け取るけど、なかったからといって何とも思わない」くらいで受け止めておくのがよいのかもしれません。
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