車の「ヘッドライト」なぜ“黄ばむ”? 「テールライト」は変色しないのに… 前後の「ライト」劣化が異なる理由とは?
くるまのニュース / 2024年7月10日 11時10分
ヘッドランプが黄ばんでいるクルマを街中などで見かけることがあります。しかし、テールランプが変色しているクルマはほとんどありません。この2つの灯火類は何が違うのでしょうか。
■ヘッドランプのカバーだけ変色する理由とは?
日常的に運転をする人であれば、クルマの前方に搭載されている「ヘッドランプ」が経年劣化によって変色しているのを見たことがあるのではないでしょうか。
しかし、後方にある「テールランプ」が変色しているクルマはおそらく見たことがないと思います。
どちらも同じ“ランプ”なのに、なぜヘッドランプは変色してしまうのでしょうか。
結論からいえば、ヘッドランプとテールランプ(正確にはカバー)は使われている素材が異なり、同じ年数が経過しているクルマでも劣化に差が生じるためです。
1980年代まで、ヘッドランプには主にガラスが使われていたのですが、現在は「ポリカーボネート」と呼ばれるプラスチック素材が使われています。
このポリカーボネートは耐衝撃性・耐久性があり、軽くて加工しやすいという優れた特徴がある反面、紫外線や熱の影響を受けやすいという性質も持ち合わせており、長期間使用していると劣化し、黄ばんだり白く変色してしまうのです。
そうしたことから、クルマのヘッドランプが黄ばんだり白くなるのは、ポリカーボネートの性質上、避けられない現象であるといえます。
一方、テールランプは「アクリル樹脂」という素材が使われています。アクリル樹脂は紫外線に強く、ポリカーボネートと比べて黄ばんだり変色しにくいのが特徴のひとつ。
しかしデメリットもあり、衝撃に弱く、ポリカーボネートよりも破損しやすいという性質があります。
ヘッドライトが黄ばむとクルマが古ぼけて見えたり、ヘッドライトの光量が足りなくなって、車検に通らなくなる可能性もあり、そんなときは黄ばみを除去する作業が必要になります。
では、初めから黄ばみや変色に強いアクリル樹脂をヘッドランプに使用すれば良いと思うかもしれませんが、そうしないのはなぜなのでしょうか。
それは、それぞれの場所で求められる素材の性質が違うためです。
一般的にクルマのフロントは、前方を走行しているクルマから跳ねて飛んできた石がぶつかるなど衝撃を受けやすい箇所です。そのため、多少の衝撃でもカバーが破損しにくいように、耐衝撃性・耐久性に優れたポリカーボネートが使われています。
それに対してリアは、飛び石などの被害がフロントと比べて少ないため、ポリカーボネートではなくアクリル樹脂を使っているのです。
クルマの前後で受ける衝撃の違いから、ライトのカバーはそれぞれの特性に合わせた素材が用いられているというわけです。
※ ※ ※
ヘッドランプが黄ばんだり、白く変色してしまう原因は、ポリカーボネートという素材が使われているからです。
ポリカーボネートは衝撃に強いものの、変色しやすいという特徴があります。一方で、テールランプに使われているアクリル樹脂は変色しにくいけれど、破損しやすいという特徴があり、必要な箇所に適した素材が使用されています。
なお、テールランプはぶつけると壊れやすくなっていることから、バックで駐車する際などに衝撃をあたえたり、擦ったりしないように気を付けましょう。
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