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なぜ? 最近「水抜き剤入れますか?」の定番セリフ聞かない? ガソスタで「よく勧められたのに…」 耳にしなくなった理由とは

くるまのニュース / 2024年7月22日 14時50分

ガソスタで「水抜き剤入れますか?」という定番セリフが聞かれましたが、最近では聞かれません。水抜き剤ってそもそもどんな製品なのでしょうか。

■水抜き剤ってそもそもどんな製品?

 一昔前はガソリンスタンドで給油をする際にスタッフから「水抜き剤を入れますか?」と聞かれることがありました。

 最近では水抜き剤を勧められる機会が減りましたが、これは一体なぜなのでしょうか。

かつては「水抜き剤入れますか?」というのがガソリンスタンドでの定番セリフだったかつては「水抜き剤入れますか?」というのがガソリンスタンドでの定番セリフだった

 ガソリンスタンドで給油をしていると、ときどきスタッフからタイヤの空気圧点検やオイル交換、洗車などを勧められます。

 ドライバーの中には、断り切れずに点検や交換をお願いした経験のある人もいるかもしれません。

 特に一昔前はスタッフから「燃料タンクに水抜き剤を入れますか?」と聞かれる機会がたびたびありました。

 水抜き剤とは、クルマの燃料タンク内の水分や湿気を除去する製品です。

 実は燃料タンク内には外気温の影響によって「結露」が生じ、水分や湿気がたまることがあります。

 たとえばクルマを走らせるとガソリンが消費され、タンク内の空気の割合が大きくなります。

 そして日中温められていた空気が夜間冷やされると、空気中に含まれていた水分が水滴に変わります。

 さらにガソリンは油であるため結露によって生じた水とは混じり合わず、水が燃料タンクの底に沈みます。

 このように燃料タンク内に水がたまると、燃料タンクやパイプがさびてしまったり凍結したりするおそれがあるほか、エンジントラブルの原因となる可能性もあります。

 そこで開発されたのが水抜き剤です。水抜き剤の主成分はイソプロピルアルコール(IPA)というアルコール類の一種であり、水にも油にも混ざり合う性質を持っています。

 この性質を利用して分離していたガソリンと水を一体化させ、ガソリンの燃焼と同時に水分を燃焼・蒸発させることで、タンク内の水を抜くという仕組みです。

 なお、水抜き剤は湿度の高い梅雨の時期と結露が生じやすい冬期の年2回、使用が推奨されています。

 しかし、最近ではガソリンスタンドで水抜き剤を勧められる機会は非常に少なくなっています。

 ドライバーからは「以前はしつこいくらい勧められた」とまで言われる水抜き剤ですが、一体なぜ勧められなくなったのでしょうか。

 まずその大きな理由の一つとして、近年ではクルマの燃料タンクが金属製のものから樹脂製のタイプに変わったことが挙げられます。

 樹脂製のタンクは水分でさびないため、水抜き剤の需要が減ってしまったというワケです。

 加えてガソリンスタンドのセルフ化が進み、スタッフによる声かけが減少したことも影響しているものとみられます。

 2023年8月に一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センターが公表した「セルフSS出店状況 調査結果について」という文書によると、2023年3月末現在、セルフのガソリンスタンドは全国に1万721箇所存在し、年々増加傾向にあります。

 また2017年9月に石油連盟が公表したデータでは、利用するガソリンスタンドの形態として「基本的にセルフを利用」する人が全体の66%だったのに対し、「基本的にフルサービスを利用」はわずか14%にとどまり、セルフの利用者が多い状況がうかがえました。

 セルフのガソリンスタンドは一般的にフルサービスと比べてガソリン価格が安いうえ、スタッフから勧誘を受けなくて済むという理由から利用する人も多く、水抜き剤が話題に上らなくなったのは当然の流れといえるかもしれません。

※ ※ ※

 水抜き剤を販売するメーカーでは、毎回の給油量が少なく燃料タンク内の空気が多くなる場合や、金属製の燃料タンクが使われている「古いクルマ」に対する利用を推奨しています。

 製品によっては二輪車やディーゼル車などには使用できない場合もあるため、説明書を十分に確認することが大切です。

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