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クルマの「肥大化」続く! 「全幅」どこまでデカくなる? 日本の道路で限界は何mm?

くるまのニュース / 2024年8月17日 22時10分

新型モデルが出る度にどんどん大きくなるクルマですが、特に全幅の拡大はクルマの取り回しに大きな影響を与えます。最近では全幅1900mm前後のモデルも多くなっていますが、日本の道路事情において果たして限界値はあるのでしょうか。

■クルマがデカくて運転大変! 全幅の「本当の限界」とは?

 年々厳しくなる衝突安全基準や、居住性の向上、技術と装備の追加により、クルマは新型モデルが出る度に大きくなっています。
 
 多くの車種の全幅が1800mmを超え、なかには全幅2000mmを超えるクルマもあり、これ以上全幅が大きくなると運転が難しいといったユーザーの声も。
 
 ただし道幅や駐車場の幅は簡単に広げられません。
 
 一体クルマの全幅の本当の限界はどこにあるのでしょうか。

 一例としてトヨタ「クラウン」を挙げると、以前は全幅1800mm以下を維持していましたが、現行の16代目からは「クラウンクロスオーバー(1840mm)」「クラウンスポーツ(1880mm)」「クラウンセダン(1890mm)」「クラウンエステート(1880mm)」と、全幅が拡大しています。

 ボディサイズの大型化は、衝突安全性や居住性の向上に寄与しますが、重量増加による燃費悪化やコスト増などのデメリットもあります。

 特に全幅の拡大は運転のしやすさに直結します。

 日本では、全長4700mm以下×全幅1700mm以下×全高2000mm以下で排気量2000cc以下の乗用車は「小型乗用車(5ナンバー車)」と分類され、税制面での優遇措置が得られます。

 しかし、全幅1700mm以下の新車モデルは年々減少しており、コンパクトカーや軽自動車以外の選択肢が少なくなっています。

 全幅の拡大は衝突安全性や走行安定性、居住性、デザイン性などでメリットがあり、グローバル市場での需要も高いことから、今後も一定のペースで進むと予想されますが、全幅が大きくなりすぎると実用性が損なわれることも事実です。

 公道走行可能な車両の全幅は道路法の車両制限令第三条で2500mmと規定されており、これが法律上の限界とされています。

 しかし乗用車でこのサイズに達するものはなく、実用上の限界はもっと小さいと言えます。

 東京都内の高級ホテルの駐車場では全幅2100mmが上限とされていますが、これはスーパーカーや高級SUVに配慮したもの。

 現実的な範囲では、ほとんどのコインパーキングや機械式駐車場の上限である1900mmが、多くの人にとっての実用上の限界です。

 全幅1900mmを超えると都市部の駐車場インフラが利用不可能になるため、量販モデルがこのサイズを超えることはほぼないでしょう。

 車両制限令第5条では、市街地区域の道路を走行する車両の全幅が規定されています。

 道路の幅員から0.5mを引いた数の2分の1を超える車両はその道路を走行できないとされています。

 また建築基準法における道路は幅員4m以上とされており、家屋などを建築する場合は原則としてこれに接していることが必要です。

 つまりほとんどの道路は最低でも4mの幅があることになります。

 仮に最低幅である4mの道路の場合だと、走行可能なのは全幅1750mm以下の車両です。

 これらのことから、コンパクトカーや軽自動車などの全幅は今後も1750mm以下に収まるでしょう。

 しかし、SUVや多人数乗車可能なミニバンなどは、今後も全幅が拡大する傾向が続くと考えられます。

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