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技術で環境や子どもの命を守る! 人とくるまのテクノロジー展2024 名古屋会場の注目ブースを取材

くるまのニュース / 2024年7月23日 5時50分

横浜に続き愛知の会場でも多くの入場者を集めた「人とくるまのテクノロジー展」。多くの出展ブースからくるまのニュースが注目したメーカーを取材しました。

■すっきり搭載できる…がこれからのトレンド?ニチコンの最新V2Hシステム

 公益社団法人自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA」が、2024年7月17~19日の3日間にわたってAICHI SKY EXPO(愛知県常滑市)で開催されました。本イベントは5月に開催された横浜会場に続き「人と知をつなぎ、モビリティの未来を支える」というミッションのもとに行われる、自動車技術のための国内最大の技術展です。本記事では「ニチコン」「村田製作所」ブースの展示内容について紹介します。
 
 京都市に本社を構えるニチコンは、コンデンサーなどの開発、製造、販売をおこなう会社で、V2H(Vehicle to Home)システムを世界で初めて開発し、第1位のシェアを獲得しているメーカーです。

 V2Hとは、EVやPHEVなど大容量バッテリーを搭載する車両に対し、晴天時の太陽光発電を利用した家庭からの電力で充電できるだけでなく、夜間や停電時などは逆に車両側からの電力を、分電盤を通じて家庭側に供給し使用できる仕組みのことをいいます。

 今回の人とくるまのテクノロジー展NAGOYA2024のブースには「EV パワー・ステーション」の最新モデルが展示されていました。本製品の大きな特長は、EVの車両側に充電する操作ポートと、V2Hの機器本体が分離しセパレートタイプになっていることです。

 従来は本体と操作部が一体型となっていましたが、本製品は駐車場のレイアウトやスペースに対して充電ポートの設置自由度が向上したことに加えて、本体自体は家の周辺の目立たない位置に壁掛けや据え置きで配置できるなど、デザインや利便性、施工の自由度がより向上しています。

 また、従来モデルと比較して変換時における充放電効率の向上や、単色のみの選択肢からシルバーとブロンズの2色のカラーから選択が可能となっている点、国内外含めた主要自動車メーカーへの対応(業界最多)などが新製品の特長として挙げられています。

 またニチコンは急速充電器の商品ラインナップも充実しており、2口型の100kW急速充電器や、新東名自動車道路下り線 浜松SAに導入されている6口同時充電が可能な200kW高出力マルチ急速充電器もブース内で紹介されていました。

■ミリ波センサーで子どもの命を守る!村田製作所の技術ソリューション提案

 村田製作所は、セラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行う世界的な総合電子部品メーカーです。今回、ミリ波レーダーを使ったソリューション提案のひとつとして、車内の置き去り防止装置に60GHzのミリ波レーダーを使用した開発品が展示されていました。

60GHzのミリ波レーダー自体はとてもコンパクトなもの60GHzのミリ波レーダー自体はとてもコンパクトなもの

 夏場に子どもが車内に取り残されて命を落とすという、痛ましい事故が残念ながら毎年報道されています。村田製作所は、Wi-Fi(無線LAN)を使用して幼児置き去りを検知する装置を開発し実証実験をおこない、2024年6月から滋賀県野洲市の通園バスでの運用を始めています。今回はセンサーとしてWi-Fiではなく、ミリ波レーダーを用いての技術展示がおこなわれていました。

 ブース内では搭載されている60GHzのミリ波レーダーの実物展示と、3列シートのミニバンを使って実際にテストをした際の動画映像が流されていました。ミリ波レーダー自体は縦27mm、横25cm、薄さ3.1mmと、一見するとSDカードほどの大きさで、車両の天井中央に設置することを想定しているとのこと。カメラを使って同様の機能を有するものなどもありますが、センサーとしてミリ波レーダーを使うメリットは搭載が容易であるということが挙げられるとのことです。

■足元に倒れていてもしっかり検知!

 またシートに座っている状態だけでなく、車内を見るだけでは分からない、足元などに倒れて隠れてしまっているような場合でも、ミリ波レーダーを使用すれば、実際に3列目の左右どの位置にいるかも含めてしっかりと検知できるようになっていました。

車両の天井中央に設置し車内のセンシングをおこなう車両の天井中央に設置し車内のセンシングをおこなう

 現時点では開発段階であり、その状況をどのようにしてドライバーに伝えるかなどは、自動車メーカー側との開発が進んでいくなかで決められていくだろうとのことでした。

 2023年からは欧州市場の新車安全テストプログラムである「Euro NCAP」のなかで、子どもの車内置き去り検知機能「Child Presence Detection(CPD)」に関する項目が追加され、2025年以降は本機能がない場合「Euro NCAP」でフルスコアが取れない条件となっているなど、欧州市場を皮切りに今後の車両への普及が予測されています。

※ ※ ※

 人とくるまのテクノロジー展2024 NAGOYAは、前年よりも15%以上多い合計2万9852人(開催3日間の延べ人数)が訪れ、大盛況のうちに幕を閉じました。

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