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なぜ「ゲームボーイ」でクルマが盗まれる?“最新セキュリティ”突破する「新たな手口」も登場!? 盗難防止策はある?

くるまのニュース / 2024年7月26日 11時10分

自動車盗難の手口が巧妙化しており、高度なセキュリティを逆手に取った新たな手法が登場しています。最新の手口に対して、どのような対策が有効なのでしょうか。

■自動車盗難の手口が巧妙化! どう対策する?

 犯罪の発生件数こそ減少傾向が続いていますが、特定の車種を狙った車両盗難が大きな問題になっています。しかもその犯罪手口は巧妙化しており、高度なセキュリティを逆手に取った手法が登場しているようです。
 
 クルマを守るために、どのような対策が必要なのでしょうか。

 大手損保会社から構成される一般社団法人 日本損害保険協会によると、車両本体の盗難による保険金の支払い件数は、2021年が2425件、2022年が2656件、2023年が2597件でした。

 この数字は、盗難にまで対応する「フルカバー型」の車両保険に入っているユーザーから保険会社に届けがあったものなので、クルマの盗難件数は実際にはもっと多いのが実情です。

 盗まれたクルマの顔ぶれをみると、トヨタ系の人気車が多いことがわかります。

 トヨタ「ランドクルーザー」とランクルのレクサス版「LX」をはじめ、トヨタ「プリウス」「アルファード」が盗難されることが多く、最新のセキュリティシステムを備えているにも関わらず、人気車が狙われている状況です。

 盗難被害に遭うクルマのほとんどは海外でも人気の高い車種で、日本で盗まれたあとにクルマを1度バラバラに解体し、パーツとして不正に輸出。海外で改めて組み立てるとされていますが、トヨタ車のパーツは海外では常に供給不足のため、パーツ単体としても高く売れるといった事情が関係しているといえるでしょう。

 こういった最新式の高級車はスマートキーが一般的ですが、キーから発信される微弱な電波を拾い増幅させて施錠する「リレーアタック」や、昨今ではクルマの配線に専用端末を繋げてクルマのシステムに侵入する「CANインベーダー」といった盗難方法が知られていました。

 それが近年、新たな犯罪手口が登場したとして注視されているのが「ゲームボーイ」と呼ばれるものです。見た目の大きさなどがかつて流行した携帯型ゲーム機と類似する専用機器だったことから、このように呼ばれることが多いようです。

 ゲームボーイでは、スマートキーから発信される電波を使った従来の方法ではなく、ドア(クルマ側)から発信される電波をその場で解析し、スペアキーのようなデータを作成しセキュリティを騙してエンジンを始動させるそうです。

 これではスマートキーを金属の缶などにしまう「電波遮断」といった対策も意味がないということになります。

 しかも、ゲームボーイによる犯罪は増加傾向で、純正のセキュリティでは防ぎようがないとも言われています。

 では、高級輸入車を扱う販売店では、盗難対策としてどのようなことを実施しているのでしょうか。都内の高級輸入車販売店のオーナーに聞いてみました。

「高額な車両は建物内に格納し、建物用のセキュリティも作動させています。さらに屋外で保管するクルマには防犯対策として車輪止めを使用することもあります。

 短時間でセキュリティを突破し盗まれることを防ぐため、“盗みにくくする対策”をしています」

 意外に効果的なのが昔からあるキー付きハンドルロックや南京錠、車輪止めなど、物理的な防犯グッズで解錠に時間がかかるもの。この手間がかかるアイテムを使用することで、窃盗犯が盗難を諦めるケースもあるようです。

「純正のセキュリティだけでなく、社外品の複雑なセキュリティシステムを取り付けるのもかなり有効だと思います。

 クルマから発せられる電波を解析する機器が対応できない、別のセキュリティシステムを稼働させておくことで、1つは解析できても2つめは解析できないようにするなどの対策が必要かもしれません」(輸入車店のオーナー)

※ ※ ※

 いまや日本は、「安全な国」とは言えない状況になりつつあります。セキュリティの強化はもちろん、駐車時に車種がバレないようにカバーをかけるなど、二重三重の防犯対策を心がけたほうが良さそうです。

 また、万が一の事態に備えるため、人気車を所有している人はフルカバー型の車両保険に加入することも必要だといえるでしょう。

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