知らなかった!? ガソリンスタンドの給油ノズル「赤・黄・緑」以外の色がある!? “油種入れ間違え”起こらない? 意外な事実とは
くるまのニュース / 2024年7月29日 12時50分
ガソリンスタンドの給油のノズルには、燃料によって赤・黄・緑に色付けされています。しかし、これ以外の色の給油機を使っているガソリンスタンドもあるのです。なぜ給油ノズルの色は統一されていないのでしょうか。
■給油ノズルの色は法律で決まっている?
セルフ式ガソリンスタンドで給油する時、レギュラーガソリンは「赤」、ハイオクガソリンは「黄色」、軽油は「緑」のノズルを使っているでしょう。
しかし、「赤・黄・緑」以外の色のノズルの給油機も存在しています。
一体どういうことなのでしょうか。
ノズルの色が「赤・黄・緑」で分けられているのは、セルフ式でユーザーが油種を間違えて入れないよう、法律で決まっているためです。
逆にいうと、「ユーザーが燃料を間違える心配のないガソリンスタンド」では赤、黄、緑以外の色のノズルを使っても良いことになっています。
つまり、燃料の種類によってノズルの色を指定しているのは、ユーザーが自分で給油する「セルフ式」のガソリンスタンドだけを対象にした法律なのです。
スタッフが給油してくれるフルサービス式のガソリンスタンドでは、ノズルの色は各社が自由に決めているので、赤・黄色・緑以外の給油機を見かけることもあります。
実際の例では、レギュラーが赤なのはセルフ式と同じですが、ハイオクが緑、軽油が青という給油機が存在しています。
セルフ式ガソリンスタンドは平成10年4月(1998年)から設置できるようになったのですが、設置を許可するにあたって、ユーザーが危険物である燃料を安全に給油できるように、法令が定められました。
例えば、「給油ノズルを引いてもすぐに給油が始まらない」経験をしたことがある人は多いでしょう。
これもセルフ式ガソリンスタンドを安全に利用してもらうためのルールです。
ユーザーがノズルを引いてもすぐに給油は始まらず、スタッフが給油許可ボタンを押してから給油を開始するような仕組みになっているからです。
セルフ式ガソリンスタンドに誰もいないと思えるような時もありますが、監査室(制御卓)で監視カメラを通して、それぞれの給油スペースをガソリン等の危険物が扱えるスタッフ(危険物取扱者 乙種第4類の資格所持者)が確認をし、給油許可ボタンを押しているためタイムラグが発生するというわけ。
一方で、前述のようにセルフ式ガソリンスタンドでは給油ノズルの色を全国で統一し、油種がわかるようになっていますが、燃料の入れ間違いはなくなりません。
JAF(日本自動車連盟)の調べによると、2022年10月1日~10月31日の1か月間で105件の入れ間違いがあったといいます。これはJAFに報告があった数値なので、実際はもっとたくさんの入れ間違いが発生しているでしょう。
では、「燃料を入れ間違えるとクルマが壊れる」と言われますが、実際にどうなるのでしょうか。
まずはガソリン車に軽油を入れてしまった場合、ガソリンが燃料タンクに残っている状態で軽油を入れてエンジンをかけると、発火性・着火性の違いからエンジンの回転力が下がるため、加速が鈍くなります。そして、アイドリングも不調になります。
また、ガソリン車の燃料タンクが空の状態で軽油を入れて、100%軽油にしてエンジンを入れると、黒い排気ガスが出るようになり、エンジンが止まります。
その反対に、ディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合は、エンジンはかかりますが、すぐに力がなくなってしまいます。エンジン音が高くなり、アイドリングも不安定になり、排気ガスが白くなるという症状も現れます。
軽油を入れる前にガソリンがどれだけ残っているかによって症状に差があるものの、場合によってはエンジンが動かなくなる可能性も。
ディーゼルエンジン車とガソリンエンジン車では、燃料の燃焼方法が異なるため、もし燃料の入れ間違いに気づいたら、エンジンをかける前にすみやかにJAFや加入している自動車保険のロードサービスに連絡を取り、燃料の抜き替えをしてもらう必要があります。
※ ※ ※
なお、レギュラーガソリン車にハイオクを入れても、特に問題はありません。同様に、ハイオク車にレギュラーを入れても動かなくなることはありません。
しかし、ハイオク車にレギュラーを入れると、着火性の違いによりノッキング(異常燃焼)が発生しやすくなるため、災害時などでハイオクが手に入らない場合を除いて使用せず、やむを得ずレギュラーを入れる場合は急加速や坂道運転などの高負荷運転は控えましょう。
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