うっかりで「ゴールド免許」を失効、なぜ？ “強制格下げ”で「ブルー免許」になることも… 無事故・無違反でもダメな理由とは

運転免許証は、帯の色に応じてゴールド免許、ブルー免許、グリーン免許と呼ばれることがあります。無事故・無違反の象徴ともいえるゴールド免許ですが、実は事故や交通違反を全くしていないドライバーでもブルー免許になってしまうことがあります。

■ゴールド免許で無事故無違反なのに…なぜブルー免許になる？

　ゴールド免許を取得するには無事故・無違反が基本ですが、中にはその条件を満たしていてもゴールド免許を取得できない場合があります。

　では、それは一体どのようなケースなのでしょうか。

　運転免許証は、その帯の色からゴールド免許、ブルー免許、グリーン免許と呼ばれます。

　特に免許証の区分が「優良運転者」に該当するゴールド免許は、他の免許と比べて免許更新時にかかる時間・費用が抑えられるほか、自動車の保険料が割引されるなどのメリットがあります。

　そのため、ドライバーの多くはゴールド免許の取得・維持を目指しています。

　警察庁が公表している「運転免許統計 令和5年版」によると、2023年中の免許更新において優良運転者講習を受けた人は893万8904人で全体の約63％でした。

　つまり免許保有者の6割程度がゴールド免許を持っている計算となりますが、その中には日頃あまり運転をしないペーパードライバーも含まれます。

　2023年2月、三井住友海上火災保険株式会社がおこなった「ペーパードライバーに関する実態調査」では、ゴールド免許保有者の3人に1人はペーパードライバーの自覚があるという結果が出ています。

　この調査を踏まえると、日常的に車両の運転をする人に限定すれば、ゴールド免許保有者は全体の4割程度まで下がるといえるでしょう。

　一般的にドライバーの間には「無事故・無違反でゴールド免許を取得できる」という認識が広まっているものの、場合によってはその条件を満たしていてもゴールド免許を取得できないことがあります。

　では、それは一体どのようなケースなのでしょうか。

　そもそも運転免許証の色は、原則として免許更新年の誕生日の41日前を起算日とした過去5年間に、交通違反や怪我のある事故（人身事故）を起こしたかどうかによって変わります。

　ゴールド免許取得の条件は「継続して免許を受けている期間が5年以上で、なおかつ交通違反や人身事故を起こしていないこと」であり、免許を取得してから5年が経過していない人は無事故・無違反を達成してもゴールド免許にはなりません。

　さらに上記の条件を満たしていても、免許を「うっかり失効」するとゴールド免許を取得できない仕組みになっています。

　うっかり失効とは免許更新の時期に「海外旅行に行っていた」「災害を受けた」「病気や怪我で入院をしていた」などのやむを得ない理由が無いのに免許更新をせず、免許を失効してしまうことをいいます。

　なお、「仕事や家事が忙しかった」「免許更新ハガキが自宅に届かなかった」などの事情は免許更新ができない「やむを得ない理由」には当たりません。

　このうっかり失効の場合、本来ゴールド免許になるはずだった人が失効後すぐに免許の手続きをしてもゴールド免許は引き継がれず、ブルー免許に格下げされてしまいます。

　またうっかり失効後に車両を運転すると無免許運転に該当するため、手続きが完了するまでは車両を運転しないよう注意しましょう。

　うっかり失効後の手続きは「失効後6か月以内」の場合と「失効後6か月を超え1年以内」の場合に分けられます。

　失効後6か月以内であればゴールド免許は引き継がれないものの、免許の学科・技能試験が免除され、適性試験のみで免許を再取得できます。

　次に失効後6か月を超え1年以内に手続きをした場合は、本免許は取得できず仮免許の取得にとどまります。

　具体的には仮免許の適性試験に合格することで、もともと持っていた免許に応じた仮免許を取得できます。

　ただし、これはあくまで仮免許であるため、その後に本免許試験と講習を受ける必要があります。

　そして、うっかり失効後1年を超えた場合には上記のような優遇措置はなく、再び一から免許を取得しなければいけません。

　SNS上ではうっかり失効に関して、「免許更新ハガキが来なくて失効した」「昔仕事が忙しくて免許更新を忘れたことがある」といった体験談が複数寄せられており、意外にも免許を失効させてしまうケースが少なくない状況がうかがえました。

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　うっかり失効後に手続きをすると、本来ゴールド免許の予定だった場合でもブルー免許に変わります。

　住所が変わった際に警察での住所変更手続きや、郵便の転送サービスなどを利用していないと免許更新ハガキが届かないため、忘れず手続きをすることが重要です。