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クルマを誘導する時に「オーライ!」って言うのはなぜ? いつから使われている? 納得の理由とは?

くるまのニュース / 2024年8月5日 14時50分

クルマを誘導する際に使用される「オーライ」という掛け声ですが、実は長い歴史がある言葉のようです。一体「オーライ」にはどのような意味があり、なぜ長きにわたって使用され続けているのでしょうか?

■「オーライ!」の掛け声はいつから使われている?

 2024年の夏も多くの観光地で混雑が予想されていますが、当然のことながら、観光地付近の駐車場やガソリンスタンドも多くのユーザーでにぎわうことは確実です。
 
 混み合う駐車場やガソリンスタンドでは、ユーザー同士の事故やトラブルを避けるために誘導スタッフが配置されることが一般的です。
 
 そんな誘導スタッフが発する定番の掛け声と言えば、やはり「オーライ」をおいてほかにはありません。

 実は、日本における「オーライ」という掛け声の歴史は古く、1929年に発表された辰野九紫のよる小説『青バスの女』には次のような文章が見られます。

 「まだ他にいろいろの事情がありまして、私は青バスに入りました。これでも英語を知らない癖に、ストップ、オーライなんて、生意気な用語を使っています」

 ここでいう「青バス」とは、青(現代でいう深緑)のボディがトレードマークとなっていた「東京乗合自動車」というバス会社のことであり、小説の登場人物はバスを誘導するのに「オーライ」という言葉を使っていたことがわかります。

 この小説の一文からもわかるように、「オーライ」は英語に由来しており、具体的には「大丈夫」を意味する「all right(オールライト)」が日本語風に変化したものとされています。

 このように、クルマなどの誘導における「オーライ」には100年にもおよぶ長い歴史があるようです。

 実際、現在ではクルマの誘導にはほとんどの場合で「オーライ」が用いられており、日本人のカーライフにすっかり浸透した言葉となっています。

 しかし、なぜ「大丈夫」や「よし」、あるいは「オーケー(オッケー)」といったほかの言葉ではなく、「オーライ」だけが使用され続けているのでしょうか?

 そこには、言語学的視点とクルマの構造という、2つの側面から説明することができそうです。

■繰り返し大きな声を出すなら「オーライ」がベスト!?

 まずは言語学的な視点から見てみましょう。

「オーライ!」の掛け声があればはみ出し駐車になることはないでしょう。「オーライ!」の掛け声があればはみ出し駐車になることはないでしょう。

「オーライ」の「オ」は「ラ」は、発音する際の舌の位置や唇の開き方が近く、口の動きの変化が比較的小さい単語です。

 そのため、繰り返し発音しても疲れにくく、滑舌があまり良くない人でも発音しやすいというメリットがあります。

 また、「オ」も「ラ」も口を大きく開けて発音するため、大きな声を出しやすいという特徴もあります。

 ただ、「大丈夫」は音が多いために口の動きが複雑となりやすく、繰り返し大きな声を出すのにはあまり適していません。

「よし」は、縦に大きく口を開く「よ」と横に大きく口を開く「し」という組み合わせであるため発声時の負担が大きく、やはり誘導には不向きです。

 さらに、「し」では大きな声を出しにくいという点もネックとなります。

「オーケー(オッケー)」は、「大丈夫」や「よし」と比べて発声しやすいと考えられますが、「ケ」の発音がやや負担になりやすいと考えられます。

 このように、繰り返し大きな声を出すことを前提とすると、やはり「オーライ」がもっとも適していると言えそうです。

 一方、クルマの構造という面から考えてみましょう。

 かつてのクルマは、サイレンサー(消音器)の性能などが現代と比べて十分でなかったため、ドライバーは爆音のなかで運転することが一般的でした。

 また、運転に際しても高度なスキルが必要であったことから、誘導する際には繰り返し大きな声を出す必要があったものと考えられます。

 その後、クルマ自体が出す騒音は低減されていきましたが、今度は防音性能が進化したことで、窓を締めた状態では誘導の声が十分に聞こえない可能性が生じました。

 つまり、クルマの構造が変化したにもかかわらず、繰り返し大きな声を出して誘導しなければならないことは変化しなかったわけです。

 その結果、時代が変わっても「オーライ」が使用され続け、現代にいたったものと考えられています。

※ ※ ※

 近年では、バックカメラやセンサー、衝突被害軽減ブレーキを装着したクルマが増えたことから、駐車場内などでの事故も減少傾向にあるようです。

 一方、安全運転支援システムも万全ではないため、誘導スタッフからの指示に従うことはもちろん、ドライバー自身の目視による確認は必ずおこなうようにしましょう。

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