全長わずか3.3m! 斬新“卵型”採用の「超スモールカー」が存在!? 小さすぎるのに4人乗れるスバル「R1」がスゴかった!
くるまのニュース / 2024年7月30日 14時10分
かつてスバルは軽自動車を自社生産していましたが、当時個性的なモデルのひとつに「R1」がありました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
■超コンパクトなのに4人乗れる! 「R1」ってどんなモデル?
現在、自社製の軽自動車を製造していないスバルですが、かつてはさまざまな軽を手掛けていました。
そして、スバルの軽のなかでもひときわ個性的だったのが、「R1(アールワン)」です。
R1は2005年1月4日に発売された、2名乗車が基本の「スーパースモールカー」。小さいながらも後席が設けられており、4人が乗車することが可能です。
2005年当時、軽自動車市場で中心となっていたのはハイト系ワゴンでしたが、スバルは軽自動車の規格よりも小ぶりな全長3285mm×全幅1475mm×全高1510mmという、パーソナルユース向けのR1を発売して注目を集めました。
パワーユニットには660cc直列4気筒 DOHCエンジンを搭載。低燃費で機敏な走りが可能なほか、軽自動車としては珍しい4気筒を採用することで3気筒より静粛性を高めつつ、AVCS(可変バルブタイミング)によって力強さも感じられました。
トランスミッションはi-CVT(フル電子制御自動無断変速機)を搭載。変速ショックがなく、滑らかでスムーズな加速が可能で、登坂制御も磨かれており坂道でも余裕が感じられます。
この直列4気筒DOHCエンジンとi-CVTの組み合わせで、10・15モード燃費で24km/Lという低燃費を実現しました。
また、スーパーチャージャー搭載グレードが後から追加され、パワフルな走りを楽しめます。
R1のエクステリアは滑らかなシルエットが特徴で、かわいらしさとスタイリッシュさが魅力ですが、これはデザイン性のみならず、耐衝撃性も考慮したもの。
軽量な車体でも衝撃に強くするため、「ワンモーションフォルム」という卵のような形が採用され、衝突した際の衝撃を効率よく吸収し分散します。
また、軽量ながら強度を高める「新環状力骨構造ボディ」によってフレーム位置などが工夫されていることにより、前・横・後といったあらゆる方向からの衝撃に対して、優れた衝突安全性能が発揮できるよう計算されました。
車体の安全だけではなく、フロントフードとエンジンの間にクリアランスを確保したり、ワイパー取付部やフードビンジなどに衝撃吸収構造を採用したりすることで、歩行者への衝撃軽減も図られています。
フロントシートは高剛性のヘッドレストとステー、両側ヒンジで剛性を高めた大型バックレストを採用することで、バックで衝撃を受けた際に過度の後傾を防ぎ、事故による外傷で多くの割合を占める頸部の損傷を防止します。
小さなクルマは安全面で不安を感じる人がいるかもしれませんが、R1にはほかにも丈夫なシートや各種エアバッグ、高性能ブレーキなどが備わっており、安全にこだわった作りを特徴としていました。
R1の左右ドアはドアヒンジが前に傾いており、上の開口スペースを広くとることで乗り降りしやすいよう配慮。
助手席はシートバックが中折れ式で、背面をテーブルスペースとして活用することもでき、また、リアラゲッジデッキと同じ高さに設定されているので、長いものも積載可能です。
なお、車名に付いている「R」はスバルのミニカーを表す記号とされており、R1のほかに「R2(アールツー)」という軽自動車も存在。
このR2はR1より約1年早い2003年12月8日から販売され、1969年に発表されたミニカー「R-2」の名前を用いるなど、スバルのものづくりへの想いが込められていました。
R1とR2は、ワンモーションフォルムや燃費など、同じところが多々ある一方、異なる部分もあります。
まずボディサイズが異なり、R2は全長3395mm×全幅1475mm×全高1520mmと、R1より全長が110mm、全幅が10mm大きく設定。ホイールベースもR1の2195mmに対して、R2は2360mmと165mm長くなっています。
そして、ドア数はR1が3ドア、R2が5ドアで、後席ドアを備えたR2の方がリアシートへアクセスしやすくなっており、3名以上の乗車が多いのであればR2が使いやすいでしょう。
R2をよりコンパクトにしてパーソナルカーとしてのスペシャリティを高めたのがR1と表現するのが良いかもしれません。
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